第十話:光
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俺は昔、
母親を失った。
俺のせいで。
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俺の母親は
とても優しい人だった。
俺はよく分からない、
「 天候を操る 」
という能力のせいで
人から虐められて、利用された。
大人からも、子供からも。
体育祭の時には先生達に晴れにさせられ、
めんどくさいマラソン大会の時には
同級生などから「 雨にして 」と頼まれた。
そんな俺を母は守ってくれた。
俺の能力で
同級生の意見の相違で喧嘩になった際
「 お前のせいだ 」と、
川に突き落とされそうになった。
その時、たまたま近くを通りがかった母に
俺は横に押され、母は同級生に縦に押され
川に落ち、窒息して死んだ。
じゃない。
俺から見たら、
に見える。
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母が死んだ時は
本当によく泣いた。
でも今は涙も枯れてしまった。
悲しい気持ちが渦巻いているのに
涙が一滴も出ない。
俺の心はきっと、死んでしまった。
でもそんな俺にも” 光 “はある。
それが桃ちゃんだ。
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青「 …その橙って人、この学校なの? 」
鼉鄙「 …そうみたい 」
青「 学校は来てる? 」
鼉鄙「 …来て、ないな 」
「 家に引き篭ってるらしい 」
赤「 橙…橙…えっ、と… 」
「 あ!!桃ちゃんの友達だ! 」
黄「 桃くんの? 」
赤「 桃ちゃんは、橙くんのことも、 」
「 気にかけてたと思う! 」
黄「 赤は会ったことないの? 」
赤「 俺は…無いね、 」
「 人が苦手って聞いた 」
青「 桃くんは、怖くなかったのかな 」
鼉鄙「 その、桃っていう人間には 」
「 何か力があるのかもな 」
紫「 否定は出来ないよね、 」
青「 そうだけど… 」
「 自覚が無いってことでしょ? 」
鼉鄙「 簡単に言えばな 」
赤「 聞いても多分わかんないよね…笑 」
黄「 ですね、笑 」
青「 どうにか聞き出したいなぁ、 」
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コンコン、
橙「 …っ、… 」
桃「 大丈夫、俺だよ 」
橙「 …桃ちゃぁ、 」
桃「 …一緒にさ、学校行ってみない…? 」
橙「 …桃ちゃんが、またどうして…? 」
桃「 …会って、話したいヤツがいる 」
橙「 …ええよ、 」
「 でも、俺から離れんで欲しい、ッ… 」
桃「 当たり前じゃんか笑 」
「 行こうぜ、笑 」
橙「 …うん、 」
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何気に初めて登校するかもしれない。
先生に事情を説明して、
家でずっと課題だけやってた。
でも桃ちゃんの頼みなら
なんだって聞いてあげたい。
だから、頑張って進んでみるよ。
お母さん。
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紫くん達は授業に戻りました
青「 …桃さんも来ないし… 」
「 勉強しかやることない… 」
鼉鄙「 僕がいたら、将来は安全だよ? 」
青「 お金が無いと… 」
「 年金があるとはいえ… 」
赤「 年金って、 」
青「 障害者年金…笑 」
「 頭は良いけど、実は 」
「 軽い知的障害持っててさ 」
赤「 なるほどね、 」
「 それプラスで躁鬱でしょ? 」
青「 えへ 」
赤「 まぁ、鼉鄙が居てくれたら安心かな 」
鼉鄙「 死んでも霊界から
魂を蘇らせることが出来るぞ 」
青「 チートでしょ、笑 」
ガラガラガラ、
青「 っ、? 」
「 …この雰囲気は… 」
桃「 よっ、す… 」
「 …迷惑じゃない…? 」
赤「 全然、笑 」
「 …誰かいるの? 」
桃「 あ、橙…? 」
橙「 …… 」
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青side
あぁ、異能者だったんだ。
僕と赤くんと同じく。
心には雨が降ってて、
でも…
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青「 …君には暖かい存在がいたの? 」
橙「 …な、んで? 」
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桃side
なんで、こいつは
その人のことを見透かしたように
言葉を放つんだろう。
エスパーかなんかか?
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橙「 俺、には… 」
「 桃ちゃん、と…母さんが…暖かい存在… 」
「 …二人以外は苦手…に等しい 」
赤「 そっか、笑 」
橙「 ごめん、なさい…ッ、 」
黄「 橙くんが謝る必要なんて 」
「 ないじゃないですか笑 」
橙「 …ありがとう、笑 」
桃「 …青、こっち来て 」
「 二人だけで話したいことがある 」
青「 …はい、っ… 」
鼉鄙「 僕も、っ…!! 」
桃「 ぅわ、っ?! 」
「 え…狐が… 」
青「 鼉鄙は橙くんのことお願い 」
「 鼉鄙にしか出来ないことがあるでしょ? 」
鼉鄙「 …わかった 」
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別室
青「 どうしたの、? 」
「 告白なら断るけど… 」
桃「 ちげ〜よ笑 」
青「 じゃあ、どうしたの? 」
桃「 なんで、お前は俺達を見透かせる 」
「 …俺が辛かった時、お前は 」
「 俺の欲しい言葉をそのまま伝えてきた 」
青「 …僕は人の心が見えるから 」
「 どんな言葉が欲しいのか、大体わかる 」
桃「 …橙と同じってわけね 」
青「 橙くん、も…きっと異能力者 」
「 いや、あの感じは絶対に異能力者だよね 」
桃「 …そうだ 」
「 そのせいで、虐められてきた 」
青「 桃くんは、それを庇って虐められた 」
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図星の顔、図星の心をしてる。
今話してること以上に
心は正直だから、何を話そうとしてるのか
ほとんど分かってしまう。
それを僕の口から言うことも出来る、けど
あえてしないよ。
それで僕は、虐められてきたから。
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桃「 …俺さ…うれし、かっ…た 」
「 んだ、ぁ…笑 」
青「 うん、知ってる 」
「 …僕は心が見えるからね 」
桃「 …そうかよ、笑 」
鼉鄙「 …橙、ってやつ 」
「 そんまましてたら死ぬぞ 」
「 青は分かってるだろ 」
青「 …うん、分かってるよ 」
桃「 …何すりゃ、いいんだよ…っ、 」
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この連載の投稿が
あまりにも遅すぎますね。
頑張ります。
そしてかなりの間隔をあけて書いてるので
書き方がぐちゃぐちゃです
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コメント
1件
誰にでもって訳じゃないと思うけど、、辛い事はあるけど、それから救ってくれる光もいるんだね 橙くんの過去悲しすぎて泣いてしまう、、😭 続き待ってます!