テラーノベル
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🖤side
阿部ちゃんからの相談に驚き、思わず動揺しそうになり、顔を背けた。
いつの間に。
阿部ちゃんはしょっぴーが気になると言った。
しょっぴーの好きな人は…今、まさに、俺の目の前に座るこの男。少し前に、しょっぴーにその名を打ち明けられている。
🖤「気持ち、伝えるの?」
💚「いずれはね。でも、仕事に支障が出たら困るからタイミングはちゃんと見計らうつもり」
少し照れて笑う阿部ちゃんは、本人は謙遜するけどイケメンだ。線が細いけど、その分、俺にはない色気がある。こうして対面していると、意外に男らしく太い眉毛とか、笑うと清涼感が強いところや何より気遣いができて優しいところとか、ファンに阿部担が多いのも頷けると思った。
それにしても、阿部ちゃんもしょっぴーのことが好きだなんて。
ここまま指を咥えて見ていたら2人がくっつくのは時間の問題じゃないか。
俺は内心焦っていた。自分の気持ちをスッパリ諦めて祝福する気になんか到底なれなかった。俺はしょっぴーを失いたくない。
なんとか手はないだろうか。なんとか。
💚side
目黒が黙ってしまったので、少し焦る。
やっぱり翔太は普通に女の人が好きなのかな。俺が知らないだけで、彼女とかいるのかもしれない。暗い想像をすると、そうとしか考えられなくなり、見たこともない相手と過ごす翔太を想像して胸が苦しくなった。
💚「目黒?」
🖤「あ……うん。ごめんね?ちょっとびっくりして」
💚「あ、そっか。そうだよね。ごめんいきなりこんな話して」
🖤「全然いいよ!上手くいくといいね」
目黒がにこやかに笑う。
こんな笑顔を向けられたら、ファンはみんなたまらないだろうなあと一瞬見惚れた。
💚「翔太ってその、今付き合ってる人とか…」
俺が言いにくそうにしていると、先回りして目黒がいないよ、と笑う。応援するね、とも。
事が事だけに翔太の気持ちを考えると急ぐことはできないけど、障害がないのなら頑張ってみたいと思えた。
💚「ありがとう。このことは」
🖤「もちろん誰にも言わないよ。阿部ちゃん、頑張ってね」
目黒とはその後、居酒屋へと雪崩れ込み、夜も大分更けた頃気分良く別れた。
コメント
3件
どうなるどうなる??👀✨