テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
私は今、海へ宝物を探しにやって来た。
ラジオを聞いていたところ、ここら辺の海域でヴァイリン・アンカーという大型魚船が沈んだらしい。
事故原因は死海に巻き込まれたこと。
こうなると、誰も行きたがらないだろうな。
宝物の内容は、祈世黙字、エク星のカケラ、
飛龍の1000年酒、古代の聖書。
目的はもちろん祈世黙字。
まぁ他のものも見つけたら、できるだけ持って行く予定だ。
そして、どうやって死海に行くのかというと、この辺の海に生息する、透明な寄生生物「サンショウカン」を使う。
これの体内に入ると、自分の栄養と引替えに、自分の体のように動かせるのだ。
ただ、私の場合死なせてしまうので、死体を使う。
私はサンショウカンの死体をさがし、無理やり口の中に入り、海の中に足を踏み込んだ。
海中は冷たく薄暗かった。
しばらく泳いでいると、何かの骨が大量に沈んでいた。
そして何かが沈むような気配と、何かが泳いだ気配があった。
見上げると、ヴァイリン・アンカーであろう船が沈んでいるところだった。
私は迷わず、壊れた場所から船に入った。
船内は意外にも綺麗なままで、宝物は全てケースに入ったままだった。
私は全て回収し、船を脱出した。
時々ノイズのような音が聞こえたが、それと出会うことは無く、無事地上へ出た。
宝物を波の届かない場所に置き、サンショウカンの墓を作った。
舵凪
バランスの舵を取る✖︎’〇·´。
生死を作りだし、時に刈り取り、時に返し。
可視化されることを恐れ、網を貼り、白視蛛に危微の幕を張り巡らせた。
私は祈世黙字を書き写し、祈世黙字探しの旅を続けた。
白雪.。o○
143
#生きてるだけで花丸満点❕
💮ㄘゃᖾ
2,417
ruruha
748
コメント
1件
うわあ、すごく幻想的で不気味な雰囲気のエピソードでしたね……! 死体になったサンショウカンの体内に入って海中を進む発想が独特で、ひやっとしました。沈没船の中が綺麗なまま宝物が残っている描写も、逆に不自然さが滲んでいて好きです。最後の「舵凪」の文章も詩的で、何か大きな世界観を感じさせる終わり方でした。散歩さんの紡ぐ世界にもっと浸りたくなりました🌊