テラーノベル
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──────いえもん視点──────
めめさんの表情が曇り、目を合わせようとしてくれない。どうしたのだろうか。伝えたいこと?疲れた頭と体では何も考えることが出来ず、この話の内容の予想ができない。おそらく、しょーもない冗談でも言うのだろう。タイミングが少しおかしい気もするが、めめさんなら有り得る。そう思いながら、めめさんに話の続きを促す。
「──────八幡さんの死亡を確認しました。」
「──────ぇ?」
間の抜けた言葉が思わず飛び出る。予想外で、しかしどこか現実味の帯びた言葉。いや、わかっている。事実なのだろう。今、そんな嘘をつく暇なんてないことくらい、この場にいるメンバーは承知である。ただその言葉を信じることは、今の俺にはできなかった。
「え、は…?どういう…ッことですか……?」
ルカさんもやっと声が出せたらしく、しかし、その言葉は反射的に出たものなのだろう。だって、めめさんの言葉だけでその事実はわかってしまうのだから。めめさんはその質問に、丁寧に答える。
「…隙をつかれた、としか言いようがありません。まさか、八幡さんが死ぬとは思いませんでした。」
淡々とした言葉。だけど、めめさんの顔が物語る。悲痛な感情をうかべ、下唇を強く噛み、必死に涙を堪えていた。
めめさんの言ったとおり、俺も八幡さんが死ぬとは思えなかった。だって、だって。八幡さんは強い龍で、あんなにも頼もしくて、そして、強くて…──────。そんな、言い訳に過ぎない言葉がとして溢れ出てくる。頼りがいがあって、ムードメーカーで、いざという時にはまともで。まるで思い出すかのように、八幡さんとの思い出が脳裏に鮮明に浮かぶ。
最初は、人間だからと毛嫌いをされていた。弱いから、足でまといだから。そんな理由で嫌われて、正直距離を置こうと思った。ただ、皮肉なものに、戦いで八幡さんとの距離が詰まった。戦友、とでも言うべきか。後ろを任せてくれた。──────実力は俺のおかげではなかったかもしれないけれど。でも、確かに、確かに八幡さんは──────。
「…ッ!!まだ、泣く時じゃないですよ、いえもんさん…ッッ!!」
「──────え?」
めめさんにそう指摘され、俺は頬に触れる。──────あつい液体が俺の手に触れる。それは、止まることなく拭っても、拭っても溢れ続ける。
「おか…ッしいな…ッ泣くつもり…なかったのになッ!」
俺の手は震えながら、感情を訴える。俺は、そんなに感情豊かでは無いのに。こんなに、おれは涙を流すっけ、なんてもう自分が分からなくなってしまった。
「…はは、ははは。なんで、泣いてるんですか…?」
ルカさんはそう言いながら引きつった笑みを浮かべている。
「泣くなんて、かっこ悪いんですよ…。泣くのは、時に『弱点』になりうるんですから…ッ!」
ルカさんはそう言いながら、その頬には涙が伝っていた。今にも、叫んでしまうのではないか、と思うほどだ。ただ、良かったと言うべきなのか。ルカさんの表情は悲壮に染まっているだけで、絶望はしていない。──────前の、ひなさんの裏切りの時のあの、全てを失ったかのようなあの表情。俺は、もう二度とあんな顔は見たくなかった。
しばらく時間が経ったが、今いる仲間以外に来るものはいなかった。
「…皆さん、なかなか来ませんね。」
めめさんがそうぽつりと呟く。俺はめめさんと同じ感想を抱いていた。───あまりにも、集合が遅い。何回か銃を発砲してみたが、それでも来る気配はなかった。
「…もう一発、打ってみますか?」
俺がそう尋ねると、めめさんが無言で頷く。俺はまた、銃を発砲する。
───しばらく待っても来ない。
嫌な考えが脳裏に浮かぶ。そんな馬鹿な。ありえない。みんな、あんなにも強いのだから。そんな、あっさりと死ぬわけが無い。───ただ、少し、ぜんさんは死んでいそう、と思ってしまう。
「…あの、言った方が良かったのか分からないんですけど…。」
俺がそう話し始めると、暇を持て余していたふたりが俺を見る。涙は枯れ果てているため、頬が濡れることは無い。まあ、あっさりしていると言われればそうだが、ずっと、それを悔やんでいては生きていけない。時に残酷なことをしないといけない。
そう生きるための綺麗事の言い訳を並べてから、俺は、自身の思ったことを話し始める。
「俺、さっき、メテヲさんを殺したんですよ。」
「…?メテヲさんはもう死んだはずですか?」
めめさんが疑問符を頭にうかべ、ルカさんもぽかんとしている。
「幻覚じゃないですか?」
「うーん、いえもんさん、しばらく休んでもらってもいいですよ?」
「いや、幻覚じゃないんですって…!!ここで冗談を言うわけないじゃないですか!」
「…じゃあどういうことですか?生き返った…。ありえない話では無いですけど。」
そう言いながら、俺は事実を伝える。
ここで切ります!うーんシリアスとほのぼのを挟みつつの話になりましたねー。てか、自分でも意外な人が残りましたね…。ルカさんが生き残るとは思いませんでしたwうわぁー最終話で色々語りたいことが多いですわ…。今のうちに語るのも…って感じなので言わないでおきますが。
てか、夏休みの間にこの物語終わりそうですねー。何人がこの作品を見てくれたんでしょうね。なんか、見てくれる人の欄が過去のでストップしていて分からないんですが、だいぶ前の記憶ではあるんですが、第一話が約1400人見てくれてたみたいですね。いや〜何人振り下ろされたのか…。最初は私もここまで殺伐するとは思いませんでしたよwあっさり殺そうと思ってましたし、いえもんさんがこんなに感情表現豊かになるとは思いませんでした…。まあ、そうしたのはめめ村の仲間たちのおかげなのかもしれませんね。
それでは!おつはる!
コメント
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感想が観測者のそれなのよ
…軽く泣きそうですわ…