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【彼女との喧嘩】
夜のリビング。
テーブルには二人で食べるはずだった夕飯が冷めたまま置かれていた。
「……ごめん。撮影が押して、どうしても抜けられなかったんだ」
帰ってきた吉沢亮は、疲れた顔で言い訳のようにそうつぶやいた。
「でも……約束してたよね?今日だけは一緒に過ごそうって」
〇〇は唇を噛みしめ、声を震わせながら言う。
その声に彼が視線を逸らした瞬間、胸の奥で堪えていたものが溢れた。
「いつも仕事、仕事って……私なんて、どうでもいいの?」
その言葉に、亮の目が揺れる。
「そんなわけないだろ」
低い声で返すけれど、疲れと苛立ちが混じっていて、優しさは届かない。
「だったらどうして……!」
〇〇の目から涙が零れ落ちる。
「私、亮くんにとって一番でいたいだけなのに……」
泣きながらそう吐き出すと、亮は一瞬言葉を失った。
重たい沈黙。
〇〇はもう耐えられず、玄関に走り靴を履く。
「待てよ!」
背後で亮の声が飛ぶけれど、振り返れない。
ドアを開けて外の夜風に触れた瞬間、涙が止めどなく流れ落ちた。
家を飛び出した〇〇の背中を、亮はただ呆然と見つめるしかなかった。
——本当は、誰より大切なのに。
その想いを伝える余裕を、彼は仕事に奪われてしまっていた。
夜風に当たりながら必死に涙を拭って歩いていた〇〇の腕を、不意に強い力が掴んだ。
「……行くなよ」
振り返ると、息を切らした亮がそこに立っていた。
「置いていくな。俺を」
「……でも、亮くんがいつも仕事ばっかで……私のことなんて」
言いかけた瞬間、彼は〇〇をぐっと抱き寄せた。
「バカ。お前が一番だよ」
耳元で低く囁く声が震えていて、本気の気持ちが伝わる。
「約束を守れなくてごめん。けど、俺がどれだけお前を必要としてるか……わかってほしい」
胸の奥に刺さっていたトゲが、彼の腕の温もりで少しずつ溶けていく。
「……ほんとに?」
「ほんとだ」
亮に腕を掴まれ、玄関先で抱き寄せられた。
「…..ごめん。ほんとに、俺が悪かった。」
低い声と同時に、強く唇を塞がれる。舌が絡みつき、息が奪われる。
気づけばそのまま寝室へ連れ込まれ、ベッドに押し倒された。
「離すわけねぇだろ……俺のこと、泣くほど好きならさ」
囁きながらシャツを乱暴に外され、肌に唇と歯が降り注ぐ。
「ん…..やっ、亮くん……」
首筋や胸元に痕を刻まれるたび、甘い声がもれてしまう。
彼の手は迷いなく身体をなぞり、敏感な場所を指先で擦った瞬間、思わず背を弓なりに反らした。
「ほら……もうこんなになってる」
熱を帯びた指が濡れた場所を探りてる。
「やぁ……恥ずかしい……」
顔を背けると、顎を掴まれ強引にキスを重ねられる。
十分に準備されたあと、亮は視線を絡めてゆっくりと身体を重ねてきた。
「……っあ……」
奥まで埋められる感覚に身体が震える。
「痛くないか?」
心配そうに囁く声とは裏腹に、彼の瞳は欲に濡れてい る。
小さく頷くと、ゆっくりと腰を動かし始めた。
「……っん、あ……亮くん……っ」
規則的な動きが次第に強く深くなり、甘い声が止まらなくなる。
ベッドが軋み、彼の熱と重みが全身を支配していく。
〇〇は必死に彼の首に腕を回してしがみつく。
「お前は……俺だけのもんだろ……?」
低く掠れた声で囁きながら、何度も奥まで貫かれる。
「……あっ、うん……亮くんだけ……っ」
必死に答えると、彼は一層激しく動き、快感の波に溺れていった。
「もっと… 声聞かせろ、俺、お前の全部が欲しい…」
「あっ……っ好き……亮くん……!」
互いに乱れた呼吸と熱をぶつけ合い、何度も重なり続ける。
限界が近づき、身体が大きく震えると同時に、彼に強く抱きしめられた。
「…..一緒に、いこう」
耳元の囁きと同時に、二人は同じ瞬間に絶頂へと駆け抜けた。
汗と涙に濡れた身体を抱き寄せ、亮が額を合わせる。
「…..やっぱり、俺にはお前しかいない」
その言葉に胸が熱くなり、涙ではなく笑みがこぼれる。
「これからはちゃんと、約束守る。だから……ずっと俺のそばにいろ」
「…うん」
小さく頷いた〇〇を、彼は愛おしそうに見つめ、何度も優しく唇を重ねた。
荒い呼吸のまま、亮の腕に抱き込まれていた。
汗ばんだ肌がぴたりと重なり、彼の鼓動が耳に響く。
「…..大丈夫か?痛かった?」
額を合わせて囁く声は、さっきまでの激しさとは別人のように優しい。
「……ちょっと痛かったけど……でも、それ以上に幸 せ」
そう答えると、亮の目が潤んで、強く抱きしめられた。
「ほんと……お前に泣かれるの、堪える。二度とこんな思いさせねぇよ」
唇に何度も柔らかいキスが落ちる。
そのまま毛布をかけられ、彼の腕の中で眠りについた。
翌朝。
窓から差し込む光に目を細めると、隣にいる亮がまだ眠そうに目を開けた。
「……おはよ」
低い声でそう言って、すぐにキスを落としてくる。
「昨日は……ごめんな。ちゃんと時間作るから。俺から離れるなんて二度と許さない」
片腕で抱き寄せられ、背中を撫でられる。
「そんなこと言って……また忙しくなったら忘れるんじゃない?」
冗談めかして言うと、亮は眉を寄せて真剣な顔になった。
「忘れるわけねぇだろ。俺の全部はお前のもんだ」
そう言って、再び深く唇を塞がれる。
昨夜の余韻がまだ身体に残っているのに、彼の手はもう背中を撫で、腰へと滑っていく。
「……亮くん、朝からは……」
小さな声で制するも、彼は口元に笑みを浮かべて囁いた。
「…足りねぇんだよ」
囁きながら亮の手が腰に回り、昨夜の熱を思い出させるように優しく撫でる。
「ちょっと…」と小さく抗うも、彼の唇が重なれば抵抗は簡単に奪われた。
舌を絡め取られる深いキス。まだ眠気の残る身体が、一気に熱を帯びていく。
「ん……ふ、……亮くん……」
甘い声がもれると、彼はすぐに反応して微笑む。
「やっぱり、俺に触れられると素直になるんだな」
シーツの下で衣服を剥がされ、素肌に彼の手のひらが滑り込む。
昨夜よりも落ち着いた動きで、丁寧に敏感な場所を探り当てられるたびに、小さな声が漏れる。
「や……そんなの、だめ…….」
「いいじゃん。俺とお前なんだから」
彼の指が奥まで入り込み、ゆっくりと甘い感覚を広げていく。
十分に準備されたあと、亮は自分の体温を重ねてきた。
「……入れるぞ」
小さな頷きと同時に、ゆっくりと奥まで埋められる。
「ん……っあ……」
朝の静けさに、自分の声が響いて恥ずかしくて顔を隠すと、手を取られて強引に目を合わせられる。
「顔、隠すな。俺を見る」
彼の腰がゆっくりと動き始め、昨夜とは違う穏やかな波が全身を満たしていく。
「……あ……ん、亮くん…….」
「かわいい……..」
優しい動きから、次第に深く強くなっていき、ベッドが軋む音が響く。
「もう……だめ、……っ」
「まだだ。もっと気持ちよくしてやる」
何度も奥を突かれるたび、声が止まらず、涙が滲むほどの快感に飲み込まれていく。
亮は汗に濡れた髪を揺らしながら、ずっと「好きだ」「愛してる」と囁き続けた。
「……っ一緒に……」
「うん……亮くん……つ」
強く抱き合いながら、再び二人は同じ瞬間に絶頂へと駆け抜けた。
余韻の中、彼は腕の中で震える〇〇の髪を撫で、額にキスを落とす。
「…..やっぱり俺、お前なしじゃ生きらんねぇや」
笑いながらも真剣な瞳に見つめられ、〇〇は頬を赤くして微笑むしかなかった。