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「? 何でござるかな…… コユキ殿と手を繋いでいると、変に落ち着くのでござるよ」
善悪の言葉にコユキも頷いて続けた。
「本当にねぇ、アタシさっきまでちょっと怖い、ってか緊張感が物凄かったんだけど、善悪と触れてるとね、もう消滅する事とか想像しても全然恐ろしく感じないわ…… むしろ勇気? というか地球を、世界を、全ての命を守ってやろうじゃないのっ! そんなやる気? ううん、ガッツが心の底から溢れ出して来るのを感じるわ! きっと初世界戦の時の石松氏もこんな気分だったんじゃないのかな?」
「なるほどね、確かに世界戦のリングに立つにはこれ位のガッツが無かったら無理かもね、そうかぁ、遂に僕チン達のガッツも、彼(か)の石松並みになったという事かぁ、感慨一入(ひとしお)でござるよぉ」
「そうね♪」
嬉しそうに笑い合っているが実の所、コユキと善悪のガッツはとうの昔に石松を越え捲っているのだが……
大体石松のガッツを42,000だとすると二人のガッツ力は530,000位には達しているのだ。
ですがもちろんフルパワーで石松と戦う気はありませんからご心配なく…
そんな境地に有ったのである。
万が一コユキと善悪が完全体までに後数回の変身を残していたら……
その場合のガッツは一体どこまでインフレーションしてしまうのだろうか、更にフルパワーを経てゴールデンにまで達したとしたら……
私、観察者がそんな風にバカみたいな妄想をしていると、コユキと善悪に対してバアルが語り掛けた。
「その石松さんがどこの誰だか妾は知らないけどさっ、かなり凄い人なんだね? だってコユキ姉様と善悪兄様が触れ合ってる状態で同じ位の力になるなんて信じられない事だからさ! 何その人って魔神?」
善悪が真剣な表情を浮かべてバアルとアスタロトに向き合って答える。
「まあある意味魔神、いいや魔神王と言っても良い御方でござるよ、戦闘に於(お)ける強さは勿論、精神力の強靭さも特筆すべき物でござる! 更にその大らかな人間性や幾つになっても自らを成長させようとする克己心(こっきしん)は多くの人々を魅了して止まぬ求道者の側面も持っているのでござるよ、わかったぁ?」
アスタロトが感心した様な声を出した。
「ほーぉ、そりゃひとかどの人物じゃないかぁ、聖人だなまるで…… 今の時代にも立派な人間が居たんだな、やはり…… 我その人物の事もっと知りたくなって来たぞ……」
コユキが善悪に言った。
「アスタが興味あるんだったら今夜食後の映画タイムにでもDVD見せてあげたら? 確か持ってたわよね? 『ガ〇ツ石松伝説』」
アスタロトが興奮の声を上げた。
「おおっ! 既に伝説と呼ばれ映像化もされているとは流石では無いかっ! 善悪見たいぞっ! 我見たいっ!」
バアルも興味津々なのだろう、アスタロトに追随した。
「善悪兄様、妾も見てみたい! 現代最高の人物と見たよ! 是非是非ぃ!」
善悪が二人の顔を見回してから、満足気な表情を浮かべて言った。
「OK牧場! でござる! んでは、本日の鑑賞タイムは石松で決まりでござる! 二人とも楽しみにしているが良いっ!」
「やったー」
「楽しみすぐるっ!」
「なはは、んじゃアタシもお昼食べたらチョコチョコっと出掛けるとするかな、今回は近いし楽だわね」
コユキの言葉を聞いた善悪は心配そうな声で言う。
「本当に今日中に行くのでござるか? 今日色々あって疲れてるんじゃないの? 明日にしたら?」
コユキは余裕の風情を崩さずに両手を広げて肩を竦(すく)めて見せながら善悪に答えた。
「大丈夫よ、新幹線ならあっという間だし、深大寺(じんだいじ)なら駅からも近いしタクシーも多いからさ、大丈夫大丈夫♪ それに帰りに秋葉あたりで消えちゃったザン〇ット3の代わり探してきてあげるわよ、アンタ欲しいでしょ?」
善悪が固まる。
「消えた…… ザンボッ〇3が? なに、それ?」