テラーノベル
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撮影の合間に、携帯を見たらめめからのメッセージ。なんだろう、と見ると
🖤『今夜、会えない?どうしてもしょっぴーと話がしたい』
とある。
なんだか最近悩んでいるようだったし、めめから相談を受けるなんてそうそうないことなので二つ返事でOKした。
めめのマンションに着く。
エントランスを抜け、部屋のインターフォンを押すと、風呂上がりで前髪を下ろしためめが少し憂いを帯びた目で俺を招き入れた。
どきっとするくらいに、かっこいい。
男の俺でもどぎまぎして、思わず視線を逸らした。
🖤「来てくれてありがとう」
💙「いや…」
促されるまま、ソファに座り、広いリビングになんとなく落ち着かなくてそわそわと辺りを見渡す。
そう言えば、いつもは大概ラウールがいて、2人きりでいるのは随分と久しぶりだった。めめたちが加入して日が浅い頃、何度か2人でいたこともあるけれど、あの頃のめめはもっと子供じみていたし、こんなお洒落で広い部屋に住んでいたわけではなかった。家がよく散らかっていて、文句を言いながら俺が片付けてやったことも今では懐かしく感じる。
💙「部屋、綺麗にしてるんだな」
🖤「うん。しょっぴーが来るから、少し片付けたよ」
💙「へぇ、珍しい」
めめは、コーヒーを2つ、ローテーブルに置いた。
💙「サンキュ」
🖤「夕飯は?」
💙「まだ」
🖤「じゃあ食べて行きなよ。適当に作るから」
💙「やった♡久々にめめの手料理だ」
笑顔で言うと、めめが少し変な顔をした。遠慮がなさすぎたかな…。それに悩みがあるみたいなのに、少し普通すぎたか…?そう反省した。
めめは、横に座って、じっと俺を見ている。
これから何か深刻な話が始まるのだろう。俺は少し心を入れ替えて、めめの言うことに耳を傾けようとした。
🖤side
こうしてしょっぴーと改めて2人でいると、絶対に阿部ちゃんにしょっぴーを渡したくないという気持ちが切ないくらいに胸に湧いてきた。しょっぴーは真剣に俺を見ていて、俺の言葉を静かに待ってくれている。
こうして、まだ誰のものでもないしょっぴーといられる時間が残り少なくなっていくことに焦り、俺はしょっぴーを呼び出した。
俺は、今からたぶん、許されないことをする。
しょっぴーの肩に手を置き、なんとなく首を傾げたしょっぴーに口付けた。
💙「………っ!?」
俺の胸をしょっぴーが強く押して、抵抗する。構わず後頭部に手を回し、さらに深くへと舌を捩じ込んだ。しょっぴーはそのまま固まっているが、俺は熱い口の中の感触に恍惚としていた。やがてしょっぴーの身体の力が抜け、その舌がおずおずと返ってきたのを感じて、さらに興奮し、夢中で舌を吸い、その後は2人で長いキスを続行した。
💙「…………はぁ」
唇を離して見下ろすと、しょっぴーの目が蕩け、白い頬が赤く染まっている。想いを受け取ってくれたのかと、淡い期待を抱いた。
🖤「しょっぴー?」
💙「いきなり、何だよ」
はぁ、はぁ、と肩で荒い息を繰り返すしょっぴーはとてつもなく綺麗で、可愛かった。上目遣いの視線も、俺を煽ってくる。思わず手が伸び、Tシャツの裾に手を差し込もうとすると、今度ははっきりと止められた。
💙「ちょ、ちょっと待って。…何なの?」
🖤「キス…応えてくれたよね?」
💙「めめ…」
答えになってない。よくわからないけど、拒まれているわけではないことに勇気を得る。しょっぴーの目が泳いだ。
💙「ふざけてるなら、ここまでにし」
再び唇を奪った。勢いで服を脱がせて、しょっぴーの白い陶器のような肌が目に飛び込んできた。さらに口内を貪ろうとすると、慌てたしょっぴーが強く抵抗した。
💙「ちょちょちょっと、待てって!」
🖤「………ダメ?」
しょっぴーは怒ったような困ったような顔をしている。上裸の引き締まった美しい肉体に見惚れた。手の届く距離に、大好きなしょっぴーがいる。今日を逃したらもう次はないだろう。
💙「めめ、説明して」
🖤「……好きなんだ。しょっぴーのことが」
言葉にして告げると、涙が溢れそうになった。しょっぴーは、大きく目を見開いた。
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🖤「……好きなんだ。しょっぴーのことが」
二度もキスをして、めめは、俺の目を見つめ、確かにそう言った。
俄には信じられない。
この家に来た時は、めめから相談を受けるという状況に、頼りにされているという純粋な嬉しさがあった。大事なめめの相談に乗りたい。これはめめより年若なラウールにはできないことだろう。
そう、大事なめめ。
俺の中では、この後輩のことがいつのまにかとても大きな存在になっていた。恋愛対象として考えたことは一度もなかったけれど、いつも気づけば側にいて、弱った俺をケアしてくれていたのは他でもないめめだ。だから、めめが困っていたら一番に助けてやりたい。その気持ちに嘘偽りはなかった。めめの力になりたい。いつだって味方でいたい。その時に友人として一番近くにいられたら嬉しい。常にそう思っていた。
『好き』
そう言われたことで、背筋がぞわっとした。喜んでいる自分がいる。その事実が俺を戸惑わせた。俺には最近、自分の中に淡い恋心を自覚した相手がいて、その人との約束を楽しみにしていて……でも。
🖤「しょっぴー、好きだよ。しょっぴーは、俺のこと嫌い?」
💙「嫌い……じゃない」
目を逸らし答える。それだけは間違いない。好きかは…わかんないけど、嫌いではない。
🖤「しょっぴーが好きかも、って思う人より、俺の方がしょっぴーを好きだよ。それに、しょっぴーの好きな人がしょっぴーを好きじゃなかったらどうするの?」
💙「…………」
🖤「俺にしなよ。俺のこと、好きになって?」
そう言って、めめは、俺を力強く抱き寄せた。切なくなるような気持ちのこもった抱擁に、嬉しくて身を任せてしまう自分がいる。
俺の好きな人が俺を好きじゃない可能性。
頭の中でぐるぐると、悪い想像が次々に浮かぶ。めめは、こんなに俺を求めてくれているのに。この手を拒んで、めめを傷つけて、俺があいつにあっさり振られてしまったら…。
そもそもその相手に告白する勇気なんて俺にはハナからなかった。だったらこのままの方がいいのかもしれない。
💙「めめのこと、好きかどうか、わからない」
苦し紛れに何とかそう答えると、めめの優しい目がそのまま俺の目を捉えて、3度目のキスは互いの唇が吸い寄せられるように優しく重なった。
コメント
4件
めっちゃ流されてるーしょっぴー笑 どうなるの!?🫣🫣
はぁ〜😳まさに流される 流されたい どうなっちゃうんだろう!! 続き楽しみです🫣