TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

セフレ

一覧ページ

「セフレ」のメインビジュアル

セフレ

1 - 第1話

♥

22

2025年07月20日

シェアするシェアする
報告する

ある日の17時すぎ。深澤はカフェに1時間ぼーっといた。

仕事が早く終わったのに、誰も捕まらない。でも、まっすぐ帰る気もしない。


ポケットからスマホを取り出して、

グループスケジュールを何気なく開く。


(……全員、今日はバラバラか)


暇そうなのは一人だけ。

阿部亮平。今日は夕方まで取材があったらしい。


深澤は少し迷ってから、1行だけ送った。


[メシ行く? 暇なら]













🍻


「……ほんとに、暇だっただけ?」


焼き鳥をつまみながら、阿部が笑う。


「んー? 暇だっただけ。何、誘われたこと嬉しかった? かわいいな」


「いや、別に?」


「素直じゃないな、阿部ちゃん」


深澤はビールを煽って笑う。

テンションはいつも通り。

でも阿部は、どこかちょっと違う温度を感じていた。











🛋


「泊まっていい?」


「いいけど。別に何も出ないよ、うちは」


「知ってる。阿部ちゃんの部屋も冷蔵庫の中も」


深澤は阿部の家に上がるとソファにダイブするように転がって、靴下を脱いで、テレビをつけて、リモコンを放り投げる。


「ふっか、誰の家でもそのテンションでくつろぐの、やめな?」


「だって居心地いいんだもん。阿部ちゃん、文句言わないし」


「……言っても聞かないだけじゃん」













🌒


ふっかはリビングの床でゴロゴロしていた。


「あーあ、なんかしてぇな」


「何を?」


「なんか、面白いこと。暇って、なんもしたくないときより、手持ち無沙汰でつらくね?」


阿部は、低い声で答えた。


「……じゃあ、する?」


深澤は顔を向ける。


「何を」


「お前の“暇つぶし”になれること、俺ひとつだけ知ってるけど」


沈黙。


深澤は笑った。


「マジで言ってんの、それ」


「断ったら、寝る。断らなかったら……寝る前に、ちょっと遊ぶだけ」


深澤は一瞬、目を細めて――


「……一回だけな」













🌘


翌朝。

深澤はソファの上で目を覚ます。


隣にいたはずの阿部は、もう起きていて、静かにコーヒーを淹れていた。


「おはよ。帰るならタクシー呼ぶ?」


「んー、いや、帰るけど……お前、昨日のこと、」


「覚えてるよ」


アイドルスマイルの阿部に、深澤は言葉を失う。


「え、いや……お前、ああいうの、気まずくなるタイプじゃん」


阿部は淡々と答えた。


「ふっかとなら平気」


深澤は、そのときまだわかってなかった。

それが“毎月来る”きっかけになるなんて。

この作品はいかがでしたか?

22

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚