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やばい、最終話で泣く未来が見えてしまったかもしれない...
朝起きて、僕の視界には2人しか映ってないことに気付く。
一瞬焦ったが、昨日のことを思い出して安堵の息を吐くのと同時に、寂しさが込み上げる。
そうだ、昨日、特攻隊員は出発したんだった。
ただ、奇跡を願うしかない。生き残れるとは到底思えない。
「ん〜……あ、おはよう……。」
MENが起き上がって、伸びをした。MENも、2人いないことに気付き表情を暗くさせた。おんりーに関しては、目を覚ましてるだろうけど起き上がらない。
2人とも、寂しいんだと思う。どうにかしなくちゃ。
「2人とも、おはよう!今日はいい天気だよ〜!」
僕の中で、最大の元気を体で表現する。実際今日はいい天気だ。
それでも、2人は暗闇の底にいた。
「ほ、ほら!外出ようよ。」
出口の方へ行くが、それを腕を掴んで止められた。
「いいよ。行かなくて。」
僕を止めたのはMENだった。
「ドズルさんが、一番辛い思いしてんだから。」
「い、いや…‼ぼんさんとおらふくんと長かった2人の方が………‼」
2人の名前を声に出した途端、涙があふれてきた。
「逆だよ。少ない時間で仲良くなったドズルさんの方が、寂しさでいっぱいなハズだ。俺らは長くて、思い出がたくさんだから、2人なら大丈夫って思ってるし。」
僕をゆっくり座らせながら言うMENは、優しく微笑みかけてくれた。
MENの優しい言葉に、僕の涙は限界を迎えた。
MENとおんりーの姿が見えなくなるくらい、涙をボロボロと零した。
しばらくしたら、僕の涙は引いてきた。
「あいつらは2人だから大丈夫だよ。俺らは3人だし、もっと大丈夫だろ?」
MENは、出口にチラッと見える晴れきった空を見つめた。
「……この言葉、ぼんさんが言ってたんだ。」
MENが、思い出話を始める。ぼんさんは一番仲が良かったが、ぼんさんの事はあまり知らない。
「ぼんさんは、家族を4人を失ってるらしい。でも、ぼんさんは「物心ついた頃には一人だったから、なんとも思わない。関係ない。」って。」
ぼんさん、家族を4人も……。別れ際に言った「俺の家族はお前たち4人だけだし。」は、僕たちのこと重ねてたのかな……。
「最初は、強がってるだけだと思ってた。でも、そうじゃなかったんだ。」
MENは、自分の手を見つめながら、握ったり開いたりを繰り返している。
「「俺はMENと一緒だから大丈夫。俺の家族は俺たちより2倍大丈夫。だから、俺には関係ない。」って言ってたんだ。強がってるんじゃなくて、信頼してたんだ。その時のぼんさん、めっちゃ格好良かった。」
僕には想像できないぼんさんの姿だった。ぼんさんは、他人想いなのはこの短期間でよく伝わってきていた。
その時からぼんさんは凄い人なんだ……。知らなかった。
ぼんさんの事を知れて、僕は少し嬉しかった。
さっきまでずっと寝っ転がっていたおんりーが、やっと起き上がった。
おんりーは、複雑な表情をしていて、何を考えているのか全く分からない。
おんりーはそのまま、外へ出ていった。いつもの気まぐれだろう。
でも、おんりーを1人にはできないから、僕とMENはおんりーに着いていく。
おんりーは、風に吹かれながら
「俺なんかを家族って言ってくれてありがとう、ぼんさん。」
と呟いた。