テラーノベル
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竜馬は一晩中ジャスティンの部屋で彼を待った、格子戸の窓を全開に開けていると、そこからジャスティンのコンバーチブルのライトが遠くから見えるからだ
ジャスティンは家の鍵をかける人間ではなく、空き巣に入られ放題じゃないかと竜馬が言うと、何も盗むものが無いから構わないと笑った
しかし今夜は待てど暮らせどジャスティンは帰ってこず、とうとう朝になってしまい、竜馬が学校に行かなければいけない時間になって、諦めかけた時に、ジャスティンのコンバーチブルが、轟音を立てて家の前に停車した
「ジャスティンッ!!」
ドアが開くなり竜馬がジャスティンに駆け寄った、彼はフラフラの足取りでブーツを脱いで壁に放った
「ジャスティン!ジャスティン!大丈夫?僕!僕!」
すかさず竜馬がフラフラのジャスティンを支える、ジャスティンはだけたシャツからは、首筋や胸元にあちこちキスマークがついていた、そうとうルビーに吸われたようだ・・・竜馬はこれがもし自分だったらと思うとゾッとした
「くっそ!あの女はバキュームだ!ポンプだ!」
竜馬はそう言ってフラフラのジャスティンを、ベッドに連れて行く
「ジャスティン、ジャスティン!僕どうしよう?ルビーさんの時計を持って帰って来てしまったんだ!返しにいくの嫌だよねね?ね?どうしよう!」
ジャステインがシワシワのディーラーのシャツを脱いで、ボスッとベッドにうつ伏せで倒れ込んだ、背中にまでキスマークがある
「ああ・・・それは返さなくいいよ、レディルビーがお前にやるってさ、最後は上機嫌だったからな」
「ええ??もらえないよ!!」
「それ5万ドルするぞ、引っ越し費用ができたじゃないか」
ジャスティンが眠たげにあくびをしながら目を閉じた
「ああ~・・・太陽が黄色く見える・・・タマがカラッカラだ!あの女、最後の一滴まで吸い取りやがった・・・どこがレディだ」
ジャスティンは
「もう一滴もでねぇ・・・」
とかなんとかブツブツ言いながら大いびきをかいて眠りについた、隣で寝ているジャスティンを見ながら、竜馬は申し訳ない気持ちと、感謝の気持ちが、ごちゃ混ぜになった
こうして竜馬は、ジャスティンがルビーに良い仕事をしたおかげで、5万ドルを手に入れた
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そして目標の一人暮らしの軍資金が貯まったある日
二人は街の外れの郊外の射撃場「グレードガンシューティング」に来ていた
二人は防弾ガラスを挟んで、二人でシューティング位置に並んでいた、透明ゴーグルとヘッドフォンをして、フラミンゴの的に向かって真っすぐ銃を構えている竜馬を、ジャスティンは感心して見ていた
平和主義の竜馬は、自分は銃については無知だし、不向きだと言っていたが、やらせてみれば、なかなかの射撃手と判明したからだ
銃弾を受けすぎて、標的のフラミンゴがボコボコの穴だらけになると、それを貰い、射撃場の入り口に飾った、その射撃場に来る客の、射撃の腕前を見せつけるのが目的らしい
ジャスティンは竜馬を通して、日本という国を感じていた・・・竜馬を見ていて彼はあまりにも身を守る術がないのに、この無防備さを不思議と感じていた・・・竜馬は人を警戒するということを知らず、まるで生まれたての赤ん坊だった
何が恐ろしくて、何が良いのかを、まったく分かっていなし、保護してくれる大人もいない、カルロスは論外だ、そして18歳になるまで、こんなに無防備で生きてこれた日本という国は、お人よしのバカばかりが住んでいるに違いないとも感じていた
シカゴの男なら、みんな小学生の時から銃には慣れ親しんでいるし、決して一人では街をウロウロしないし、付き合う相手は選ぶ、ジャスティンは19歳で、すでにそのへんの大人よりもずっと世間を知っていた
父親がいなかったから、一家の主として責任を負うことを学び、母や妹を養ってきた、ジャスティンは家族や自分が生き残れるために懸命に働いてきたし、人に言えない汚い事もやって来た、一方で親が亡くなるまで甘やかされ大事に育てられてきた竜馬は、ジャスティンから見たら危なっかしくてしかたがなかった
せめて地元の小学生と対等にやりあえるようにと、射撃場に連れてきたが、意外な好結果に喜んでいた
「こっちが鳥打ち銃で、こっちがピストルだ、どっちも口径が違って、それぞれに威力が違う、お前は少し体も華奢だからこれがいいんじゃないか?」
そう言ってジャスティンは、竜馬にベレッタ22口径を渡し、自分はワルサーのP35口径を使っていた、大きな白いヘッドホンを斜めにして聞こえるようにして竜馬が言った
「今までどんな銃を使ったことがあるの?」
「ライフルも使ったことがあるよ、とにかく火花が散るものはなんでもかな、ダイナマイトとかもな」
竜馬がゴーグルを外し、おしぼりウォーマーから二つ温かいおしぼりを取って、一つはジャスティンに渡し、もう一つで顔を拭き、火薬の染みを取り去った
「他にどんなことを覚えておくべき?この土地で生きていくためには?」
「そうだな~・・・」
そう言って立ち上がったジャスティンの優雅な体つきに、竜馬は視線を走らせた
「女だな!」
竜馬が驚きの目で見つめた
「女?」
ほほ笑みながら彼は言ったが、どうやらからかってるのではなさそうだった
「今週末、ウェンライト三姉妹のパーティーに行こうぜ、末っ子のミリーがお前に熱をあげてるんだ、ずっとお前を紹介してほしいって言われている、お前ミリーとしゃべったことある?」
「ううん・・・」
竜馬の頬が赤くなった・・・話したことはなかったが、ミリーなら知っていた、ミリーは隣のクラスの女の子で、ウェンライト三姉妹は学校でも美人で金持ちと有名で、知らない生徒はいなかった
中でも末っ子のミリーは、姉二人が迫力美人なら、ミリーは可愛いらしい感じの女の子だった、そして何より廊下ですれ違う時に、彼女は必ず竜馬に可愛く挨拶してくれる
最初は偶然だと思っていた、次に何度も良く目が合う子だなと思っていたら当然だった・・・竜馬が視線を感じて振り向くと、必ず彼女が竜馬を見ているのだから・・・そして最近では彼女と目が合うたび、竜馬の心はポップコーンのように弾けるのだった・・・
彼女に好かれているとに思うとドキドキし・・・頬が赤くなった・・・ジャスティンがにやりと笑った
「なんだよ、お前もまんざらでもないんだな?安心しろ、ミリーの姉ちゃん二人とはヤッたけど、ミリーは手を出していないぜ、俺にはちょっと子供っぽすぎるからな」
竜馬は呆れてモノが言えなかったが、きっとミリーのお姉ちゃん達が誘ってきたのだろうと容易に想像がついた
女の子達がジャスティンを見る目つきは尋常じゃない、誰もがジャスティンとベッドを共にしたがっているのはさすがのウブな竜馬も気が付いていた
チャンスがあれば彼は絶対逃がさず、竜馬には言わないが遊びまくっていた、身体を重ねた女性は、若いのも、年増も、夫を持つ妻も、独身も含め、数知れず、ただジャスティンがその中の誰ともつきあわなかっただけだった
「もう一回撃てよ、今度はもっと顎引いて!!」
ジャステインが促すままに、竜馬が射的位置に佇む
「違う、違う・・・なるべく目の位置と同じ高さに持ってくるんだ、そうすると、命中率が上がる」
今度はジャスティンが竜馬を後ろから包み込むように立った、竜馬はジャスティンにもたれ、背中と胸がぴったり合わさった・・・彼の熱い身体の熱と鼓動を背中に感じた
「そのまま・・・」
ジャスティンは銃を持って構えている竜馬の手を自分の両手で包み込み・・・目とギリギリの位置の高さを整えた
「銃が弾け飛ばないように・・・腕に力を入れろ、足を踏ん張れ」
ジャスティンの鼓動と竜馬の呼吸が耳の奥でシンクロする・・・
「よく狙って・・・息を止めろ、目を閉じるな」
引き金が緊張で指の汗で滑る、時折り肩が上がるので、ジャスティンに押さえられる
白のヘッドフォンをしているので、ジャスティンの声が水の下のようにくぐもって聞こえる、竜馬は緊張からくるめまいをこらえ、ぐっと目の焦点を的に絞った
「撃て!」
―ズガーンッ―
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その日・・・竜馬が百発百中になるまでジャスティンの指導は続いた
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#莉犬くん
みく
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#異世界転移
花月夜れん
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コメント
1件
うわあ、今回もすごくいいシーンだったなあ。ジャスティンがルビーから帰ってきた時の憔悴ぶりと、それでも竜馬のために必死にやってきた感じが伝わってきて、胸がぎゅっとなった。射撃場での指導シーンも、後ろから包み込むように教える距離感がもう…ドキドキする。ジャスティンにとって竜馬がどれだけ特別な存在かひしひしと伝わってくるよ。次が気になるー!