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数日後の夕方。佳奈は友達と別れ、1人で街を歩いていた。

買い物帰りの人々やカフェの明かりが並ぶ通りは、夜に向けて少しずつ賑わいを増していた。


ふと、通りの端にある小さなカフェが目に入る。

窓越しに見えたその姿に、佳奈は思わず立ち止まった。


……青いギター。


そのギターをケースから取り出している少年。

間違いない、あの夜に出会った良規だった。


「……あ」

小さく声が漏れてしまい、慌てて口を押さえる。

しかし、その声に気づいたのか、良規がこちらを振り返った。

『……君』

少し驚いたような表情を浮かべ、すぐに笑顔に変わる。

佳奈はなんだか気恥ずかしくて、思わずカフェの前まで駆け寄った。

「偶然……だね」

『ほんまにな。まさかこんなとこで会う思わんかったわ。』

良規は照れくさそうに頭をかきながら、手に持っていた青いギターを抱え直す。


「今からここで弾くん?」

『うん。カフェの店長さんがな、”よかったら演奏してみい”って言うてくれて。お客さん少ないけど、ちょっとしたライブみたいなもんや。』

その言葉に、胸が高鳴った。

あの夜と同じ音色を、今度はもっと近くで聴ける


『よかったら、中で聴いてってくれる?』

良規の問いに、佳奈は自然と頷いていた。


カフェのドアを開けると、焙煎した豆の香りと、温かなオレンジ色の照明が迎えてくれる。

窓際の席に腰を下ろし、ステージの準備をする良規を見つめる。

不思議だ。

偶然のはずなのに、まるで必然みたいに感じる。

そして、青いギターが再び弦を鳴らした瞬間、佳奈の心はもう離れられなくなっていた。

青いギターが響いた夜に

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