テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
体育館に着くと、新入生は友達と集まってざわざわと話していた。クラスごとに分かれて並ぶらしいから、俺と莉愛で1−1のクラス看板を探す。「じゃあな!英雄達よ!私、譜凛夏は違うクラスなのだ!じゃあな!」
「あぁ。また今度な。」
譜凛夏のクラスは1−3だからここでお別れだな。入学初日から嫌なことばっかりだったけど、譜凛夏の明るさには助けられたな。今度感謝を伝えないと。
それから莉愛と1−1のところに行って席に座った。座った後すぐに入学式は始まった。
静かに入学式の挨拶を聞こうと思ったが、長い挨拶を聞いていると、段々と眠くなってきて俺は寝てしまった。
「裕翔…裕翔!!起きて!もう入学式終わっちゃったよ?」
(ん…なんだ…?)
俺はゆっくりと起き、体を伸ばした後、大きなあくびを一回した。
莉愛に肩を叩かれ起きるころには入学式は終わっており、各々教室に向かおうとしているところだった。俺と莉愛も立ち上がって教室に向かって長い廊下を歩いた。
(そういえば、廊下長いな。窓もでかいし、天井も高い。これが一流の学園か!!)
と心の中で少しだけはしゃいでいた。
教室に着いた後、席に座ると、教室の扉がガラガラと開いて先生らしい人がはいって来た。
入学後お決まり先生の自己紹介が始まった。
「初めまして、私は『佐藤 蒼(さとうあお)』です。教科は数学です。この1−1の担任を任されました。よろしくお願いしますね。さて今日から貴方達は天創学園の学生です。それぞれが天創学園の学生と言う自覚を持って過ごすように。今日から規則正しく、そして勉学や能力学に励むように頑張って下さい。では今からみなさんに自己紹介をしてもらいます。名前と好きなことなど自由に。そして【ランク】を教えてくださいね。と、その前に【ランク】について少しだけ説明しますね。」
「ランクは能力の将来性、精度、汎用性、攻防性、そして希少性の5つの観点を学園独自のAIが数値化してランクをつけます。将来性はAIがその人本来の潜在能力を見つけ出します。まぁ、もう強い能力を開花させてる人は数値は低いんですけどね。そしてランクは上から順に、『王』『最上級』『上級』『中級』『下級』『最下級』の6つの段階で判定されます。中でも『王』は特に希少な能力かつ、最も強い能力が選ばれます。そして『最下級』は無能力者あるいは攻防性や汎用性がまったくない能力ということです。『最下級』だからといって差別や暴言を言わないようにしてくださいね。」
「ランクの確認方法は、先ほどの入学式で学園長からも言われた通り、入学する前に学園から配布された携帯で見てくださいね。」
(やば、入学式の話なんか一言も聞いてなかった!どうしよう。)
入学式を寝過ごした俺にはランクの確認方法がまっったくわからなかった。それにランクを言うなんて都合が悪すぎる。俺は『無能力者』なのに…またクソ叶璃に馬鹿にされちまう…
と、バグかなんかで端末の表示がおかしくなっててくれと願うものの、まずランクの確認の仕方がまったくわからない。俺は莉愛に聞こうと思ったが莉愛と俺はそうとう席が離れている。そんなこんなで頭を悩ませていると自己紹介が始まってしまった。出席番号順に自己紹介をしていっているとあのクソ叶璃とかいうやつの自己紹介が始まる。
「初めまして。『栗原叶璃』(おおはらとあ)です。好きなことは、漫画を見ること。【ランク】は…王です。」
(王…だと?!)
「王だって…やばくね?」「すご…僕とは天と地の差だよ…」ざわざわ…
流石にクラスのみんな驚いてた。あの余裕そうな態度がいらつく!!
(王、てことは一番上か。まぁみんなが予想していただろうな。)
そうして少し焦っているといつの間にか莉愛の番が来ていた。
「はじめまして。針雨莉愛はりさめりあです。好きなことは音楽を聞くことです。ランクは…『王』です。よろしくお願いします。」
クラスのみんなは「え!?あの子も王ランクなの?!」などと騒いでいた。
(莉愛も『王』か…まぁそうだろうな。なんたって莉愛の能力はチートだからな。)
そんなこんなで俺の番も来てしまった。
(どうしよう。【ランク】の見方は今だわからなかった。とりあえずノリか。ノリでいくしかない!てか、俺みたいな無能力者は最下級レベルだろ。)
深く深呼吸をして席を立つ。
「初めまして。夜星裕翔(よぼしゆうと)です。好きなことは…えーっと…ゲームをすることです。ランクは… … …最下級です。」
そうすると教室では、ザワザワしだした。
「最下級って…w本当にそいうやついるんだ。てか夜星裕翔って、叶璃様に反抗したやつでしょ。許せねぇわ!」
うわぁ‥どうしよう。…もう泣きたい。
そうすると一つの声が上がる
「静かにしてください。皆様。先生は先ほど、最下級だからといって差別はするなとおっしゃいました。そんなことも守れずに天創学園の生徒なのですか?」
そうすると教室は一瞬で静かになった。俺は内心「なっ!?」と思ったが、あいつにはもう極力関わりたくないから、声を発しなかった。俺を助けてくれたのかわからないが、どちらにしよ静かになってくれて助かった。
それから全ての生徒の自己紹介が終わった。
「はい!以上で自己紹介終了だ。今日はこれだけだったから、寮に帰ってしっかり休むように!では解散。」
(は?え?寮…!?)
寮なんて聞いてなかった俺は莉愛に向かって真っ直ぐ走った。そして学活が終わると寮の説明を莉愛にしてもらった。
「裕翔!寮についてしらなかったの?!学生全員寮生活になってるんだよ!?」と飽きられた。俺まじでなんもしらなかった…
俺は寮で暮らすためしっかりと聞いていた。
「いい?裕翔。寮は、普通の住宅と変わらない大きな家で、一つの寮に大体6人から8人なわけ。6人の寮は大体、最上級以上なことが多いわね。しかも男女混合なの。これはちょっとやばいけどね…とりあえず、裕翔ママに荷物とかのこと聞いて来なさいよね!」
首を縦にブンブンと振って俺は急いで母さんに電話をかける。母さんによると「裕翔、忘れてると思って荷物全部まとめて送っておいたわ」と言った。うちの母さんはPerfectマミーだわ。
そして俺は寮の場所と番号を確認して、大きな寮の住宅街へいった。