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「!」
「誰か、来ましたね。」
「・・・・みたいだね。」
花に返事をしつつ、モモに緊張が走る。
何故なら玄関のチャイムの音がいつもと違っていたからだ。
綾瀬家には二種類のチャイムがあり、
一つ目は”人間用”
そして二つ目は”悪霊用”
今鳴ったチャイムは二つ目の方だ。
「ちょっと出てくる。」
「お一人で大丈夫ですか?」
心配する花にモモはニッと笑いながらVサインをしてみせた。
「大丈夫!いざって時はウチには超能力があるから。」
「分かりました。・・・お気をつけて。」
「ん、行ってくる。」
花に見送られながらモモは玄関へと向かった。
キンコーン。
キンコーン。
二回連続でチャイムの音が鳴り響く。
モモは玄関まで来るとすぐには出ず、ジッと玄関の扉を見つめた。
扉の向こうには人影らしきものがあった。
モモはそっと扉の前まで行き、鍵を開け扉の取っ手に手をかけた。
(大丈夫、大丈夫。)
自身にそう言い聞かせながら、モモは玄関の扉を思いきり開けた。
ガラッ!
扉を開けたその先にいたのは、
「あっ、モモさん。こんばんはッス!」
花の恋人である、男性型人体模型・太郎だった。