「どうしてあなたはいつもこうなの」
これは、私がまだ幼かった頃の話。
幼い頃の私は今よりうんとひ弱で、いつも寝込んで家族の足を引っ張っているばかりでした。そしてとりわけ優れた頭脳も、優れた武術ももっておりませんでしたから、両親にも兄弟にも「出来損ない!」といくどとなく罵声を浴びせられるくらいには頼りなく、そしてしくしくと女々しく泣くことしかできないか弱い日本男児でございました。
いいところの坊ちゃんとして生まれたはずなのに、どうしてここまで兄弟との差があるのだと、いつも苦しくなっては自分がどうしても憎たらしく思えてくるのです。ですが、そう思ったところで、結局は何も変わらない。それをわかっているからこそ、より、むなしくてたまらなくなるのです。
そしてある日。私の体調がすこぶるよく、私はそわそわしながらも両親の目を盗んで、外へと散歩に行きました。一人で外に出るのは、これが初めてでしたから、胸がトクンと高鳴ったのです。そして、それに、外はいつも障子の向こうからしか見ることしかできなかったから、外の世界で、空の真下で、外の空気を体でちゃんと感じられて、それはもう震えが止まらないほど嬉しかったのです。ああ、生きている。ちゃんと生きているのだと。バカバカしくも、そう思いました。
川の水がさらさらと流れる音。草履でシャキシャキと草を踏む音。鳥がちゅんちゅんと泣く声。すれ違う人々の話し声、笑い声。それらがすべて新鮮で、つい調子にのって勢いよく走ってしまったのです。
ですが、私は体が弱いほうでありましたので、当然、足の筋肉も衰えていました。そのため、足がもつれて道の真ん中でドシンと派手に転んでしまったのです。
周りがひそひそと話す声がしました。恥ずかしくてたまりませんでした。それと同時にじいんと足に強い熱を感じて、涙がちらちらと出てきてきました。立ち上がりたいのに立ち上がれなくて、とうとう泣き出してしまいそうになった時、
「大丈夫ですか?」
としなやかな白い手が目の前に現れたのです。
コメント
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はぁ……好きだ🫶💞 え、これってヘタリアですよね!? ヘタリア全然知らないけど好きだぁぁぁ!!!!!!!! マジでヘタリア知らないからなんも感想言えない!!泣きそ… でもとりあえず改めて羊右様は神だと言うことを知りました!!! そして最近ノベル多いですね!私どちらかと言うとノベルの方が好きなので(どっちも好きですが)嬉しいです!! そして羊右様好きです!愛してます!(言いたくなっただけですw)