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Fumeiでーす
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水羽
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#シリアス
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読み始める前に注意!!
※オリジナルの病気がでてきます。
※キャラ崩壊と呼ばれるものが多いかも………特に鳴海さんとかが……優しすぎる
保険をかけておくと、本当に拙い作品なんですこちら。初心者マーク貼りたい。
でも、構想を数ヶ月前から練りに練って何十回と推敲した大作だから、ぜひ見てる人に刺さって欲しいな….!
捏造ありで(そもそも二次創作が捏造ではあるんだけれども)、内容も重いので見る人を選びます。
苦手な方は読むのをおやめください。
何も知らなくていいから。
第1話 動かなくて
side:保科宗四郎
『不可逆性怪獣細胞融解症』です。
「…はい?」
薬品の匂いが充満する白い部屋に、身を乗り出した自分の椅子がぎい、となる音が響く。
それは突然のことだった。
_____それに、聞きなれない言葉だった。
当然だ。
自分が、初めての症例だったのだから。
崩壊の始まりは、本当に些細な出来事から。
「………10号兵器との同調訓練の回数を増やしたい、ですか?」
「ええ、すでに時間をとろせてもろている上で申し訳ないのですが。」
___少なからず、焦りがあったのだ。
順調に上がっていくだろうと思っていた開放戦力はグダグダ。10号との連携がうまくいってない。
ナンバーズを背負った身でこれではいけない。
喋る兵器なんて前代未聞なんだから開放戦力が上がらないのは当然ですよ、と小此木ちゃんはいつも励ましてくれたがそれが逆に痛かった。
……“あの人”は、識別怪獣兵器の1号を人類史上初めて使いこなして、その状態で98%の開放戦力をたたきだして第一部隊隊長に君臨している。
彼が、目に血を流して戦っているのをみたことがある。
彼が、休日に、昔身を置いていたという児童養護施設に通っているのを知っている。
彼が、98%を出すためのたゆまぬ努力をしていることも知っている。
だから第一部隊に誘われた時から、断りはしたものの鳴海隊長に一応の尊敬はあったのだ。
……それがいつからだろうか、彼は追いかけるべき背中ではなく常に隣にいるべき存在になった。
こんなこと、鳴海隊長に言ったら
「保科とボクがいつ同列になった??」とかしょーもない反論されそうだし、実際自分が未だ彼に到底追いつけてはいないのことはわかっているのだが、
それでも、追いつく努力はしなければ。
それも銃が使えない分、近接においてはあなたの百倍、千倍の演習を。
ずっと焦がれたあなたに、戦闘面ではバカにされないように。
「________せやから、お願いします!!」
頭でもなんでも下げる。
「…この際はっきり言いますけど、」
「今の演習量でも、普段の業務と合わせればとっくに過労死ライン超えてるので反対です。」
「保科副隊長自身が倒れたら元も子もないでしょう。」
「?疲れたことはあらへんよ」
「こんの体力お化け……」
ナンバーズを使えるだけすごいとか、初めてだからしょうがないとか、そんな生ぬるい世界じゃないのだ。
「もっとスーツを使いこなせれば、人の命を守れる機会が増やせる」なんて、建前なのはわかってる。
早く、速く、追いつきたい。
その一番星のような存在に。
認めてほしい。強い自分を。
他でもないあなたに。
___これが、本音。
結局その日は、お月様が彼の頭の真上に、高く高く上がるまで訓練は続いた。
「………っ、はぁ、ひゅっ、次ぃ!」
かきん、かきんと刀どうしがぶつかり擦れ合う音が響く演習場。
サポートをするオペレーターが2時間毎に当番を代わり、保科の同調訓練は夜通し続いた。
そしてその次の日、
保科は「最終調整済み」として全第3部隊隊員におくられた日程表の日付を見て、
出勤になっていたはずの今日が非番となっていることに気づいた。
きっと、
どこかの優秀な白衣きたメガネっ子が、どこかのスルメ好きな隊長に、秘密裏に「ダレカ」の報告をしていたのかもしれない。
せっかくできた休日ならコーヒーでも淹れようか。
鼻歌を歌いながら豆を入れて、沸かした水を
ろうとの上から丸く注いで。
湯気がたつマグカップを持ち上げ、食卓に運ぼうとした、その瞬間に、
「……あ」
パリン、と硬質な音を立てて、
カップが床の上で砕け散った。
飛び散る茶色い液体と、割れた陶器の破片をしばし見つめる。
右手に残ったのは、
自分の手ではないものがぶら下がっているような感覚。
指を動かした、はずだったのに。
マグカップを支えていた感覚だけが、ふっと消えて落ちた。
(………?)
少し、違和感。
そうイワカン。大事なモノ。
あの時はすぐに消えてしまったけれど。
「あかん……これお気に入りのやつやったのに」
結局、自室で独りむなしく散らばった破片を拾い集めるだけでことは終わった。
この前三徹したばっかやし、きっと寝不足で疲れてる。
そう思うことにした。
でも、体がうまく動かないなんてことが、
日に日に多くなっていく。
「……っ、なんや、これ」
鏡の前で、指先がピクリと止まる。
防衛隊の黒い隊服。
その第一ボタンを留めようとした手が、小刻みに震えていた。
数ミリのプラスチックの塊を、布の穴に通す。
いつもならみないで、1秒足らずで終わるはずの動作が、できない。
指先に力が入らず、せっかく摘んだボタンが滑っては戻る。
摘む。
滑る。
落ちる。
拾う。
また落ちる。
じっとりと嫌な汗が滲んできて、
気づけば、洗面台のデジタル時計は、とうに出勤時間を過ぎていた。
「….あかん! 急がな……」
そうして、
段々、日々の行動に制約がつくようになっていった。
「12時………訓練も十分。ここまでやな。
みんな、休憩!!」
「まじすか?!やったーーぁ!!」
カフカのキンキン声。
「先輩、うるさいですよ。」
「うおーーーー!やっとかーーーー!」
「イハルは初っ端から飛ばしてたからな。」
落ち着いた御曹司。
「うわ、男子たちシャツが汗でやばいわよ。替えてきたら?」
「キコルだって汗かいてんじゃねーか!」
「おっさんの汗と、美少女の汗とは違うのよ。」
「さすがに辛辣じゃないかキコル。」
「水分しっかりとるんやぞーー!!」
「「「「はーい!!」」」」
みんなの返事を聞きながら、段々とそれは遠ざかっていく。
そして腕を、壁についた。
(……あかん。結構キてるやつやないか、これ。)
動悸がおさまらない。指先が震える。
よくある訓練後の疲れかと思っていたのに。
喉が渇いて、自販機でお茶のボタンを押す。
_____ゴトンと、落ちた音。
出てきたペットボトルのキャップに手をかけ、
捻ろうとしたその瞬間、腕に激痛が走り、弾かれるように手が離れた。
(………っ!!)
反射的に周囲を見回す。
…誰もいない。
それにどうしようもなく安堵している自分に気づいて、保科は奥歯を噛み締めた。
ペットボトルのキャップを自分の歯で強く噛み、首を強引にひねることで、どうにかキャップを抉り開ける。
ただキャップを開けるだけ。
そんなん、
誰だって歯くらい使うことあるやろ。
______ある、よな。
「……まぁこんな仕事やっとったらガタも来るか」
そう呟いて、保科は開きっぱなしだったペットボトルを口に運び、コクっと飲み込んだ。
「保科………保科、聞いてんのか?」
「……ん?」
「なんなんださっきからぼーっとして。
亜白がお前を指名だぞ。」
そうだ。今は会議中。
「うわ!すみません」
「いや、いい。
珍しいな、鳴海が保科を説教パターンは。」
「うるさいぞ亜白。」
「保科、次のB作戦についてなんだが。。。」
「無視するなボケェェ」
最近は、幸いなことに大きな怪獣災害が起こっておらず、討伐において全力を出すこともない。
だからこそ、会議もどことなくのんびりしていて、
よく犬猿の喧嘩が始まっても止める人もやんわりとだ。
けれど、日々の訓練で
最大解放戦力が92から90へ、90から88へと少しずつ目減りしているのは自覚していた。
普通のスーツでだ。10号側の異常ではない。
(とすると………)
行き着くのは、この体。
健康診断でも何も引っかからないどころか、
通常より健康的すぎるとまで言われるこの。
(…………)
「______会議はこれにて終了する。一同、礼!」
「「「お疲れ様でした。」」」
部屋を出てすぐスマホを取り出し、防衛隊中央病院の受診ページを開く。
【希望診療科】
指先が、一瞬止まった。
たかが少し力が入りにくいだけ。
寝不足かもしれん。
疲労が抜けてへんだけかもしれん。
――でも。
その考えだけで、腹の底が冷えた。
「……念のためや」
誰に言い訳するでもなく呟いて、
保科は“筋機能精密検査”の枠を押した。
______送信完了。
それを見届けて、保科はゆっくりと部屋に戻った。
怪訝そうな眉を寄せる鳴海が後ろにいることに気づかず。
第一話 終
ここまでみてくれてありがとう!!続きもぜひ読んでください!!
あと「ダレカ」で二分間の冒険という本をもじったのは確信犯です。懐かしいなぁ。
コメント
4件
なんか...保科が鳴海に認めてほしいって願うとこ? そこの表現が凄く凄く好きです 短い文の3行とかでうちの好みが燃やし尽くされてる ありがとうございます!!
うわあああ!保科さんの話、めっちゃ胸が苦しくなったよ…!!😭💦 最初はただの疲れかな?って思ってたのに、マグカップ落とすとこからボタンが留められなくなるところまで、だんだん症状が進行していく描写がリアルでゾッとした…でも「なんやこれ」って一人で困惑してるところがもう切なすぎて🥺 鳴海隊長への焦がれるような気持ちとか、認めてほしいっていうひたむきさがグサグサ刺さる…!そして休日を作ってくれた小此木ちゃんとスルメ好きな隊長の優しさもじんわり来たよ…✨ 最後、受診ページを開くところで終わったから続きが気になって仕方ない!!早く次読みたいです…!!🌸