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「と言うかさ、何で愛と此奴が一緒に来てたんだ?」
移動中、ふと疑問に思っていたことを口にする。此奴、、、アメリカを指差しながら。
「此奴は偶々、先斗町に居たからちょうど良いと思ってな。私は勘だ。自分の仲間達に何か大きな変化が起きそうな気がしてな。勿論、言い方の、な」
愛は又、アメリカを指差しながら、何時も見せてくるあの頼もしい笑顔を向けて話してくれた。
「愛華サン?ちょうど良いって何?」
一時期は俺の脅威であったアメリカが少し低姿勢で愛に尋ねている。
「何かあれば盾にできるかと、、、」
ゑ?もしかして、愛、本音と建前が逆になってんじゃ、、、?そう思い、愛の顔をのぞくようにチラ見する。
「間違えた。お前がそのまま放置していれば五月蝿そうだったからだ」
おもっきし、「間違えた」って真顔で言ってる。本気で本音と建前が逆になってたじゃん。
「何の盾にするんだよ!?」
アメリカは驚きのあまり大きな声を出した。
「黙れ。矢張り貴様は五月蝿いし、直ぐ祖国様にちょっかい掛けるし、チャラいし、顔面がうるさいから嫌いだ」
愛の本音がダラダラと漏れてきた。普段は俺と自分の妹達にしか見せない悪口のマシンガンが今日、アメリカのうるささで出てきてしまった。
「初めの二つはごめん。でもさ!残りの二つは悪くなくない?!そうじゃなきゃ俺じゃ無いだろ!」
アメリカは抗議を続けてる様だ。愛に変な事で反抗すると怖いぞ〜。
「だ・ま・れ」
いつの間にか腰に挿している刀を鞘ごと取り出してアメリカの首もとに付けていた。伊華にはきっと刺激が強いだろうから俺が目を塞いどいた。
「Oh,sorry sorry」
アメリカは両手を上に挙げ降参のポーズをとった。
「それでいい」
そう言って愛は刀を元の位置に戻した。正直俺もちょっと冷や汗をかいた。そっと伊華の目を塞いでいた手を退けた。
「やっぱり最恐で最強なんね」
ボソッと王華が愛の事をそう言ったのは内緒にしといてやろう。
そんなこんなで俺達は愛の所有している道場に着いた。
道場には真ん中に五つ、座布団が置いてあった。愛に言われるがまま、その座布団に座ると、鈴華、俺が愛称で読んでる鈴でこの後は話すが。鈴が道場に入ってきた。
「はい、姉さん。言われたとうりお茶持ってきたよ。ついでに座布団も置いといた」
相変わらず桃色の狐面と黒のワンピースというミスマッチな服装のくせに、美しいまでに着こなしていた鈴が愛に話し掛ける。
「凄いな。ちょうど良いタイミングだ」
感心した様に愛が言うと、鈴がドヤ顔で口を開いた。
「何いってんの姉さん。何万年、姉さんの妹やってると思ってんのよ」
何万って単位が出てきたぞ。確かに、この二人は双子の姉妹で、愛の方が数時間速く生まれて、その生まれた時が、日本列島の完成と同時だとか、聞いたことがあったけど、さ。
「確かにそうだな」
愛はクスクス笑いながらそう答えた。
「独も、王華ちゃんも、伊華ちゃんもゆっくりしてってね。あ、アメカスさんも」
鈴は穏やかにそう言った。ん?まて、まて、まて、まて、ちゃっかり「アメカス」って言ってるぞ、此奴。姉妹は似るんだな。
「あ、間違えた。アメリカさんも、ね」
あれは絶対間違えた、なんてもんじゃない。わざとだろ。そんな視線を鈴に向けると、鈴はこっそりと「シー」ってやってきた。やっぱり、わざとだった。
そんな鈴はこの後自身の主、にゃぽんと同人誌制作の続きがあるらしく、ここで退場した。
鈴達のお陰でさっきまで張り詰めていた空気が少し軽くなった気がする。