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ワンクッション













































──────────────

檻に入れられたciは、数分後に目が覚めた。

目が覚めると、真っ暗な部屋にいた。

足には鎖が絡まっていて、逃げ出すことは出来ない。

knもいない、ひとりぼっち。

また、昔のようになってしまった。

ciはぐす、と涙を堪えて檻の隅に縮こまる。


しばらく経って、紫色が目に入った。

顔を上げれば、そこにshpがいた。

shpは水と、肉を差し出した。

「…ぐるるッ、、」

威嚇してみるが、怖がってはくれない。

電気をつけたらしく、部屋が明るくなった。

「…、ぐる、ぐるるッ、!!」

「もう悪いことはせぇへんし、させへんよ。」

shpは檻の前にしゃがむ。

ciは恐る恐る水を舌で掬ってみるが、knも皆も居ないので食欲は湧き出てこない。

「さて。色々教えてもらおか。knの秘密についてな。」

shpは頬杖を着きながらciを見つめる。

「…ぐるるる、」

「お前、knの実験体やろ。可哀想に。」

「ちがう!!!!」

ガシャン!!と檻に飛びつく。

手を伸ばすが、shpには届かなかった。

突然喋り、動き出したciに、shpは驚いているようだった。

「ごすずんはそんなひとじゃないもん。」

「…でもお前、普通の虎ちゃうやん。」

「ごすずんはたすけてくれたの。」

「…ふうん。どーやって?」

「ごすずんは、ぼくをかったの。」

「お前たち、虎は闇市場みたいな所で売られてたってことか。」

「やみいち…??なんか、こわいとこ。」

少し話すと、心が落ち着いていき、ciは肉にかじりついた。

「ごすずんはいろいろおしえてくれた!あのねあのね、ぼーるをなげあったりね、」

「そうなんや。とりあえず、knの動物虐待は有り得へんってことやな。なるほど。」

shpは紙にメモを取る。

ciはその間、また肉に噛みつき、もぐもぐと頬を動かす。

「ごすずんを、いじめるのやめて…。ごすずん、やさしいの、いなくなったらいやや、」

そう言って、ciは俯く。

shpはなんだか同情してしまい、紙をしまうと檻の扉を開けた。

それから、ciの頭を撫でてみた。

「んぇ…っ?んひ、くふふっ、」

へろ、と舌が垂れる。

「…おまえ、名前は?」

「ち、ちいの。ちーい、の!」

「ciか。お腹空く名前やな。」

「おなかすく?おにく?」

まだ子供らしい話し方に、shpは微笑んだ。

そんな時、扉がドンドン!と叩かれた。

ciはきょとん、と首を傾げて扉を見る。

shpは慌てて檻の扉を閉めて、部屋から出ていってしまった。

取り残されたciは、1人虚しく水を飲む。

ごすずんとは、もう会えないのかと。

























─────────────

「おい、ci!!ci返事せい!!!!」

その頃、knは庭を走り回って大声を出していた。

もう空は真っ暗だ。

建物の中も、建物の外回りも探したが、ciは見つからない。

希望を持って庭を探すが、やはりいない。

knはへたん、とその場に膝から倒れ込む。

「…ci、」

他の場所も探していたらしい、tnが駆け寄ってきた。

「ご主人、ciの匂いが、外に…。」

「どこや!案内せい!!!!」

「きょ、許可を。」

「あああもう!!!!虎達はぐれんように外へ出ろォ!!!!!!!!」

knの大声と共に一斉に虎が外へと駆け出す。

皆同じ場所へと行き、そこからすんすんと鼻を鳴らす。

追いついたknに、zmが立ち上がる。

「ご、ご主人、!!shpの匂いもありますにゃ!!」

「す、睡眠毒のにおいも、!!」

rbが不安そうに辺りを見渡す。

knは状況を理解し、虎たちを落ち着かせながら建物内へと帰らせた。

ciはマルサに連れ去られてしまった。



「ご、ご主人…申し訳ございません、でした。」

「いや、ええんや。俺の躾がなってなかった。」

自分の部屋で、大きな椅子に座ったまま俯くknに、emがしゅん、としっぽを垂らす。

knは明らかに悲しんでいた。

それが、マルサに証拠を掴まれてしまうからなのか、大切な虎が取られたからなのか。

emは分からなかった。

でも、確かにemも、em以外の皆も、悲しんでいた。

「…、マルサ、ciを傷つけたら許さねェ。」

knは強く拳を握りしめた。




























─────────────

「ci、夜飯。」

「…いらないよ、」

檻の中にいるciは、小さくまるまって寝転がっていて、ぺんぺん、としっぽが悲しげに床を叩いていた。

shpは檻の中に手を伸ばし、ciを撫でてやる。

「食べて。餓死したいんか。」

「ごすずんと、みんなと、たべたい。」

「…、1人が嫌なら、俺はここにいるから。」

「…うぁぁ"ん、ごすずん、」

ciはボロボロと涙を零しながら、肉の舌で舐める。

噛んでも、力があまりでない。

「う"〜…、ごすずん、ごすずんん"…、」

「…。」

shpはciを撫でながら、肉を小さくちぎって口へと近づけてやる。

ciは、口には入れたものの、噛まずにそのまま泣き続けていた。

(knがこんなに懐かれるような奴だったか?)

そう、疑問に思いながら涙を拭ってやる。

「へふッ…、ぅ"、ぅー、、…。」

「あ、おい!肉入れたまま寝るなって…。」

こてん、と頭を落として眠ったciの口から肉が落ちてくる。

明日も食べなかったらどうするか考えよう。

そう決めて、shpはciに毛布をかけた。



コンコン。

「!」

部屋を出ると、先輩が注射器を持って立っていた。

「どうや、寝たのか?」

「まあ一応。」

「情報は?なんか得た?」

「……なんにも。今日はまだ初日ですし。」

「ほーか。」

先輩の後を着いていく。

先輩も1人の人間を調べているマルサの一員。

この人は潜入タイプではなく、ハッキングで情報を奪うタイプだ。

「あ、せや。これあげる。言う事聞かんかったらぶっ刺しちゃって。」

「なんすか、これ。」

「睡眠薬やでただの。弓矢じゃ怪我の負担大きいし。」


「…ut先生は、動物にそういうことできるんすか。」


utはふにゃ、と笑い注射器を渡した。

「できるわけないやろ。上からの命令や。」

「…ut先生が調べてた、あのおっきい犬みたいな、」

「あー、pーくん?あの子なぁ…今、離れた森に住んどる友人に預けとるよ。」

「…なんで?あんなに大切にしてたのに。」

「そらお前、自分が危険なことしてんやから守っとかんと。」

二人は喫煙所に入り、煙草を手に持つ。

「まあ、自分がこんな仕事もせずに普通に暮らしとったら、pーくんも一緒に住むよ。」

utは煙草を咥えて、火をつける。

ふわっと煙が舞い上がり、2人を包み込んだ。

「そこに、変な奴が割り込んできたとしても、pーくんを離したりせぇへんかな。好きやから。」

「…つまりは?」

「まあ、この仕事はだるいっちゅーこと。」

knが虎を飼っているのは、本当に自分の護衛のためなのだろうか。

shpは静かに頷いた。


























──────────────

「…ci。いい加減食え。」

「…おなかへってない。」

「嘘つけ。」

あれから数日間が経った。

だが、ciは一向に飯を食わない。

しっぽはまるでknを探しているように動き回る。

knについては、何度も何度もciから聞き出した。

脱税はいけないことだが、動物には愛情を注いでいるらしい。

あの虎達も、過去に酷い目にあっていた虎達で、そんな虎達をknは保護していたのだと。

動物を大切にする気持ちはshpも共感する。

仕方ない。

なにより、こんなにも小さな虎を拷問なんてできるはずもない。

knとは、真剣に戦いたい訳でもある。

shpは檻の扉を開けた。

ciはじっとこちらを不思議そうに見ている。

「ci、俺は今からknを倒しに行く。嫌だったら止めてみな。」

そう言うと、ciはギン!と目を光らせて檻から飛び出した。

廊下に出てしまえば、先輩らに見つかってしまう。

部屋の扉を閉じたまま、ciに構える。

「ぐるるるッ!!!」

「来いよォ!?」

ぽすん!とお腹に小さな虎がぶつかってくる。

衝撃も少ない、なんなら子供とドッチボールをしているようだ。

だが、shpは大きくリアクションをして、後ろに倒れた。

「ぐあー!」

「ぐるるッ…。」

「こんなもんで俺がやられるかー」

もう一度立ち上がり、ciに手を伸ばす。

かぷりっ!!!!!と片手がciに噛みつかれる。

痛くは無いが、大きなリアクションは必須。

「い"たぁぁーーー」

「ぐるるっ…!ぐるるる、」

「knァ、くそっ、knの家は…あっちなのにー」

shpは方角を指差して、ぱたんと倒れた。

ciは息を尽きて、shpの頭をつんつん、と前足でつついてみる。

反応無し。倒せたようだ。

ciは、満足気にふんす!と微笑み、扉を押し上げる。

それから、振り返りshpに吐き捨てた。


「おれはつよいぞ!まけないぞ!」


伏せた顔から笑みが漏れるが、ciは気づかない。




























──────────────

ごすずんの匂いを求めて鼻を動かすが、見つからない。

とにかく、shpが指差していた方へと走り続ける。

四足歩行のため、階段を降りるのには苦労したが、ごすずんの家の階段の長さに比べたらへっちゃら。

言うて、抱っこしてもらってたから、あの長さの階段は降りたことないけれど。


まっすぐ走っていくと、大きな道路に出た。

人間が皆こちらを見ている。

どれもどれも、ごすずんではない。

俺は勢いよく走り出した。

キィィィ!!!!

大きな車が向かってくる。

咄嗟に動けず、その場に立ち尽くす。

生命の終わりを察した。

ごすずんと、みんなと、ご飯を食べたい。

それだけ。いや、ほんとはもっとある。

もっと…もっとあるんだ。


ぴい!!

「pーくん??どうしたん?」

衝撃に備えて丸くなるが、痛みは来なかった。

その変わり、背中にくいくいと何かが触れている。

怯えながら見上げると、ふさふさの犬がいた。

「くぅん?」

「って、おまえ!!!大丈夫か!!」

黄色が目立つ服を着た男が、俺を抱えた。

傷がないことを確認すると、安心して車に乗せた。

周りの人間にすんません!と軽く謝り、車に乗り込む。

犬はすんすんと匂いを嗅いできた。

俺も匂いを嗅ぎ返した。


って、あ。

ごすずんの家と反対方向行ってる!!?


車は俺が精一杯走った道へと戻っていく。























─────────────

「誰だ。」

「utの友人のshoと申しますー。あ、これカード。」

「確かに。どうぞ。」

「うーっす!」

大きな門をくぐり、車は進んでいく。

そしてここはshpがいた場所。

連れ戻されてしまったらしい。

俺は車の椅子の下へと潜り込み、小さくまるまった。

犬が不思議そうに見てくる。

「ん"ッんー、utー俺やけど。」

男が、電話を使ってなにやら誰かと話している。

また酷いことをされるのではないか。

俺はもっと奥へと潜り込むしか無かった。

「うんー。駐車場c-1におるよ。pーくんも一緒。」

ぴい!

と犬が前の座席へと飛びつく。

はたはたと動く尻尾は俺の気持ちを無視して楽しそうだ。

「え?あー…ええよ。その子も連れてきて。」

それにしてもお腹がすいた。

俺はきゅう、となるお腹を擦りながら頭を床に乗せる。

ホコリが気になるが、まあいい。

「ええ?逃げられたん??そりゃあ大変やなあ。めっさ怒られたんちゃうん?…おっと、ここ!!utから見て左方向!」

男が車の窓から身体を出して手を振っている。

足音が近づいてきて、扉が開いた。

「pーくん!!」

前髪の長いメガネ男が車に乗り込んでくる。

犬が今度は後ろにやってきて、その男の膝に乗っている。

俺はバレないようにこっそりとその様子を眺めていた。

まるで、ごすずんのようだ。

俺も、早くごすずんに抱っこされたい!

そう思っていると、反対側の扉が開き、俺の潜っている椅子に誰かが座った。

…、視界には紫が見える。

この色、この匂い、覚えているぞ。

「shpっす。よろしくお願いします。」

「shpくんなーよろー。んじゃ、発車すんで。」

車が動き出す。

今度はどこに連れて行かれるんだろう。

バレて無さそうだし、少しリラックスしよう。

そう思い、前足を伸ばすと。

「あ!そういえば後部座席に子供乗せてんけど。」

「こども?えっ、おらんよ…?な、なにッ、ゆうれい!?!?」

「えっちょ、やめーや!!utッ!!」

utとshoが暴れだした。

shpは冷静にその話を聞いているようだ。

幽霊だ。そうそう、俺幽霊ー…。

幽霊って…、お、おばけ?


「ぴー!」

「ぅわぁ"ああああああッ!!!!!」









分かりずらいですが、「ぴー」このぴ!系はpーくんです!!!吹き出し変えた方が良かったかもですね、区別が!!!

あとあと、勘違いを生みそうなので言っておきます!現実の税務調査官がこうという訳ではないです!!!!!!都合がいいように改造してます


追記.投稿開始します

これ通知全部来てますか??

それとも、この話だけ来てますか??

通知が公開にする際全部来ちゃうのなら、ゆっくり公開に変えていきます💪🏻

おれはつよいぞ まけないぞ

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コメント

12

ユーザー
ユーザー

すき……🥲‎︎‪💕︎ 新人てぇてぇすぎてむりです.. なんでそんなに天才なんですか‼️(( 投稿再開..( 学校がんばれます……

ユーザー

わあああああ!!!!久しぶりだあああ!!!! しっかり3話目の通知だけきたよー( ¨̮ ) ciくんかわいぃぃぃぃ🫶🫶🫶 投稿再開めっちゃ嬉しい!!!!

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