処置を終えて2人で俺の家に帰宅するなり、阿部ちゃんが
💚「翔太。触ってもいい?」
と尋ねてきた。
いいよと返事をすると、すぐに腕の中に収められた。
💚「翔太ごめん、ごめんね、遅くなって。怖かったよね。本当にごめん」
プラトニックを貫いてきた俺たちの、初めてのハグ。でも阿部ちゃんは手も声も怒りで震えていた。
💙「そんなの、知らなかったんだし仕方な…」
💚「だめ!」
俺の肩に顔を埋めたまま叫ぶ。
💚「あんな、あんな奴が翔太に触って……」
阿部ちゃんは掠れた声であんな奴に、と繰り返しながらずっと震えていた。
それがジェラシーだと知って、俺も思わず抱き返す。
💙「刃物持った奴に素手で立ち向かうなんて……もっと大きい怪我してたかも知れないんだぞ」
💚「うん……」
違う、こんな事が言いたいんじゃない。ちゃんと言わないとまた後悔する。
💙「でも、助けてくれてありがと…」
阿部ちゃんはそれを聞くと大きく深呼吸をして、少し震えの収まった手で俺を抱きしめ直した。
💙「阿部ちゃんさ、俺がスタッフに呼ばれる前、俺に心配事あるのかって聞いたじゃん」
💚「うん」
ソファに2人。
いつもは俺が占領して阿部ちゃんはテーブルにかけている。
初めて阿部ちゃんに抱きしめられて、めちゃくちゃ気持ち良かったし安心した。
あんな事があった後だからだと言い聞かせながら今日は一緒に座った。
そしてあんなに躊躇していたのが嘘のように、口から思いがスラスラと流れてくる。
💙「俺好きとか言えねぇし、阿部ちゃんが俺といて幸せなのかわかんなくなってた」
💚「そうだったんだ。気づかなくてごめんね」
💙「なんで謝んだよ」
💚「恋人を不安にさせるなんて、俺もまだまだだなぁと思って」
💙「そんな事……!」
思わず阿部ちゃんの方を向くと、『おいで』と手を広げられた。嬉しいのに自分から行くのは恥ずかしくて『ヤダ』と答えてしまう。
しまった、と思ったけど阿部ちゃんは嬉しそうだ。
💚「俺は翔太だから好きになったの。今みたいなのも含めて好き。だから間違いなく幸せだよ」
俺の事をよく理解している、できた奴。
💙「でもそれじゃダメだ」
💚「どうして?」
💙「居心地良すぎて何もしない、ちゃんと言わない自分が嫌になる」
💚「…俺、向こう向いとこうか?」
💙「察しがいいのやめろ。でも、そうして」
コメント
6件
ソファに座らないで、食卓に座らせてるしょっぴー💙好きw でも読みながら思った。 私のあべちゃんは犯人をもっと酷い目にあわせますw❤️🔥
なんか、可愛いカップルだなー💚💙