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二週間後、快晴。

准と成哉は二時間のフライトを終え、目的の空港に降り立った。近くで予約していたレンタカーを借り、涼の運転で走り出す。


「准さん。不動産屋と約束してる午後まで時間あるから、俺の知ってるところに案内しますよ」

「おぉ、マジで? そりゃ楽しみだな」

「ふふ、楽しみにしててください! 俺も超久しぶりだから道覚えてるかどうか不安だけど!」

「不安だ……」


相変わらずのペースで、とりあえず道のりは彼に任せた。それにしても暑い。冬だというのに、車内は熱気が篭っているようだ。

「暑いな」

「確かに。冷房入れます?」

「んー……」

前が赤信号の為、成哉はブレーキを踏んだ。その一瞬の隙に、身を乗り出して彼の頬にキスする。

「じ、准さんっ!」

「うん?」

「また、暑くなりましたよ……」

「そうだな」

准の淡白な返答に成哉はため息をつく。そして「前ぐらいシャイでも良かったのに」等と文句を言った。

散々振り回された彼を、今は自分が振り回している。大人げないけど楽しい。

准は笑いを堪えながら、青く澄み渡った空を見上げた。


時間の許す限り、二人で色々回った。活気のある街中も回ったし、彼がおすすめする観光地にも足を運んだ。


やがて不動産屋と約束していた時間になり、希望条件に沿った物件をいくつか回った。決めたのは、最後に回ったマンションの一室。

内見時にその部屋から見えた景色が、成哉は大層気に入ったようだ。職場から近く、買い物も不自由ない。些か即決な気はしたものの、准も賛同して入居の申し込みをしてきた。

その他の手続きを終え、二人は街を一望できる高台に登った。気づけば、もう日は傾き始めている。

「風が気持ちいいなー!」


准は大きく背伸びをし、遠くの景色を見据えた。オレンジ色に染まる景色が、忘れかけてた休息を思い出させる。

今日はこれからホテルに向かって一泊し、明日また東京に戻る予定だ。

「たまにはこういう、何もしない時間もいいよな」

「骨休めは大事ですね。まぁ俺は休むことも仕事だと思ってるんで、そんなに有り難みは感じないんですけど!」

「お前はほんとダメな大人だよ」

「ありがとうございます。ところで准さん、ご両親にはいつか話すんですか? ……俺達のこと」

成哉は踵を鳴らし、隣に佇む准の顔を覗いた。


「あぁ。でももしかしたら、俺が話すより先に……あいつが話すかもしれないな」



ファナティック・フレンド

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