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キーンコーンカーンコーン…。
「次の授業は化学か…。」
俺、一堂 玖遠 はいつも通り高校の授業を受けている。
今は、化学の授業中であり、水溶液などの実験を行っている。
俺らはノートに結果をメモしていた。
だが…、
「うわっ…!」
ガシャーン!!!
俺のグループの一人が床にフラスコを落とし、床にガラスが散乱した。
普通なら片付けて終わりだ。
でも俺は…、
「ゲホッ…!ゲホゲホッ!ヴッ…。」
「おい!一堂、大丈夫か!?」
そう、俺はPTSD 心的外傷後ストレス障害を患っている。
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その後、俺は保健室で少し休んだあと、学校を早退した。
「今日に限ってどうして…。」
ザァーー…。
帰る途中にカラカラに乾いていたアスファルトの道路を打ちつけるかのように激しい雨が降ってきた。
「やべッ、早く帰んねぇと。」
そう思い走り出そうとした瞬間、右脚に強烈な痛みが走った。
「痛っ…!?」
流石にこの脚で雨の中帰るのは大変であるため、俺は近くのカフェで雨宿りをすることにした。
「にしても、また思い出したじゃん。」
___それは7年ほど前
「お前のせいでッ!!!ボコッドカッ(殴)」
「痛いッ…!ごめんなさい…。」
俺は幼少期、虐待をされていた。
ある日…、
「お前なんかいなければッ!」
俺の親は、俺の顔めがけてガラスの破片を振り下ろしてきた。
顔は間一髪避けることができたが、それが俺の右脚に直撃した。
「いだい…よ、ポロポロ…。」
殺されると思った…、だけど近隣の人が通報してくれたらしく、助かった。
それから、俺はガラスの破片などを見ると、パニック発作を起こすようになり、刺された右脚も時々痛むようになった。
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気が付くと俺は泣いていた。
「あれ?なんで泣いて…。ってもう晴れてる。」
さっきの雨は通り雨だったらしく、虹も出ていた。
「早く帰んなきゃ。」
そう思い、立とうとしたとき…、
「あんた、なんでさっきあんなに泣いてたんだ?」
そこには中学生くらいの男の子が立っていた。
「えッ…、あー、昔のことを少し思い出しただけで…。」
「ふーん。そうなんだ。」
そういい、男の子はその場を去っていった・
「なんだったんだろう?」
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、、
その後俺は脚を引きずりながらも施設に帰ることができた。
「あー、もう今日は散々だった。早く寝よ〜…。」
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___次の日
今日も学校に行く。
今はすごく憂鬱な気分だ。
「昨日みたいにならないといいな…。」
のそのそと重い足取りで歩いていたら、昨日のカフェで会った男の子が歩いていた。
「あっ…、昨日の男の子だよね?」
「えッ…!?」
急に話しかけられてびっくりしたのか、おどろいた顔をしていた。
「…、あの、今日の放課後、あそこの公園に来てほしい、ただそれだけ。じゃあ。」
「はッ?ちょッ待てって。」
呼び止めようとはしたが、またそそくさと行ってしまった。
「本当になんなんだ?まぁ、今日の放課後行ってみる価値はありそうだな。」
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幸いにも今日はパニックを起こさずに済んだ。
今から、今朝言われた公園に行く予定だ。
「ここだよな…。」
「ちゃんと来たんだな。」
背後から男の子の声が聞こえた。
「で?なんで呼んだの?名前も聞けてないし…。」
「俺の名前は 凪 はるか。あんたは?」
「一堂 玖遠。」
最初からこんなに堂々としているはるか君に俺は少し衝撃を受けた。
「玖遠。ひとつ確認だけど…、」
なんの話をされるのかと思っていたが…、
まさか…
「PTSDだよな。」
「は?」
こんな質問をされるとは思ってもいなかった。