テラーノベル
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俺はただのガキで、こんな腐った世界なんて夢にもみなかった。どこかで聞いた話だが、「平和を愛するものは平和に愛される」。その話は正しいように聞こえた。まるで馬鹿げている。
『あの子』は未だにそれを信じてるらしく、きっとこの裏社会には向いていないのだろう。
だから俺達が、その歪みを直してみせよう。
歪むのは世界か、君か、はたまた俺達か?
これは終戦の日、俺達が誓いを立てた日。
────4年前
「はぁーっ…俺が令嬢の教育係?まだ13のガキにやらせることじゃねぇだろ…」
俺は凸もり。…とまぁ、組織ではこう呼ばれている。なんせ戦争孤児なもんで、物心付く前にはここにいた。片目の眼帯もそのせい(だと思う)。だから、本名も出自も親のことも、正直どうでもいい。
俺はどうやらフィジカルに恵まれているらしく、喜ばしいことに重要戦闘員と幹部の称号まで貰ってしまった。
ここのマフィアのボスは珍しく女で、先月齢6になったばかりのご令嬢もいる。そんなご令嬢─おどろく嬢の教育係を任せられてしまった。
幸い今は情勢も落ち着いていて、俺が戦場に出ることなんて久しかったからの指名だろうが、子どものお守りなんて過去を見ないから俺なんかに務まるのか不安で仕方がない。
任務の内容は至って淡白で、
【 Ⅰ 外出を許可してはならない】
【 Ⅱ 外の話はなるべく控えること】
【 Ⅲ 母親の仕事を知らせてはならない】
これだけを伝えられ、ほぼほぼ俺任せである。
…まぁ、こんなことを言ったところでボスからの指令は絶対なのだから、断りようがないのだが。
重い足取りで部屋へ向かう。今思えばこちらの、令嬢がいる屋敷の離れへ来るのは初めてだろうか。
紅色の塗料が塗られた樺のドアを軽く叩く。
「失礼します。今日から貴方の教育係になりました、凸もりと申します。えーと」
「そーゆーのいいのだ!」
部屋から出てきた彼女は母親に良く似た赤髪と美しい翡翠の瞳をしていた。
そして彼女は狼娘だった。
「おどろくはおどろくなのだ。おどろくそーゆーオシゴトタイドあんまり好きじゃないから、もっと気さくに接してくれていいのだ!」
あのボスの娘さんってことだから気難しいお姫様なのかなと思ったが、案外俺と気が合いそうだった。
「じゃーお言葉に甘えちゃおっかな〜」
「おどろくちゃんって呼んでいい?」
「むしろそうよんでほしいのだ!よろしくねしぇんぱい!」
これがおどろくちゃんと俺の出会いだった。
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ちょいと長いですが読んでくださり光栄です。
こちら僕の初陣、初作となっております。
拙い文章ですが雰囲気だけでもお好きになって頂けたら。
さて、本文中では少々分かりにくい部分も多いかと思いますので、下に軽くまとめてみました。
是非是非、最後までお付き合い下さい。
【凸もり】
本名…不明
見た目…本家様と同じく
職業…おどろくのお世話係&重要戦闘員(幹部)
年齢…13
一人称…俺
二人称…普段は君(他人行儀だと貴方)
好きな食べ物…いい肉がいっぱい入ったシチュー
嫌いな食べ物…しゃびしゃびの玄米
ひとことメモ…おどろくのお世話係&重要戦闘員なので過労かと思いきや戦場にあまり出なくてよいのとおどろくと話すのが楽しいとのことで案外悪くないらしい。(本人談)
【おどろく】
本名…おどろく
見た目…本家様と同じく
職業…マフィア令嬢
年齢…6
一人称…おどろく、わたし
二人称…君、あなた
好きな食べ物…おっきいステーキ
嫌いな食べ物…ピーマン、グリーンピース
ひとことメモ…凸もりをひと目見た瞬間こいつは面白いやつだと確信した。(つよつよ狼娘の勘)最近外出してなくて暇だったから毎日楽しくなりそう!(本人談)
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ここまで読んでくださった方がいてびっくり。
そんなわけで今日はここまで。
不定期更新にはなるかと思いますが、これからも見に来てくれると嬉しいです。
それではまた!
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