「おはよう。太宰」
優しい声が耳に響く。
サラッと頭を撫でられる感覚がする。
「ぉは、よ。ちゅー、や。」
最近は、ここに来た時と同じ状態で過ごしている。足には錘、手は手錠。首輪はもちろん。
んで服は、Tシャツを1枚ぶかぶかと来ている。ぶかぶかなのは、中也が好きなんだとか。
この状態であれば、ちゅーやをお迎え出来るから嬉しいけど、プレゼントとしてもらったあの大の字状の拘束道具は、寂しかったりしたら、使っている。
そして私。
私はここに来て声がたどたどしくなったけど、ぐっすりと睡眠を取れるようになった。
今日は中也が家を出る時間まで寝たようだ。
「んじゃあ、行ってくるわ。いい子に待ってろよ」
輝かしく笑う彼は私の頬をそっと撫でて家を出る。
そして数時間後。異変は起こった。
バァン!!
何かが大きく音をたてた。
体が大きく跳ねる。こんなに大きな音を聞いたのはいつぶりだろうか。
それよりも、この音は何?もしかして中也?でもまだ空は明るい。
「ッ、」
とことん嫌な予感がした。
そしてその予感は不自然な程に当たった。
蹴破られた私の部屋のドアの向こうには、敦くんと、国木田くん。
嘘でしょ。どうしてここが。
「太宰さん!助けに来ました!」
助けに、?
何を言っているの、?
私には地獄に引きずられるように思うのに?
だから、
「って、」
声を出した。小さく。
「なんだ。聞こえないぞ。」
だから大きく言った。つもりだ。
「かえっ、て、ょ」
僕が大切にしている愛という名のお星様を守るために、かつての仲間を切り離す。
2人には聞こえただろうか。中也なら聞き逃さまいと必ず聞いてくれるのだけど。
「ッどうしてですか?僕は太宰さんをッ、恩人を元の光の生活に戻しに来たのですよ!!」
「ちが、ッう、」
必死に否定した。そんなわけがあるはずが無いと。
「そ、ッちはひかりなんかぁ、じゃ、ない。」
声がたどたどしいことに違和感を隠せないでいる2人。でも淳くんは続いて反論する。
「分かりますか!?あなたが救ってくれた中島敦ですッ!あの日僕は___!」
「し、ッてる、!」
それ以上言わないで欲しい。折角中也でまみれた生活をおくることができるのに、こんなの、あんまりだ。
今僕が守っているお星座が、まるで、汚らわしく、間違っているみたいで、、。
「わすれるわ、げないでしょ、」
「ならッ」
「でもちがぅ、そっちは僕がのぞん、だ世界ッじなぃ、のツ」
必死に必死に想いを伝える。中也から離れたくない。元の生活に戻るなんて嫌だ。嫌だよ。
たとえ間違っても、僕はこのたった一つのお星様を守る。
敦side
最後の連絡が来た時、僕は何となく、太宰さんの言いたいことがわかった気がした。
「居場所を見つけたんだ」
太宰さんはこういっていた。太宰さんがどういう理由で探偵社に入ったのかは分からない。でも、とても大切な想いで入ったということだけは僕にでも分かる。
何か、小さく光るもの。
でも、そんな探偵社を抜ける理由。
理由は単純だった。
僕は孤児院で愛されるなんてことは無かった。
だからか、愛されるって事の重さがよくわかる気がする。愛されないからこそ。ね。
太宰さんは22歳なのに、ポートマフィアに入って、たくさんの犯罪を犯していた。らしい。
って事はそれなりに長くポートマフィアに居たってことで、今の僕よりも若い頃からっていう可能性が高い。
なら太宰さんもきっと愛されずに育ってきたんじゃないかと思う。
だから愛してくれる人の場所、自身の居場所を見つけて直ぐに離れていった。
そう考えたんだ。
でもだめだ、。
太宰さんが居ないなんて考えられない。
乱歩さんには止められた。
「それは太宰が望むのか?」
と。
太宰さんの居場所は探偵社にある。
楽しくて、人を救えて。
愛されるって言うことは大事だ。だけど、生活を奪ってまで愛すなんて、そんなことは僕が許さない。
幸せな愛って言うものは、
『生活を支えてくれる』ことだ。
国木田さんに簡易的に説明をし、手当り次第に探しあてた。
相手は、。
「中也さん、」
そして今。ドアを虎の力を借りて蹴破った。
そこには太宰さんが手足を拘束された状態で座り込んでいた。
この部屋、、。
拘束道具が沢山あるけど、どうして点滴と注射器が、?
ツそれよりも太宰さんが優先だ。
「太宰さん!助けに来ました!」
太宰さんは服を1枚。何時もの包帯は無く、痛々しい傷跡が幾つも。
もしかして点滴の傷があるのか、?
「って、」
太宰さんの口が小さく動いた。
聞き取ろうとしたが既に言葉は終わりを迎えていた。
国木田さんもきこえなかったのか、聞き返した。
「なんだ。聞こえないぞ」
「かえっ、て、ょ」
弱々しい声が響く。弱々しいけど確かに太宰さんの声。一体何があったというのか
でも今引くわけには行かない。
「ッどうしてですか?僕は太宰さんをッ、恩人を元の光の生活に戻しに来たのですよ!!」
思うことをはっきりいった。何かが込み上げるような感覚が走る。
「ちが、ッう、」
「そ、ッちはひかりなんかぁ、じゃ、ない。」
僕は太宰さんの目をみた。
太宰さんの目は、嘘なんて意味は毛程も込められていない本気の目をしていた。
唯おかしな所を上げると、顔もなんだか何時もより痩けていたこと。
もしかしたら太宰さんは僕という孤児を拾ったことを忘れているのか、?
「分かりますか!?あなたが救ってくれた中島敦ですッ!あの日僕は___!」
「し、ッてる、!」
思いの外即答だった。本当に帰って欲しいと言いたいようだ。
「わすれるわ、げないでしょ、」
「ならッ」
「でもちがぅ、そっちは僕がのぞん、だ世界ッじなぃ、のツ」
「___それは太宰が望むのか?」
頭に乱歩さんの言葉が響く。
まるで僕が間違っているとでも言いたいように。
夜空から星が1つずつ握りつぶされるような感覚がする。
希望という名の星は見える範囲から姿を消した。
___太宰さんの意見を尊重する、?
太宰side
愛っていうのは、。
『生活その物』のことだ。
┊︎
今回おそくなりましたぁあ!!!!!!!
まじですみません、
しかも今週テストなんでまた暫く更新できないです( ߹ㅁ߹)
┊︎
見てくれている皆様は、
愛を、
『 』ことだということに
気づいてくれますか、?
コメント
2件
ああああああああ!最高です!