ややこしい奴を後ろに付けて颯爽と歩く。
楽屋の扉を開ける前に、念の為もう一度確認をと後ろを向いた。
が、朝と変わりない、、
いたって通常の勇斗,,
…いやいやいや、通常じゃねぇわな。
仁『まだ治りそうにないんですか?それは』
勇「ない。」
仁『はいはい。』
心配したのが馬鹿らしく、呆れ顔で扉を開けた。
挨拶を交わす中、番犬のようにまとわりついている勇斗は目を鋭くしてメンバーを見ていた。
柔「え、なに?笑」
舜「なんか、めっちゃ睨まれてんねんけど笑」
仁『あ~わり。こいつ朝からこんな感じ何だわ』
太「え、朝から?笑」
舜「俺ら何かした?」
柔「ねぇ、ちょっと状況説明してくれる?笑」
仁『俺も知らんわ笑』
柔「勇ちゃんなんでそんな睨んでんの?」
みんなの頭に浮かぶハテナは俺に向けられているらしい。
俺じゃなくて本人に聞け!なんて思いながらも、俺が代わりに本人に問いかけてみる。
仁『ほんとどうしたよ?』
勇「別に…何も無い,,」
仁『それ絶対あるやつじゃん。なに、俺には言えないこと?』
勇「…あ、いや,,」
仁『じゃあ、なに?』
勇「…」
そんなぎこちない空気の中、スマホを見ていた太智が薄笑いを浮かべながら言った。
太「俺知ってんで笑」
柔「え?」
太「みんなこの間撮ったYouTubeのコメント見てみ??」
そう言うと、各々スマホを取り出して言われた通りに最新動画のコメントを見た。
舜「別に、いつもと変わらんような気するけど…?」
太「よく見てみって笑」
舜太と俺が目を凝らして見る中、柔太朗がどうやら何かに気づいたらしく、次第に口角が上がっていった。
柔「あはは笑そういうことね」
太「気づいた?笑」
柔「気づいた、気づいた笑」
仁『ちょっと言ってよ』
勇「だめだめ。絶対にだめ!」
仁『お前は黙っとけ』
勇「…」
柔「この間のYouTubeでさ、仁ちゃんが可愛い〜なんて話あったじゃん?」
仁『うん…笑それが?』
柔「そしたら、コメントでも仁ちゃんのここが可愛い、とかのコメントもあって」
仁『うん笑』
柔「その中でも、仁ちゃんを彼氏にしたいって人がめっちゃいる笑多分勇ちゃんはそれ見て、こうなってるんじゃない?笑」
仁『あはは笑そうなの?』
勇「そうです…,,」
仁『あ〜…だから"狙われてる"のか笑』
勇「いや、だって…。。…仁人は俺のだもん…」
分かりやすく垂れ下がる耳ととんがる口
一日中引っ付いてたのは正直うざかったけどさ、、
こんな勇斗見ちゃったら、
許すほかないよね、笑
仁『ふふ…//笑そっか、うん…そうですよ、僕はあなたのものですよ、笑』
勇「そうだよ…俺のだから,, 」
勇斗の頬を両手でそっと触れた。
勇斗がムスッとした顔をすれば、緩くパーマのかかったフワフワの髪を優しく撫でた。
仁『笑笑笑』
舜「勇ちゃんなんかカワイー笑」
柔「笑まぁ、原因わかって良かったね…って太ちゃんもう興味無さそうだし笑」
太『んー?』
仁『あぁーこれで解放される』
勇「家にいる時だけな」
仁『はぁ!?』
勇「当たり前だろ」
仁『そういう勇斗も自覚持てよ?たくさんテレビ出てくれんのはありがたいけど、あなたこそ僕のものですから』
勇「笑笑笑だな、」
end.
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