出家しないお嬢様！

豪華な城の中、金色のシャンデリアが煌めく中で、貴族たちが集まり、華やかな舞踏会が繰り広げられている。ローザリンド・フォン・ルミエール、18歳になったばかりの彼女は、ふわふわのドレスを着て、「お嬢様」の象徴のように座っていた。

周りでは貴族が彼女に祝福の言葉を送っているが、ローザリンドの顔はあまり嬉しそうではない。

「ローザリンド、お誕生日おめでとう！これからあなたが家を継ぐことになったのね！」

「おめでとうございます、未来の大貴族夫人様！」

彼女の親、父親のフィリップ公爵と母親のエリザベス夫人が微笑みながら近づいてくる。ローザリンドの顔が、さらに渋くなる。

「さて、ローザリンド、今日は君の運命を決める日だ。家を継ぐか、修道院に行くか、君の決断を待っている。」

「そうよ、ローザリンド。家のために素晴らしい役目を果たしなさい。」

「…待ってください！」と、ローザリンドが急に立ち上がる。「家を継ぐとか、修道院に行くとか、どっちでもありませんわ！」

貴族たちが一瞬静まり返る。ローザリンドは目を輝かせながら宣言した。

「私は自由に生きたいのです！この世界を旅して、冒険者として名を馳せるわ！」

周囲が驚き、誰もが顔を見合わせる。「冗談はやめなさい」と母親が言うと、ローザリンドは一歩前に出る。

「これが私の決断ですわ！」

「えぇーっ！？お嬢様、まさか本気で…？！」と父親が戸惑う。

「もちろん本気ですわ！」ローザリンドは力強く宣言した。舞踏会のゲストたちが一斉にざわめき出す中、ローザリンドはドレスの裾を豪快にひるがえして、屋敷の大扉を開け放った。

「お嬢様！」父が叫んだが、ローザリンドは振り返ることなく、豪華な城の外へと足を踏み出した。

城の外の冷たい風がローザリンドの顔に当たる。彼女は深呼吸をして、満面の笑みを浮かべた。

「これから、冒険が始まるわ！」と、興奮したように言うローザリンド。その背後から、いつの間にか現れた従者のエリオットが、顔をしかめながら彼女を見ている。

「お嬢様、待ってください！そんな危険なことをするのは…」

「危険？私はお嬢様よ！冒険者に決まってるわ！」ローザリンドはにっこり笑いながら、エリオットに向かって手を振る。

「お嬢様…」とエリオットはため息をつく。「せめて、ちゃんとした準備をしないと…」

しかし、ローザリンドは笑いながら駆け出す。「準備なんて要りません！だって、私が自由になったのよ！」

そのまま、目の前の小道を軽やかに駆け抜け、どこへ向かうとも知れず、ローザリンドは冒険へと飛び出していった。

ローザリンドが走り続けると、突然目の前に現れたのは…まさかの盗賊だった！

「おっと、お嬢さん！」と、盗賊の男が手を挙げて叫んだ。「その財布、ちょうだい！」

「え？」ローザリンドは驚き、財布を握りしめた。「あ、あなた、盗賊ですか？」

「もちろんさ！でも、君にはちょっと面白いことを教えてあげようと思ってな」

「面白いこと？あなたが？」ローザリンドは冷ややかな目で盗賊を見た。

「だってさ、君も自由になりたいんだろ？だったら、俺と一緒に冒険をしてみなよ！」盗賊はにっこりと笑って、ローザリンドに手を差し出す。

ローザリンドは少し考えてから、「あなた、悪い人ではないみたいね。良いわ、仲間にしてあげる！」

その瞬間、エリオットが追いかけてきて、「お嬢様、そんな…！」と叫びながら現れた。

「さぁ、行くわよ！冒険の始まりよ！」ローザリンドは振り向きもせず、盗賊と一緒に駆け出す。