テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
夜の部屋に、かすかな灯りだけが揺れていた。
Krの指先が金属の輪を鳴らすたび、Smの胸の奥で緊張がせり上がる。
「動くなよ」
低く囁かれ、両手を背中の後ろに縛られる。革のベルトが冷たく肌に触れた瞬間、心臓が跳ねた。
逃げ場のない状態に置かれているはずなのに、不思議と恐怖よりも期待が勝っていた。
Krがどれほど強く、どれほど容赦なく見せかけても、その手が決して本当に自分を傷つけることはないと知っているからだ。
「目、逸らすな」
顎を持ち上げられ、視線を絡め取られる。
拘束されているから逃げられない。
けれど、その強制された不自由さが逆に安心に変わっていく。
自分のすべてを預けても、決して裏切られないという確信が、胸の奥で熱を帯びる。
やがて拘束が解かれたとき、Smの身体から一気に力が抜けた。
腕の自由を取り戻したはずなのに、しばらくは動けない。
その脱力感と余韻に包まれたまま、ただKrの胸に凭れかかる。
「……もう、大丈夫」
Krが落ち着いた声で言う。
Smは小さく頷きながら、解かれた手でそっと相手の衣を掴む。
まだ残る痕跡は、怖さではなく――ただ確かに繋がっていた証として、心地よく疼いていた。
smさん視点で書いてみましたぁぁぁ