「あなたしっかり…。」
ピーと胸を締め付けれるような音が鳴った。
「ご臨終です。」医者が曇った顔で言った。
「あなたー!」未子は叫び泣き崩れた。
「奥様旦那様の亡骸は霊安室に運びますから。」看護師が
優しい声で伝えた。
「わかりました。」フラフラと
病院を出た後バーがあったので入った。
「マスターカクテル。」
「かしこまりました。」
バーテンダーは早速シェイカーでカクテルを作り出した。
「何か悲しことでもあったんですか?」
爽やかな男性が横に座って来た。
「主人を亡くして…。」
「それは悲しいですね…。」
バーテンダーがしんみりとした顔で「お待たせしました。」と
カクテルを置いた。
「飲んで前向きにいきましょう。」
「ありがとう乾杯。」
「乾杯。」未子は酔いが回ったのか「あなた何処にお勤め?」と聞いた。
「僕はITに勤務しています。」
「凄ーい♡私はただの専業主婦よ。」男性は微笑み「旦那さんを献身的支えたんですね。」と言った。
「ええ夫は優しかったわまさか病死するなんて…。」
「生死は紙一重ですよ僕は裕也お姉さんは?」
未子はふふっと笑い
「もう39のおばさんよ私は未子よ。」祐介は首を横に振り
「いいえまだ若いですよ。」
「ありがとう私葬儀屋に行かないとじゃぁね。」
金を置いて出て行こうとすると
腕を掴まれ「もうしばらく話しませんか?」祐介に熱望された。
「ごめんさいもう行かないと。」レシートに電話番号を書いてバーを出て急いで葬式会場に向かった。
「あの主人が亡くなったので…。」
「お座り下さい。」
社員が促され座った。
「主人は今夜病死しました生前すみれ畑に行ってすっかり気に入って。」
「素敵な思い出ですね遺影に使う写真はありますか?」スマホを取り出しすみれ畑で撮った写真を見せた。
「これがご主人様ですね。」
「ええ私より少し上で。」
未子は嬉しそうに笑った。
「ではこの写真で宜しいですね。」
「はい。」葬儀会場を出ると
祐介が立っていた。
「さっきよりも顔色良くなりましたね。」
「あなたのゆう通り前に向くわ。」
翌日葬儀が行われた。
「未子ちゃん気を落とさないでね。」
「お義母さんありがとうございます。」
未子は深々と義母に頭を下げた。
「幸太郎はあなたと結婚して幸せだったと思うわ。」
「あなた、あの世でも元気で。」
葬儀が終わり煙草を吸いに行くと祐介がこっちに近寄ってきた。
「葬儀帰りですか?」
「ええまぁ。」
「煙草お好きなんですね。」
煙草に火をつけて微笑みんだ。
「主人の形見よ。」
「今夜…僕の家来てください。」未子は祐介の言葉に煙草を落としそうになった。
「やだわ祐介君たら。」
「本気ですご主人の事忘れて。」一瞬戸惑ったが少し嬉しかった。
夜になり祐介の自宅に向かった。
「こんばんは。」
「未子さん上がって。」
靴を揃えて上がった瞬間祐介が未子を抱き寄せた。
「祐介君…私主人を忘れたい。」
「未子さんこちらに。」
祐介が寝室に誘導しベッドに押し倒した。
「忘れさせてあげますよ。」
「祐介君優しくしてね。」
ゆっくりシャツのボタンを外して床に落とした。
「勿論。」
「祐介…君…はぁ…♡」未子の首筋を舐めまわした。
未子は息を荒あげて気持ち良さそうに笑った。
「チュパチュパ。」
「ん…♡」
朝日が登り目を覚ました。
「いけない私帰らないと。」
「そんなまだ居てよ。」
服を着て家を出た。
「未子ちゃんおはよう髪乱れてるけど…。」
「お義母さん違うんですこれは…。」
慌てて言い訳を作ろうとしたが
言葉が出てこない。
「幸太郎が亡くなって寂しいから他の男の所へ行ったんだね。」
「…。」義母は肩をぽんと叩いて
「いつも幸太郎の事気にかけてたから良い気晴らしになったわね。」
「お義母さん…。」祐介は未子を追いかけてきた。
「未子さん、僕と住みませんか?」
「あなたいきなり何よ。」義母は未子を庇った。
「未子さんのお義母さんですか僕は本気なんです。」
「祐介君急にそんな事言わないで私はやっぱり主人を忘れられないの。」祐介はショックを受けたが「わかりました…。」
と呟いてとぼとぼと歩いた。
「未子ちゃん幸太郎の事がまだ好きなのねほっとしたわ。」
「主人になんてことをしたのかしら…。」未子は涙を流した。
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