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きゅうり
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#AI小説
NARI
23
⏰ 第3話「忘れた記憶」
「……まただ。」
時計の針が、逆に動いている。
17時17分。
教室にいるのは、私だけ。
「……誰か、気づいてないの?」
周りを見渡す。
みんな普通に帰り支度をしている。
まるで、何も起きていないみたいに。
私は机の上に置かれた紙を見る。
『まだ、思い出さないで。』
「……思い出すって、何を?」
その瞬間。
「朝比奈さん」
「……!」
振り返ると、そこには――
昨日の時計塔で会った男の子が立っていた。
「君……!」
「静かに」
彼は人差し指を口元に当てた。
「ここでは、僕のことを知らないふりをして」
「どうして?」
「じゃないと――」
彼が窓の外を見る。
「また、時間が戻る。」
「……また?」
その言葉に、私は引っかかった。
「またって……どういうこと?」
「君は昨日、僕に会った」
「うん」
「でも――」
彼は少し黙った。
「本当は昨日じゃない。」
「……え?」
「君は何度も、ここに来てる」
頭が真っ白になる。
「そんなわけ……」
「じゃあ、これを見て」
彼がポケットから何かを取り出した。
小さな古い鍵。
「これ……」
見覚えがある。
でも、どこで見たのか思い出せない。
「その鍵は、君が僕に渡したものだよ」
「私が……?」
「うん」
彼は鍵を私の手に乗せる。
その瞬間――
ズキッ。
「っ……!」
頭の中に、一瞬だけ映像が浮かんだ。
時計塔。
赤い夕焼け。
そして――
誰かと一緒に階段を上っている私。
「……誰?」
隣にいた人物の顔だけが、どうしても見えない。
そして私は、その人に言っていた。
『絶対に忘れないから』
「……っ!」
映像が消える。
「今の……何?」
彼は答えなかった。
ただ、悲しそうに笑った。
「少しだけ、思い出したね」
「あなたは……私が何を忘れたのか知ってるの?」
「知ってる」
「じゃあ教えて!」
彼は首を横に振った。
「まだダメだ」
「なんで!?」
「君が思い出したら――」
その瞬間。
カチッ。
教室の時計が止まった。
「……!」
彼の顔から笑顔が消える。
「……もう来た。」
「何が?」
廊下から、
コツ……コツ……
誰かの足音が聞こえてくる。
ゆっくり。
こちらへ近づいてくる。
彼が私の手を引いた。
「隠れて」
「え?」
「早く!」
私たちは教室の隅に身を隠した。
足音が止まる。
教室の扉が――
ガラッ。
開いた。
誰かが入ってくる。
でも。
そこには誰もいなかった。
「……?」
私は立ち上がろうとした。
その瞬間。
黒板に、文字が浮かび上がった。
『思い出すな。』
そして、その下にもう一行。
『次に忘れるのは、君自身だ。』
「…………」
私は息を呑んだ。
隣にいた彼が、小さく呟く。
「……時間が、君を見つけた。」
⏰ 次回予告
第4話「時計塔の少年」
ついに謎の少年の正体が明らかに……?
そして、透が忘れてしまった「あの日」の記憶とは――。
コメント
1件
うわ、めっちゃ不気味で続きが気になる……! 「時間が君を見つけた」ってフレーズ、背筋が冷えたよ。鍵のカットインの場面、映像が一瞬浮かぶ演出が映像的で好き。誰もいないのに黒板に文字が浮かぶの、想像するだけで鳥肌立った。第4話で少年の正体が明かされるの?楽しみすぎる。