「私が元貴と出会ったのは‥多分、高1だったかなぁ‥」
「俺いた?」
「いたいた。」
「じゃあ、その時のこと話そうかな。」
ドラムが好き。
バンドだって組んでみたい。
「そんな夢諦めなさい」
ずっと言われてきた。
どうして、諦めなきゃいけないの。
これは私の“夢”だよ、
ドラムが好きで何が悪いの?
友達とも、家族とも話が合わなくて。
友達が離れていく感覚なんて、
もう経験したくないから。
だから、高校では一切ドラムの話は出さないと決めていたし、出すつもりなんてさらさら無かった。
でも隠していくうちに、
好きなものが何なのか、分からなくなっていくような感覚があった。
「はぁ、」
中庭の木の下のベンチに腰を掛ける。
普段人気が薄いこの場所は私のお気に入りの場所だった。
がたっ
「?!?!?!」
そんな静かな場所にいきなり、がたって音がしたもんだから、思わず音がなった場所を覗くと‥
「すぅ、すぅ…」
そこでぐっすり寝てたのが、元貴だったんだよね。
「え、あの、??大丈夫ですか?落ちてますけど‥」
「んぅ‥ゎかい、??」
若井って誰!?!?
最初はめちゃめちゃ混乱してた。
「ちょ、寝ぼけてないで起きてください!」
「ゴシゴシ、…..へ、?」
「えと、どうもです、」
元貴も若井じゃなかったことに気づいて、
焦ってる、笑
「ど、どうも、??」
暫く気まずい空気が流れると、不意に視線を感じた。
「じー、」
彼が見つめていたのだ。
「なんかついてます?」
「…いや、」
「…..なにか、悩んでるんですか、?」
「!!」
「どうして、そう思ったの」
「悲しそうな目、してたから、」
まるで自分のことかのように、悲しそうに、寂しそうに笑う君。
「‥お見通しかぁ、苦笑」
「私、山中綾華。1年2組。君の名前は?」
「大森元貴。1年1組。」
「よろしく、元貴!!」
「よろしく‥で、何悩んでるの?」
「…叶えたい夢があったの。」
「叶えてみれば?」
「フルフル、…周りから反対されててね。」
「親とずっと喧嘩状態でさ、、長引くくらいならもう諦めようと思ってて。」
「….ほんとに、諦めていいの、?」
「….、」
「綾華の夢は、綾華だけのものだよ。」
「、!!」
「誰になんて言われようとも、綾華が諦める必要なんてない。他人に決められる人生なんて、後悔しないわけがない。」
「”生まれ変わるならまた私だね“って、思えるくらいの人生を、綾華が作っていけばいい。」
救われたんだ。
この元貴の言葉に。
否定しないで、自分のことのように考えてくれている姿が私には凄く嬉しいことだった。
「聞いてくれる?私の夢。」
「いくらでも聞くよ? にひ」
ーー
はい、第2章が開幕致しました~!!
第2章は主に山中さんがメインとなります!
ペチュニアは様々な色がありますが、今回は赤色のペチュニアとなります。
赤いペチュニアの花言葉は、
・決して諦めない
です。
大森さんの言葉が山中さんの意思を動かしましたね。
コメント
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初めて読ませて頂きました! まさかフォロワー様だとは思わなくてビックリしました、、このお話大好きです!フォロー返しとマイリスト追加失礼します🙇♀️