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「うんしょ、うんしょ。」
私、マルベロスは孤児院の皆の洗濯物を運んでた。
重い…けど私はつよつよ狼だから、こんなのへっちゃらだもん!
「ふー…疲れたあ」
洗濯物を庭に運んで、私は庭に寝転がる。
お日様ぽかぽかであったかいなあ…
………はっ!こうしてる場合じゃない!お勉強しないと!
私は起き上がって、図書室に向かう。
うーん…難しい
せんそう…なくならないのかなあ
なんで仲良くしないんだろ…
「………あれ?おじさんだあれ?」
私から少し離れたところで、おじさんが私のことを見てた。
「おじさっ…!?お、お兄さんね?そもそも16歳だし…」
なんかショック受けてる?
「ここで何してるの?」
「お兄さんはね、孤児院をちょっと見学に来たんだ。」
「けんがく…?」
「えっと…どんな場所かを見る…みたいな?」
うーん…わからない…
「………何の本読んでるの?」
「えっとね、せんそう?の本!」
「………君は、この世界をどう思う?」
この世界を…?うーん…
「えっとね、皆仲良くしてほしい!せんそうがなくなって、平和な世界になってほしいな!」
私がそう言うと、おじさ、お兄さんは微笑んだ。
「………そっか、じゃあお兄さんはもう行くね。」
「もう行っちゃうの?」
「うん、君が望むような世界になればいいね。」
「うん!」
孤児院…俺が小さい頃いた国にはそんなのなかったな
孤児院の前で立ち止まって、そんなことを思う。
院長さんに聞くと、見学していいそうなので俺は中を見て回ってた。
………あの子…この前
図書室に入って、椅子に座ってあの子の様子を見る。
するとあの子は俺のことに気付いたのか、俺に話しかけてきた。
「………あれ?おじさんだあれ?」
「おじさっ…!?お、お兄さんね?そもそも16歳だし…」
嘘だろ…俺そんな老けて見える?
ショックを受けつつ、その子の話を聞く。
戦争…そんな難しいことこんな小さな子どもが理解できてるのか?
「………君は、この世界をどう思う?」
俺はつい、そんなことを聞いてしまった。あまりにも難しいことだ。
「えっとね、皆仲良くしてほしい!せんそうがなくなって、平和な世界になってほしいな!」
…あまりにも子どもらしい考えだと、そもそも聞いたのは俺なのにそう思ってしまった。
けど、俺が望んでるのもそんな世界なのかもしれない。
俺は少女に別れを告げ、孤児院を出る。
………もしかしたら、あの子がこの腐りきった世界をなんとかしてくれるかもしれない。
…なんてね