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炎の勇者  ハジマリのSTART

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炎の勇者 ハジマリのSTART

12 - 夢 日本ダービー

♥

23

2023年04月22日

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日本ダービー

それは…ウマ娘の中で夢のレース。

スペシャルウィークやアドマイヤベガ、エイシンフラッシュなどが制したレースでもある。


そして、1人の勇者が、夢のレースに挑む



カフェテリア


「ダービーまで順調に仕上がってるから、その意気で挑むんだよ!」

「分かりました!」


ダービーまでいよいよ明日、練習もハードになってきた。

カフェテリアで昼食中の2人は、ダービーの作戦について話し合っていた。


「とても賑やかだな、自慢の後輩がダービーに出走するんだな!」

「「ルドルフ会長?!」」

「隣、座っていいだろうか?」

「もちろんです!」


「メジロが三冠の道に挑むとはな、ラモーヌ以来だ」

「私も驚きましたよ、私に憧れて三冠目指すって、テイオーみたいですよ!」

「あの娘とは性格一緒ではないので、俺はメジロらしく栄冠を手にするのがやり方なので」


「あぁ!ローマとフレイムず〜る〜い〜!!」


(出た…いかれチームのテイオー)


「テイオー、またついてきたの?!」

「ついてきたのも何も、同級生がカイチョーと一緒じゃんかー!!」

「…色々面倒だな」

「…テイオーはダービーも制しているから、作戦とか聞いてみたらどうだ?」

「本当に大丈夫でしょうか…?」

「な〜に〜さ〜!ボクが実力低そうなことみたいじゃんか〜!」

「そんな事言ってねぇだろ!!」


多少な面、少し子供みたいなところがあることを知ったフレイム。




「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」


皐月賞の後、1ヶ月後にはダービー、ハードスケジュールだが、フレイムの心は変わらない。三冠という偉業を成し遂げるために。


「体のバランスが良くなってる!!」

「腕の振り回し、良くなってる」


スパァァァァァン!!


「凄い…入ってから1年経つけど、私達と同じレベルまで来てる…!」

「もうプロですわ!」


同じチームのウマ娘達もフレイムの躍進に驚いていた。

デビュー前の模擬レースで8馬身差でゴールインした後も、強さは上がっている。


「けど、私とは1度も対戦してないのに、もうエースなんて言わせないわ!」

「エウレカ先輩!」


エウレカマイ

チームスクーデリアが発足した当時、GIを6勝したチームのエース。今もトゥインクルシリーズに参戦している。


「はぁ…はぁ…はぁ…」

「お疲れ様!腕の振り回し良くなっているよ!」

「ありがとうございます。振り回しを改善したら、バランスがわかるようになってきました!」

「ダービー制覇したら、君もチームのエースに…」

「ちょっと待ちなさいよ!!」

「エウレカ?!」

「チームエースは私よ!わ・た・し!!」

「落ち着いて!」

「まだ1回しか勝っていないので、まだエースとは言えないですよ」

「確かにな、エウレカは6勝してるが、フレイムは未熟な所があるから」


チームエースは、実力や信頼の経験を多く積み、それを後輩達に継承する役目でもある。


「もしかして、エースの座を降りたくないから?」

「当然よ!チームエースは皆を引っ張って行かないと行けないからね!」


(チームエース…か)



栗東寮


「さぁスクーデリアローマが大外から行く!!」


フレイムは、ローマの日本ダービーを見ていた。


「ローマのダービー見ているの?」

「…そうだけど」

「ローマって本当にカッコイイよね!ちょっとヤキモチ妬くけど、ボクの夢を叶えてくれる跳ね馬なんだよねぇ!」

「…夢」

「ねぇフレイム、マックイーンのこと好きなの??」

「ち…ち、違う!マックは俺を育てた姉的存在なんだよ!君趣味悪すぎるだろ!」

「ははは、慌てる姿可愛すぎぃ〜!」

「そこは関係ねぇだろうが!!」


テイオーは子供みたいだからそこは分かってくれフレイム…



翌日


「おはようフレイム!」

「ミラクル、おはよう!」

「聞いたよ、明日ダービー出るんだって」

「あぁ!油断は出来ねぇから頑張るぜ!」

「応援してるよ!話変わるけど、フレイムコスプレやってるの?」

「誰から聞いたの?」

「ヘリオスから聞いたよ、”フレイムのコスプレマジキャバイ!”って」

「ヘリオス口軽すぎだろ…」

「それを夕方見て癒されてるんだ!」

「癒されてる?」

「うん、クリスマスの時のウマッター、キタサン達との撮影もあったから、それみて素敵だなって思って」

「…それなら、ミラクルも撮影する?コスプレ」

「え?」

「次の撮影場所ちょっと遠いところだけど、ロックハート城で撮影するの」

「ロックハート城、なんか素敵な所だね。これっておれも参加してもいいの?」

「もちろん!」


後ろからやってきたミラクル。昔の友達とは違うけど、親しい存在だ。



チームスクーデリア トレーナー室


「ローマさん、今日もダービーの練習を…?」


「筆者は主人公の気持ちをどう思っているのかを聞いているよね?」

「うぅ〜…分からない…」


ローマは勉強を教えていた。相手はあの時のユリノだった。

ユリノもローマと同じ無敗の三冠ウマ娘。だけど…


「ローマさん?」

「あ!ごめんフレイム、ユリノ先輩がテスト散々だったから教えてあげてるんだ!」

「昨日返された中間テストですか?ちょっと見ていいか?」


テストの点数は…


「嘘だろ?!国語24点、英語は0点?!苦手なのか?」

「…そこまで英才教育してないから」


三冠取ったとは思えないほど酷かった…


「自主トレしてますね、ユリノも赤点取らないようにな!」

「なんかイラつく…」


フレイムの後輩なんか好きじゃないな…


「ユリノ先輩、続きやるよ!後ではちみー飲も!」

「本当に?やったぁ!」

「ただし、直しが終わってからね!」

「…キビシイヨ」




「同じ無敗の三冠ウマ娘が勉強を教えるとはな…」


ユリノテイオーの事を知ってから少しだが気になっていた。

多少ヤキモチを焼いている。


「あれ?フレイムさん!」

「キタサン!それと…」

「天才魔法少女、スイープトウショウよ!!」

「…は?」


天才魔法少女?自画自賛なのか?


「”は?”じゃないわよ!」

「天才魔法少女、オカルトだろ」

「オカルトじゃないわよ!」

「フレイムさん、その辺にしてくれるかな?」

「失礼、スイープだよな?ローマさんと同期の」

「えぇそうよ!有馬記念その目の前で見たわ!大きな翼!」


やはりスクーデリアローマの背中から翼が出ていたことは今でも覚えている。フレイムも知っている。


「フレイムさん今日は自主トレ?」

「あぁ、ユリノテイオーに勉強教えてるみたいだったから」

「ユリノさんね!私も気に入っちゃう子だよね!」

「…そうか?」


ユリノテイオーの凄さを知らないフレイム。

凄いのか?そんなに


「明日ダービーだから、気が抜けないぜ!」

「じゃあ併走してもらおうかな!」

「私も!」


3人はダービーと同じ2400mの練習を始めた。


(キタサンは逃げ、スイープが追い込みか、前でゴールしてやる!!)


スパァァァァァン!!!!


「凄い!」


キタサンもなんとか逃げ切ろうと思ったが、フレイムの強さに追いつかれてしまった。


「日に日に逃げの進化はしてるな!けど、俺だって進化してるさ!!」


スパァァァァァン!!!!




「はぁ…はぁ…はぁ…」

「皐月賞の時よりも強くなってるねフレイムさん!」

「…さすがだキタサン、逃げも日に日に強くなってる!」


2人は強さを感じていた。逃げが強くなってるキタサン、差し切るパワーは誰にも負けないフレイム。同級生でも、ライバルは変わらない。


「ちょっと!2人だけずるいわよ!私も強くなってるわよ!」

「追い込む割には俺ら差しきれなかったな?」

「うるさいわよ!魔法の言葉が今日はイマイチだったのよ!」

「魔法の言葉?どうせまた…」

「ローマが教えてくれた魔法の言葉よ!!」

「…え?!」


知らなかった。魔法の言葉を…ローマさんが?!

有り得なかった。


「スターライト・アメイジングですよね!」

「知ってるのかキタサン?」

「うん!本当に素敵な魔法だよ!!」


意外に面白いところあるんですね、ローマさん。


「今日はありがとう、明日早いから寮に戻ろうか」



栗東寮


「スターライト・アメイジング…」


まだ気になっていた。スターライト・アメージング…

訳が分からなくなってくるな…


「…寝よ」




フレイム…フレイム…


「…?」


ステンドグラスの上、ハートレスと戦った場所だった。

ステンドグラスの変化は無かった。


「…誰?俺を呼んだの?」


フレイム…


「…そこにいるのか?!」


後ろを振り向くが、誰もいない…空耳なのかと思った。

その時…


キラーーーーーーン!!


「え?!」


「やっと会えたね!メジロフレイム!」


光の中から少女が現れた。しかもフレイムの名前も知っていた。


「君は…誰?」

「僕はチリシィ、スピリットだよ」

「チリシィ…なんで俺の名前を知っているんだ?そもそも初対面だろ?」

「私はフレイムの心の夢にいるから現実には会えないのよ!」


謎の生物 チリシィ

フレイムの心の中にしか現れない…


「明日はダービーよね!応援してるわ!」

「ありがとう…!」

「けど…勝つのもいいけど、敗れたライバルの事も考えてよね」


何を言っているよく分からなかった。だがレースで敗れたライバルも必ずいる。


「…当然さ」

「…それでこそ勇者よ!」


なんだろう…昔の友達の顔と声が似ているような…?



「…ん?」


(また夢だ、最近ステンドグラスの所にいる夢を何回も…)


「チリシィ…」



東京競馬場


「誰もが夢を持つレース、日本ダービー決勝!!メジロフレイムが無敗のまま二冠達成なるか?!」


会場には多くの観客が訪れていた。中にはライバルの友達やライバルのトレーナーもいる。


「今回のゲストはここ日本ダービーを制したエイシンフラッシュさんです!!」

「初めまして、エイシンフラッシュです」

「フラッシュさん、懐かしい場所ですね!」

「そうですね、私が初めてGIを制したレースでもあり、非常に思い出深い場所ですね!」


ゲストにエイシンフラッシュ。ここ日本ダービーを制している。


「フラッシュが解説か」

「ダービー制覇してるからな」

「あのドイツ出身のウマ娘か…」


控え室

「フレイム、負け無しでダービー挑むけど、皐月賞とは違うからね!」

「当然です、ライバルも俺を敵視してるはずです!」


皐月賞とは違ってライバルも手強い。フレイムは少しずつ強くなっている。


「ねぇローマさん、レース前の魔法の言葉って?」

「それはスタート前のゲートインした後で言ってね!今言っちゃうと効果無いから!」


既に知っている。ローマさんが考えた魔法の言葉…


「じゃ、行ってきます!」

「行ってらっしゃい!頑張ってフレイム!!」




「さぁ!1番人気のメジロフレイムが登場です!!」


(では…!!)


バサッ!!!!


「あの子がメジロフレイム!」

「負け無しなんて言わせない!!」


他のライバルがフレイムを敵視していた。動揺するかと思うが、フレイムの表情は普通だ。


(ローマさんが言っていた魔法の言葉…!!)


「全てのウマ娘達がゲートインしました!!」


(スターライト・アメイジング!!!!)


ガシャコン!!


「スタートしました!!誰が先頭に立つか!!」



「フレイム、後方から差すけど、中に囲まれてる」

「これは相当難しい展開かもな」


「先頭は18番のランヴェス、ランヴェスが先頭に立ちました!!すぐ後ろにフォースストリクス、ワンダーアドヴァンが続いています!!」



フレイムは後方から6番手、まだ動かない…


「エイシンフラッシュさん、この状況どう読みますか?」

「そうですね、現在先頭のランヴェスさんは逃げを得意としていて、GIIIでも勝利経験があります、後方にいるメジロフレイムさんは最終コーナーで仕掛けますね、スクーデリアローマさんの教え子でもあります」

「なるほど!!」


僅かなことでも気にするエイシンフラッシュ。私生活でも1つの誤差も生み出さない。


「フレイムさん、まだ動かないね」

「末脚が得意だから、最後に仕掛けるみたいだから大丈夫だよキタちゃん」


「さぁコーナーに入り、後方から追い上げるウマ娘達が近づいて来ました!!」


(…もう行くか)


スパァァァァァン!!!!


「おおっと?!メジロフレイムが早くも仕掛ける!」


「え?早いタイミングで?!」

「かなりの大外だぞ!!」


フレイムは最終コーナーに入る前から仕掛けた。まるで天皇賞・春の時のローマみたいに。


「最終コーナーに入り、メジロフレイムが先頭のままだ!余力が残っているのか?!」


(私の予想だったら、最後の直線でスパートをかけると思っていた。けど…今のメジロフレイムさんは…)


「メジロフレイム!先頭をキープ!先頭キープ!後方から追い上げを見せるライバルもいるが、それでも届かない!!」


(夢を掴む…そして…!)


「期待に応えるために!!」


フレイムは8馬身差をつけながら、ゴール板のラインを走り越した。



「メジロフレイム!見事二冠達成!!史上初チームスクーデリア無敗の二冠達成!!」


ワァァァァァァァァァ!!!!



地下パドック


「フレイム!!ダービーおめでとう!!」

「ありがとうございます!!」

「しかし、まさか無敗でダービー制するとはな、ローマみたいだったよ!」

「あの辺前方詰まっていたので、最終コーナー入る前に仕掛けたので、案の定早く仕掛けて正解でした」


今回のレースは先行からの作戦で行くライバルが11人いた。差しはフレイムを含め3人だけ、逃げが4人だった。


「おめでとうございますメジロフレイムさん!」

「フラッシュさん?!」

「今回のレース、予想を大きく外しましたね」

「予想?」

「私は最終コーナーを越えてから仕掛けると思いましたが、早めの仕掛けに混乱してしまって…」

「…俺の走りで狂ったかもしれないが、興奮したろ!」

「…えぇ、興奮しました!!」



「トレーナーさぁぁん!!勝てなかったぁぁぁ!!」


出走したライバルは夢を掴むレースに勝てなかった。一生に1度しか走れないクラシッククラスを。


「フレイム、レースに負けたライバルも多くいる。私もクラシックの有馬記念は悔しくて…」

「…俺、三冠取ったら有馬記念挑みたいです!未だ誰も達成していないクラシック全勝を!」

「「え?!」」

「たとえですよ!」

「…そうだね、勝てるか分からないけど、やってみよう!!」


チームの…次世代エースの誕生が近そうだ。



6月上旬


梅雨に入り、ジメジメとした天候が続いている。


「う〜ん、髪が纏まらないよ…」

「仕方ないよキタちゃん、梅雨の日は髪が纏まらないことが多いから」

「フレイムさんの少し短い髪だったら身支度の時間減るのになぁ〜」

「そういえば、フレイムさん少し学校遅れてくるみたいですよ」

「何か用事かな?」



墓場


「………」


フレイムは墓場にいた…


(ダービー勝ったよ。けど…まだ油断は出来ないから、もう少し待ってて…願いを叶えるまで…!)



石碑の名前は…アルティスタ家という名が刻まれていた…

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