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〝Blue Rose〟都内にある小さな花屋
小学生の頃、将来の夢について作文を書いた。
夢を持たない人だっているのに、当たり前のように出されたその宿題に『夢はありません』と書いて出すと鈴花さんは小さい子の面倒見がいいから保育園の先生はどうかなと言われ、適当に書いて出した。
夢 = 職業が普通に定着しているのも違和感があった。大きくなるにつれその夢は具体性を求められ、夢実現の為には何をすべきかまで書かされる始末だ。その度に私は嘘を書かなければいけない事が苦痛だった。
なぜ私の当たり前や普通を、他人に決めつけられないといけないのか子供心に不思議だった。
花屋を経営しているのは『小さい頃からの夢』ではない。花が好きだから、それと私の名前に由来する、、、
ある日、変わった注文をメールで受けとった。
PM 9:00必着
鈴蘭の花束おまかせで XXXホテル 805号室
聞き覚えのあるホテルだが…まぁ結婚祝いだとかサプライズ的な注文が最近は増えている。ホテルに届けることも少なくはないが、フロントに預ける事はあるが部屋に届けるのは初めてだった。
メールに書かれた宛名を確認すると、どうやらご新規のお客様のようだ。気に入ってもらえるよう鈴蘭がより可愛く見えるように他はグリーンで統一感を持たせた。携帯が震え届いたメッセージを見ると、夜のお仕事依頼だ。
鈴花 えっ同じホテル‥
こんな偶然も珍しいなと思いつつも身支度をすませて
インターホンを押す805号室?見覚えがあるような?
男 どうぞ
鈴花 こんばんわ。Bule Roseです。お花を届けに‥
そこに居たのは1週間前会ったアイツだった。
翔太 ごめんちゃんと話したくて。花束は鈴花ちゃんにお詫びに貰ってくれないかな?
鈴花 呆れた…
ベットの隅に腰掛けた。目の前には東京の夜景。
いつかの夜景と全く変わらない景色がある。当たり前だ。あの日と同じ部屋なのだから。
鈴花 私この後、仕事あるから手短に!
翔太 あっそれ俺だよ^ ^