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後半も残り十五分を切ったが、両チームとも追加点はなかった。3番は、早くもエドの緩急のあるドリブルへの適応を見せ始めていた。

ペナルティ・エリアの角で、マルセロがボールを持った。右足の裏でボールを押さえて、悠々と前方を見渡す。

(エドの野郎、俺の崇高な思惑通りに蘇りやがったな。それでこそ、やり合う価値があるってもんだぜ。

しかし、雰囲気のままに敵に塩を送っちまったな。後で、いろんな奴にドヤされちまうかもな。まあでも、勝ちゃあ誰も文句は付けねえか。うーし)

一人、感情を高めたマルセロは、ちょんと右にボールを突いた。縦への突破を続けてきたからか、敵のディフェンスの二人はすぐに左へと重心を移す。

間髪を入れずにマルセロは、右足の内側で蹴り出した。二人の股を抜いたボールを、本気の加速で追い掛ける。

ラインのぎりぎりで追い付いて、左で中へと折り返す。しかしキーパーは斜め上への跳躍の後、握った手で、マルセロのクロスを弾き返した。

溢れたボールには、ホワイトフォードの5番が詰め寄った。後ろからの圧力を受けて、転けそうになりながら確保。前へと大きくクリアをする。

(おうおう、どいつもこいつも、アッツアツってわけかよ。ポルトガルの大エースとしては、負けちゃいらんねえよな)

マルセロは気持ちを盛り上げつつ、全力で引き返し始めた。

時空超越ストライカーズ!~A Football Tale in Great Britain~

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