テラーノベル
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僕の名前はうたい。
実はまだ13歳の執事。
そして今日から…………
唯我家の執事になるんです!!!
…………けども…ね、ハハ……………。
「今日から執事になるはずなんですよ。今日から!」
眉をひそめながら歩いていたら僕は頭を柱にぶつける。
「イッタァッ…………ってそうじゃなくて!」
………じ、実はですね………っ
「お嬢様の一番そばにいるはずの護衛に、なっちゃったんです!!!!」
どういうことってなりますよね!?
まだ、全くお嬢様の事とか知らないのに!!
「えっと、確か…」
これから僕が仕えることになるお嬢様は僕の方を見ながら首を傾げた。
その一つ一つの行動が儚くて美しくて、流石いつか国を支えることになる王女様だな、と思った。
「うたい……だよね?」
「……………はい、そうです」
僕は若干お嬢様から目を逸らしながら言った。
するとお嬢様は目を見開いた。
「や、やっぱり!?おどろくより年下っぽい君がおどろくの護衛になるんだね!?」
………はい…そうなんです…すいません…本当に…
「えっと、間違いとかじゃ、ないよね…?」
「ないです…」
僕とお嬢様は一緒に頭を抱えた。
……………できれば、僕も間違いが良かったと思ってます…。
「ええと、まぁ大切なのは実力だもんねっ!」
お嬢様は切り替えるように手を打った。
そして、僕に淑女の礼をする。
「改めまして、唯我おどろくと申します。今後お見知りおきを」
「ええと、はい、よろしくお願いいたします…?」
令嬢って大変なんだな…
僕はお嬢様の挨拶を見てそう思った。
身分の高いお家に生まれなくてよかった…。
いや、生まれてみたいと思ったことはあったけど。
「と、言う事で、午後の6時から勉強を兼ねて運動をするからさ、うたいがおどろくの護衛って証明して?」
お嬢様が試すような視線でこちらを見てくる。
……………これは、頑張らないと、か。
「はい、頑張らせていただきます」
僕は一礼をして部屋から出ていく。
遅刻をしないようにまず心がけよ、って思いながら。
ーーーーーーーーーーーー
「あの!おどろくを何時まで待たせるつもりなのだ!?」
お嬢様が僕を見ながら叫ぶ。
そして一旦くしゅんと咳き込む。
「もうとっくに6時過ぎてるんだけど…!」
「………すいませんっ…」
僕はお嬢様を見ながら謝ることしかできない。
……………あたりを見回すともうとっくに暗くなっていた。
まぁ、それもそのはず。
なぜなら僕は…
3時間の遅刻を果たしたからだ!
おかげでもう9時!
よい子はもう寝る時間!
「……まぁそれは…良いんだけど…」
お嬢様が僕の瞳を見て聞いてきた。
「うたいはさ、どれぐらい運動できる?」
…………運動…
ピューと僕の中で風が吹く。
「えっとですね…全くできません!!」
「……え゙っ゙」
僕が高らかに宣言した後にお嬢様が固まってしまった。
「因みに体育の成績は毎回1でしたっ!……いや、小1の頃は2だったかも…?」
「いや、あんまり変わらないのだ」
「変わります」
「おどろくにとっては変わらないのだ」
「悲しい」
僕とお嬢様はそんな会話を繰り広げる。
「ええ…それは護衛になりたくないからそう言ってるわけじゃないよね…??」
お嬢様が引きつりながら聞いてくる。
「はい、残念ながら本当のことです。このお腹が照明道具ですね」
僕は頷きながら服をあげお腹を見せる。
「!!!???そのお腹をしまいなさい!?」
お嬢様がびっくりしながら命令を下してく
る。
「は、はい!承知いたしましたっ」
僕は急いで服を戻す。
「……………ふぅ…まぁ、…えっと要するに…うたいはおどろくを待たせた挙句運動ができないってことで宜しい?」
「……はい…宜しいです…」
本当に申し訳ございません……っ!!
僕は心の中で何回も土下座する。
「えっとじゃあ、勉強は!?通知表の結果は!?3ぐらいあるよね!?」
お嬢様が何かと祈りながら僕に聞く。
「え?そうですね、毎回オール5でした」
僕は心の中で思い出しながら答える。
友達に「お前、運動以外は完璧なのにな!?」って言われた記憶があるから確実なはず。
「アッ、良かった、それはできるのね」
お嬢様は目をつぶりながらほっと安心する。
と思いきや、突然目をとても見開いた!
「オール、5!!??初めて聞いたのだ!!勉強係の凸もりはいつも2って言ってたのに!」
……………ええと、お嬢様がすごく感激している…。
と言うか、それはその凸もりっていう人が馬鹿なだけでは?
お嬢様、勉強できない勉強係と運動できない遅刻する護衛に挟まれてて可哀想…。
いや、半分は僕のせいなんだけどさ…。
「えっと、ひとまず凸もりとうたいの位置交換する?」
「したいですね」
僕とお嬢様は頷きあった。
が、そこから何も喋れない。
意見が合ったとしても、行動には移せないから。
……………入れ替えるためにはお嬢様のお父上と話し合いをしなくちゃいけなくなる。けど、その方は『勉強係の凸もり』と言うシチュが大好きな方だから絶対にそんな事を言ったらお怒りになられる。
だから、絶対にやめたほうが良い。
「……………えっと、プ、プリン買ってきてくれる!?」
「はい、……えっ?」
僕はお嬢様の言葉に聞き間違いかと思い聞き返す。
「えっと、なんと?」
「遅刻した罰で、プリンを買ってくるのだ!」
「えっ?」
「プ・リ・ン・を・買・っ・て・く・る・の・だ・!」
僕が聞き返すほどお嬢様の頬は膨らんでいき、大きな声で伝えてくる。
このままじゃ近所迷惑になるしお嬢様の頬がどんどん膨らんで風船みたいにとんでいきそう。
………と、言うことは聞き間違いじゃなかったようですね。
「……………分かりました…けど、お嬢様にも来てもらえませんでしょうか!?」
僕が離れている間にお嬢様が危険にさらされる可能性もあるし……!
「……………おどろくを3時間も待たせた輩が何を言ってるのだ?3時間もおどろくはここに居たのだ、でも?」
「…………………危険に…さらされて…ない…」
「うん、そういうことなのだ」
お嬢様が僕の反応を見て笑った。
「すいません……っ今からプリン50パック買ってきます…」
「宜しい」
「……あの!中に入っててもらって全然いいですからね!?」
「最初からそのつもりだから安心して。と言うより、うたいはお嬢様思いの良い人だねっ」
お嬢様は高嶺の花が咲いたように笑った。
「………ありがとうございます」
………僕はそんなにいい人じゃないんだけどな
ーーーーーーーーーーーー
〜おまけ〜
⚠今書かれてる生きるのチャット板の所までおまけは続くと思います。
お嬢様はプリンと紅茶が並んでいる机を見て「ありがとっ」と僕の目を見て笑ってくれた。
「これは遅刻したお詫びです」
僕はそう返す。
そしてお嬢様の髪の毛をくしでとかす。
「今日はどんな髪の毛になさいますか」
「いつも髪を手入れしてくれているみたいな言い方なのだ…」
お嬢様は僕をジトッと見てくる。
その視線に僕は小さく笑う。
「ねぇ、うたい…」
お嬢様は僕を上目遣いで見上げながら口を開いた。
「できるだけ前のお腹チラ見せ的なやつはやめてほしいのだ…」
………チラ見せ?
…………あーあ!あれかっ。
僕は理解して頷く。
確かに今思えば嫌な人もいたかも知れない。
「すいません…」
「い、いやっ!?あの謝ってほしいわけじゃなくて……!」
僕が謝ったことで尚更お嬢様を慌てさせてしまった。
そんなお嬢様を見て可愛いなと護衛ながら思ってしまったのでした。
忠誠心と一緒に親心的なやつが出てくるのかもしれない、気をつけなくては。
(このおどろくお嬢様子供っぽいから小さい子を扱うみたいな状態になり得ないことはないよなぁ…と思います)
#odmn
ちい。こたつがめ
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コメント
3件
うわ、第2話読んできた!この護衛とお嬢様の掛け合い、めっちゃくちゃ好きだわ。運動できなくて3時間遅刻するとか、しかも運動オール1で勉強オール5ってギャップがエグい(笑)。お腹チラ見せのくだりで慌てふためくお嬢様の反応も可愛すぎる。「プリン買ってこい」で流れが一気にほのぼのになるのも絶妙。執事設定なのに親心湧きそうなとこも含めて、この温度感の会話劇めちゃくちゃ好みっす!🔥