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最近、「変わったね、去年と比べて」と言われることが増えた。

その言葉が、褒め言葉ととっていいいかはわからない。

確かに、暴言を吐かないようにしたりしている。

むしろ、今までの私は酷かったと自分でも思う。

私はタブレット端末に、クラスメイト全員の悪口を書いていた。

『悪口を書いていたのは、なのはのストレス発散』

先生たちはみんなそう思っている。

でも、それは嘘。

真っ赤な嘘である。

私は、あの悪口によって居場所を作り出していた。


このことをもう一度考えたのは、ハブられて以来かも知れない。


私はあの頃、まわりにあわせてばかりいた。

すずやみさきに話しかけた以上、私のグループはそこできまりも同然。

合わせていなければ、ぼっち決定。

絶対嫌だ。

だから、私は本音を隠す。

隠してなきゃいけない。


だって


本当の私が受け入れられる保証なんてないのだから。


あの悪口について、母が呼び出され、私と母、校長、教頭、いじめ対策教師、教育委員会と校長室で話すことになった。


あの時、私は足が震えた。

強気で飛び出したものの、母がなんて言うのか分からなかったからだ。

みっともない姿を、母に晒したくなかった。

でも、

「何も知らない大人は、黙っていてください!!」

母はそう叫んだ。

泣きながら、でもはっきりとそう言い切った。


私は、母が泣いているところを、叫んでいるところを、久しぶりにみた。

たぶん、私うつ病にかかった以来だったと思う。

「あなたたちは、この子のことを何も知らない!

いじめにあっているのはこっちです!

シカトされて、苦しんで、泣いているのは、この子なんですよ!

知っていましたか?

…あなたたちなんかに、わからないほど、この子は苦しんでいるんですよ…?

それを、それを責めるあなたたちは、最低です!!」


なんで、知っているのだろう。

一人ぼっちになっちゃった、なんて、今まで、誰にも言ってないのに。

なんで、母はわかるんだろう。

なんで、知っているんだろう。

隠していたのに。

隠しきれていなかったんだろうか。


少し負けた気分で、でも私の嘘に気づいてくれた、という嬉しさが心の中で入り混じった。



悪口なんて、言われ慣れているのに。

なのに、すずとみさきに言われると心が切り刻まれる。

行き場をなくした空っぽになった私は、ただただ下を向いた。

でも、母はこんな私を守ってくれる。

ありがとう。

私の居場所であってくれて。

無価値の私と、大切にされてきた君の嘘だらけの物語

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