野郎は鼻息を荒くしながらカッターでシャツを切り裂いていく。首にカッターを近づけながら耳を舐められ、胸を撫で回される。綺麗だとか褒められてるけど、ただただ気持ち悪い。
俺ここでこのまま犯されるのか。それどころか、もしかしたら刺されたりするかも知れない。
そんなんだったら苦手とか言ってないで初めては阿部ちゃんとしたかったし、ちゃんと好きって言っておけば良かった。
嫌悪と後悔で涙が止まらない。
ズボンを脱がされ、下着に手をかけられ、もうダメだと諦めたその時、外がバタバタと俄に騒がしくなった。そして、
💚「翔太!」
野郎は俺をモノにするのに必死で鍵をかける余裕はなかったらしい。
ドアが開いて、阿部ちゃんが飛び込んできた。
💙「んーー!!んーーーッ!!!」
ありったけの声を出して応える。
阿部ちゃんが鬼神みたいな顔をして野郎を見る。こんな怒った顔を初めて見て、俺まで竦む。
野郎は立ち上がるとやぶれかぶれでカッターを振り回し、阿部ちゃんの腕が、頬が少しずつ切れた。
怒りでどうかなりそうなのに身体は動かない。しかも阿部ちゃんはそれでも野郎に近づき、しまいにカッターを握りしめた。
💙「……ッ!!!」
素手でカッターを握り、至近距離で無言で凄む阿部ちゃんはもはやいつものアイドルの阿部ちゃんでなく、野郎も圧倒されて座り込む。
騒ぎに気付いた別のスタッフさんが通報していたようで、警備員が駆けつけた。
野郎は取り押さえられ、そのまま警察に引き渡され、服を切られて乱暴された俺と怪我をした阿部ちゃんは揃って搬送された。
コメント
4件
あべちゃん、やる時はやるね でも、怪我は大丈夫?
阿部ナイト…てぇてぇ✨ 武闘派のイメージないから余計刺さるよね