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──数日後
アザミの家にて 時刻 22:48
「姉さん、その髪でいいの?」
『いいの!それに、これが1番カラスバさんが大好きだから』
そう言って4年前と同じ、目立つ紫色の髪色に変えたシオンが笑う
『そうだ、ホーズキはもう寝たの?』
「寝たよ。あの子は健康さんだから。…あ、そういえば、
最近よく笑うようになったの」
『本当!?良かったじゃない!アザミのお陰よ!!』
「別に…あの子自身の力でしょ」
缶ビールを片手に笑うシオンに、少し照れたように顔を背けるアザミ
ホーズキは実験の影響で感情が全くと言っていいほど無かったから、笑うようになったのはとても大きな進歩だ
『ふふ、あの人達感情は失えば戻らないだの云々言ってたけど、ざまぁみろね』
「ほんとね。あーぁ、思い出したらイライラしてきた」
そういって、また新しく缶ビールを開けて飲むアザミ
2人が座っている机の上には沢山の空き缶が置かれている
「ちなみに、下の子達にはカラスバさん達は正義のヒーローだ〜って言われてるの面白いよね」
『ふふっ、でも実際助けてくれたのはカラスバさん達だもの』
イッシュで暮らしている、また兄弟達にも会わないとね。と思いながら、枝豆を頬張る
「ねぇ、姉さん」
『ん?』
「カラスバが、お父さんについて話してたの」
『…へぇ。』
アザミの言葉にシオンの眉がピクッ、と動く
「お前ら、自分の父親は知っとるん? 」
「私は知らない。姉さんはどうか分かんないけど… 」
そう呟くアザミにカラスバが写真と1冊のノートを渡す
「!お母さん…!?な、なんで…」
「そろそろ時効やおもてな。
…お前ら施設のボスの部屋に隠すようにあったもんや」
その言葉に目を見開くアザミ
アザミは施設長には会ったことがなかった、しかし姉は会ったことがあるのか施設長の話をすると決まって「その話はやめよう」と無理にでも話を切ろうとするものだから、不思議に思っていた
が、まさか施設長が私達の父だったなんて…
その事実にゾッとし、酷い嫌悪感を抱く
「別に見んでもええし、お前らの好きにしたらええ」
「と、とりあえず貰っとく」
「シオンに見せるかは…本人に聞き」
『…あの人が、日記ね…』
「姉さんはやっぱ知ってたの?あの人が私達のお父さんだって」
『そりゃ、私と同じ目の色してたもの。見間違うはずがないよ〜』
特徴的なショッキングピンクの瞳
あの瞳を見て、直感的に自分の父だと幼いながら思った
『でもあの人のせいでお母さんは死んだし、あの人のせいで私達はずっと自由じゃなかった。
全部あの人のせいだよ、アザミ』
「姉さん……」
カラスバから姉が内心では施設の事をとても憎んでいると聞いていたが、目の前の姉を見るにその言葉が正しいのだと悟る
目の光が宿っていない姉に少し恐怖を覚えつつ、日記を読む
しかし日記は普通の人間…というよりかは、私達の知っているあの人ではなかった
優しく、母であるデイジーを愛している、一途な男性
しかし日記を見るに、父は何かしらの実験で感情と共に記憶を失っているのだと分かる
そして、私達が知ってる父になる前の本当の父は確かに私達と母を愛していて逃がそうとしていた事…そしてそれが失敗して、自我を失う前に装置に小細工をしかけていた
その装置は私達の首に着いていた装置の事だろう
「(それなら、あの人も…私達と同じだったって事…?
というか、あの人が小細工してなかったらあの装置はもっと何かあったってこと…?)」
『どうしたの?彼奴の日記になんか同情するような事でも書いてたの?』
「いや、同情…というか……あ!」
これを姉に見せるか、悩んでいるとそのまま日記をアザミの手から取り読み進めるシオン
そしてしばらく読み進めたあと、日記を閉じてため息を着く
『なるほどね……』
「姉さん…」
『お母さんはずっとお父さんは悪い人になったって言ってた理由がわかるね』
母が、父は世界一優しい人、今は悪い人になって居なくなった。なんて意味不明な事を言っていた理由がわかる
『…まぁ…だからといって、今からどうこうって話じゃないじゃない?』
「…確かにそうだね」
今から刑務所の中にいる父に会いに行っても、別に変わることなんてない
あそこにいる父は父ではないのだから
『結局あの施設は昔からクソだってことでしょ』
「今思うとあの施設、何十年前からあったのかな…」
『え〜!?怖……!!深く考えないでおこ…』
「姉さん飲みすぎ!もうそろそろやめないと吐くよ!!」
そう言って日記を後ろに置いたあとまた缶ビールを新しく開け1口飲んだ……時だった
「な、なにっ!?」
『きゃっ!?』
〖ンヂャ!?〗
ものすごい物音と共に、地面が揺れ机の上に置いていた無数の空き缶が床に落ち下で寝ていたアチャモの顔に当たる
〖ヂャーッ…!!〗
『だっ、大丈夫!?』
「…なにしてんの姉さん達 」
『ホーズキ!いや、私達何もしてないから!』
「姉さん!!」
『今度はなに!?』
目を擦りながら、寝室からホーズキが出てき事情を話しているとそれを遮るようにアザミの一際大きな声が聞こえる
「プ、プリズムタワーが!!」
『なにあれ…イルミネーション?』
「違うでしょ、シオン姉さん馬鹿なの」
ベランダに出て外を見ると、異質なピンク色の光を放つプリズムタワーが目に入る
「あー、だめ。ネットがパンクしてるのかカラスバと連絡取れない」
『それなら事務所行ってみようアザミ』
「ごめん、ホーズキ。ちょっと家の事頼むね」
「うん、わかった」
「タクシーも流石に動いてないか…走るよ姉さん!」
『うん…!』
そう言って走りながら、ふとプリズムタワーを見た時だった
虹色の丸い物体がプリズムタワーの中へ入っていくのが見える
『えっ、ア、アザミ!なんかプリズムタワーに入った!!』
「は?何それ…!?」
『あ!吸い込まれちゃった!!』
「はぁっ!?」
『いやだから───』
シオンの言葉に眉を顰めるアザミ
そんな事を少し話していると、次の瞬間プリズムタワーからピンク色の光が漏れ出す
「えっ、なんかヤバくない…?」
『アチャモ!ボールの中に戻って!!』
〖ンヂャッ!?〗
本能的に危険を察し、ボールの中にアチャモを入れプリズムタワーをふたりして見つめる
───ゴゴゴッ……
地面が揺れ、慌ててアザミの手を掴み引き寄せた次の瞬間、バリンッ!!と音を立ててプリズムタワーから不気味な花と幹が現れる
『!アザミ危ない!!』
「きゃっ!?」
───ガシャンッ!!
上からガラスが落ちてきた
きっとプリズムタワーに生えている花の幹が建物に当たった際に落ちてきたものだろう
「ありがとう姉さん。下は危ないし上に行こ」
『うん』