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これは、蜘蛛ですが、何か?の鬼くんの転生前、笹島京也の時のお話。本編を見てない方はそちらから。ちなみに、鬼くんは主要キャラですが、小説版の第8巻から出てきます。(小説家になろう、でも読めるよ!)
⚠ネタバレ注意
僕は曲がった事が嫌いだった。小学校で、いじめを止めること、不良を返り討ちにする事、理不尽な事をやめさせること、を暴力で正当化していた。それは中学に入ってもそう。だって、現に今、僕は不良を暴力でねじ伏せて居るのだから。
「ひっ!」
ガラの悪い不良仲間達が倒れていく様に恐れたのか、一人の不良先輩が情けない声が漏れる。
「お前、今の時代、暴力で何でも解決するなんて考え間違ってるぞ!」
先輩はヘタリと座り込み、後退りしながら、柄でもない事を言う。
「ふぅん、で?それって、君が言える立場でもないよね?」
まあ、僕も言えたことでは無いけど。
「お、お前どーせ、後ろ盾があるからこんな事が出来んだろ!で、でもな、俺たちは一人何だ!お前がただ一人でこんな事を出来ると思ってんのか!?」
後ろ盾、か。
「僕に後ろ盾がある?そんなもの無いよ。ただの元小さい工場を営んでただけの凡人がそんなの持ってるわけ無いでしょ。」
今度こそ先輩はキレたようで僕に拳を振るう。ほら、あんな事言っといて……
僕は振りかざされた拳を避け、当たるバズだった先輩の拳の変わりに僕の拳を振るう。
「ひっ…!?」
またもや、先輩は情けない声を漏らし、ぐったりとその場に倒れ込む。
「君もやっぱり嘘つきなんだね。」
「へー、彼、面白そうですね。見応えがありそうな子は大歓迎です。高校は同じ高校になる事にシステムを変更しちゃいましょう!えーと?これで揃いました。うふふ、高校生活は結構メンツが濃いですね。まあ、そっちの方が面白そうですが!」
思わず二度見してしまう様な美貌を持つ少女がゲーム機を持ち、ゲーム画面の戦闘中のハゲを動かす。
「あ、でも冥土さんに見つかりそうですね。」
一見有利に見えたハゲがボスが第三系態になった事で次第に押されていく。
「んー、それに、勇者と魔王の動きも活発ですし、もー、全てはポティマスのせいですね!……そういうのも面白いのですが。あ!そうですね、ポティマスが確か文身体をたっくさん量産していました!その真似をしましょう!」
ハゲがボスの背後をとり、ボスの体力を容赦なく奪っていく。
「うふふ、そうですね、面白そうなのが……蜘蛛なんてどうでしょう!よし、そうしましょう!ふふ、彼といい、蜘蛛さんといい、私って冴えてる上に神に好かれているようですね、私が神なんですけど。」
自称神が最後のボタンをカチッと押す。ボスはハゲによる、聖魔法でとうとう敗北した。ボスの種族は鬼。笹色の髪を後ろに一つに結んでおり、炎の絵が描かれている和服を身にまとい、綺麗なグラデーションのかかった2本の角を持つ鬼。そして、刀を二刀握っており、その刀と一緒に握られているのは栞。古いが大切に大切に握っている。いや、実際にはこんなキャラはゲームには存在しない。では、何故こと鬼が居るのだろうか?
「楽しみにしていますよ、笹島京也くん。いえ、小鬼さん。」
自称神はゲーム画面に映る鬼に微笑みかけながらゲームをシャットダウンした。