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星桜かい@地理好き
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注意
戦争賛美の意図はありません
「日本、おはよう!」
『あぁ、おはようございます』
いつの間にか身についた営業スマイルで挨拶をする。最後に心から笑ったのはいつだろうか。
自分のデスクに座り、独りでキーボードを叩く。
僕も、いつか楽しいと思えることが見つかるといいなぁ……
みんな、何かしら夢中になれる事がある。僕はそういうものが何も無い。正直言って羨ましかった。
無心でデスクと向き合っていると、時間が経つのも早い。何人かは帰る支度を始めたようだ。
夏もようやく去り際、陽が落ちるのも大分早くなっていた。
ちらりと外に目をやると、オレンジ色の空が映る。どこまでも広がる空も、いつか終わりが来るのだろうか。
一瞬だけ見えた夕焼けは、あっという間に暗い紫色になり、何もかも包み込む黒になった。
残っているのは僅か数人になっていた。
流石に疲れたので、息抜きでもしようか
静かに屋上へ向かった
柵にもたれかかり、遠くの地面を眺める。頭の中では、昔の事を思い出していた。
最初に人を殺したのはいつだっただろうか。
その時、吐き気を催すと共に、微かな快感を感じたのを覚えている。
それから数十年としないうちに戦乱の世が始まり、日常的に殺しを行うようになった。
そのうち吐き気は感じなくなり、感じる快さは増していった。自ら望んで戦をし、返り血を浴び続けた。
戦乱の世は終わり、外国を相手にするようになった。自分の戦い方が通用せず、合わない武器で戦わなけれ ばならなかったので、とてもつまらなかったのを覚えている。
それでようやく目が覚めた。今思い返すと、人殺しに快感を覚えていたのが不気味でならない。
自分は、罪を償うべきだ。おそらくは必要のない殺しが殆どだっただろう。人を殺すのは簡単だが、救うのは容易なことでは無い。
だから、せめてできる事として、周りより働こうとしている。
「日本!」
『……?』
後ろから声を掛けられた。振り返ると、そこにはドイツさんが立っている。
「早まるなよ……」
『元から死ぬつもりはないです』
「よかった……飛び降りるのかと」
『はは、なわけ』
でも、死んでもいいかもしれない
自分なりに、罪を償ってきた。そろそろ地獄に行くのも悪くない。
「……今日は星が見えてるな」
『あ、ほんとだ……』
滅多に見れない、満点の星空だった。下を眺めていたので気づかなかったが……
「……」
『……』
気まずい沈黙が流れる。
「平気そうなら俺は戻る」
『あ、はい』
心配してくれるのが嬉しいような気がした。
久しぶりに、星を眺めてみようか
夜なのに、やけに眩しさを感じた。
コメント
3件
かぴばらさん、第6話読ませていただきました。 「人を♡♡♡のは簡単だが、救うのは容易ではない」という言葉が、すごく胸に残っています。主人公が罪の意識を抱えながらも、自分なりに償おうとしている姿が切なかったです。そんな中でふと見上げた満点の星空が、明日への小さな希望のように感じられて。ドイツさんの「早まるなよ」の一言にも、静かな優しさが滲んでいました。続きが気になります。