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[卒業までの道のり]

若井side

タイムスリップから戻ったあの日から、俺と涼架の関係は少しだけ変わった。




言葉にはしないけど、お互いの夢を深く理解し合ってるという、温かい空気が流れていた。






ある日、放課後の音楽室。





涼架はいつものようにピアノに向かっていたがその表情には緊張の色が色濃く出ていた。





「ねぇ、若井。私、正直言って、怖い」

涼架は練習を止め、ぽつりと呟いた。





「何が怖いんだよ。こんだけ練習してきたじゃん」

俺は、いつになく真剣な声で言った。





「そうじゃなくて…。音楽大にいくって夢が本当に叶うのかなって。もし落ちたら、私、これからどうしたら良いんだろうって考えちゃうの」

涼架は鍵盤の上に顔を伏せた。





俺は立ち上がり、涼架の隣に腰掛けた。




「涼架。俺は、お前の音楽を心の底から応援してる」

若井はそう言って、ポケットから何かを取り出した。





「これ、やるよ」


それは、小さなお守りだった。



地元の神社の学業成就のお守り。





「え、なにこれ」

涼架は驚いて、お守りを受け取った。




「なんだよ、文句あんのか」

「ないけど!若井がこういうのくれるのなんてちょっと気持ち悪い」

「うるせえ!気持ちとか言えねーけど、とにかく、これで絶対合格しろ。俺たちが過去で見た光景、全部無駄にすんなよ」

俺は言葉を選びながら、懸命に自分の気持ちを伝えた。




もう、からかうような言い方はしない。



まっすぐな 言葉で伝える。

それが過去の祖父から学んだ、不器用な愛の形だった。






「…ありがとう、若井」

涼架は、お守りを強く握りしめた。




その目に、再び光が戻る。





「私、頑張るよ。若井の応援もあるから、大丈夫」

「おう。俺も頑張る。お前が遠くに行っても、俺たちの音楽で、お前を励まし続けるから」



それから数週間が経ち、涼架の受験は無事終わった。





結果発表の日、涼架は震える手でパソコンの画面を見ていた。






「若井!若井、受かったよ…!」

涼架からの電話は、涙声だった。




「マジかよ!よっしゃあ!やったな、涼架!」

俺は、自分のことのように喜び、思わず叫んだ



「ありがとう、若井。お守りのおかげだよ。私、本当に…」

「もういい。余計なこと言うな。とにかく、おめでとう。お前はすげぇよ」

俺はそう言って、電話越しに微笑んだ。










次回予告

[さよならの始まり]

next→❤︎500

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コメント

2

ユーザー

泣きそう😭

ユーザー

別れが近づいてきたね……

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