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【結局のところ】試し読み
カチリ…という小さな音に意識が向いた。
続けて聞こえるガチャ、という音に完全に意識が現実に戻る。
カツン、とひとつ足音がして、再びガチャと控えめな音とカチリという音が続く。
俺は長時間向き合っていた画面を閉じるべく、マウスを操作し、カチカチ、と素早くパソコンをシャットダウンした。
先程の音の主はどうやら洗面所にいるらしく、小さく水音が聞こえている。
立ち上がる前にぐーっと背伸びして、ふーっと息を吐き出して。
小さく「よいしょ」なんて思わず出てきた言葉に口角が上がってしまった。
…おっさんかよ
立ち上がってもう一度腰を伸ばすために背伸び…をしていたら、リビングから廊下へ続く扉がガチャ、と開いた。
「ただいまー」
いつもより小さめの声。
表情はいつも通り。
俺が寝てるかもしれない、と気を使ってくれたんだろう。
「おかえり」
先程のおっさん事件(?)で上がった口角のままに返したから、少しだけ嬉しそうになってしまった気がするけどいいか。
Continued in the main story…
noa.
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コメント
1件
うわ、すごくいいですね…。日常のたった数分の空気感を、こんなに丁寧に切り取れるんだなあと。 「おっさんかよ」って自分でツッコむところ、めっちゃわかります。そして「おかえり」のとき口角が上がってたのを自覚してるのが、もう…二人の関係性が言葉以上に伝わってくる。最後の「続く」の余白が効いてます。続き、気になります。