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にゃんぱすー、十話です
美馬 千蔭
期末テストまであと2週間を切った。
燕さんはあまり勉強が進んでいない様子で教えてもらいに来ることも多い。
そんなこともあり、僕は美晴とある計画を立てていた。
「ちかぁ。」と、招き猫の仕草で呼ぶ美晴。
そこに向かって歩を進め、場所をさらに変える。
「ときに千蔭よ、あのままでは燕さん、死ぬぞ。」「知ってた」「そうなのよ、だからさ?」そして美晴が提案したのは、
勉強会であった。
「となると今週日曜が、一週間前でベストかな?」僕の問に「そのつもり」と同意を示す美晴。
さて、勉強会と一言に言ってもである。「勉強会つっても多分遊び始めましたっていう展開になりかねないけど…」「だから考える。今」となり、早速勉強会作戦会議が始まった。
うーんと二人唸る。特にいいものが浮かばないのだ。
「静かにできたほうがいいわよね。」美晴のその意見をとりいれ、最初に提案として口を開いた僕は、図書館、と口を動かす。
その意見に美晴はなかなかに良い反応を見せた。
図書館というのは、原則静かにしなければならないので、まず遊び始めることがあまりない。
そしてその限られた空間の中で、集中して効率的な勉強が可能となる。
そして何よりも「燕さん本読まなそうだから、特に娯楽がないだろう?」と、ド偏見ビームをぶっ放すが、ぶっちゃけこれが一番強い。
そして早速、燕さんを誘いに行く美晴。
「燕さん?今週の金曜開いてる?」も聞くと、「開いてるけど?」と首をかしげる仕草をする。勉強を教えていたという仲であるがために、普通の人なら何かを察するはずであり、怯える場面である。がそんなことがないのがこの燕という少女。
言うまで気づかない。
「勉強会をしましょう。」美晴が言う。
「あっえうっとあおずッズzzz」今の動作から睡眠というのはなかなか苦しいものがある。
美晴はそんな燕さんに「留年からのニートでろくに金を稼げず、家を追い出されて、ホームレスになり、人生負け組街道まっしぐらで野垂れ死んでもいいなら、まあ来なくていいのだけれど…」と脅す。
その脅しに燕さんは、困惑と罵詈雑言に似た何かを叫び続け、最後には行くと首をたてに振った。
美晴は、その見返りとして僕にモスバを奢れと言ってきたが、高いのでマックにしてもらった。