ステージの上で、1番近くにいると感じる
コンサートの本番。
ステージに立つと、空気が一変する。
煌びやかな照明が俺たちを包み込み、
音楽が体を貫いていく。
その中で、全身を使って踊ることが、
心の底から気持ちいい。
ファンの歓声が響き渡り、
歓喜の波に身を任せながら、
俺はただ必死に振り付けを覚え、
動きを追う。
だけど、そんな中でふと隣に目をやると、
ふみくんがいる。
その瞬間、俺の中に感じるのは、
どんなに大きな音でも、
どんなに明るい照明でも、
彼と一緒にいることで安心する
という感覚だった。
俺とふみくんは、息を合わせ、
目の前に広がるステージを
一緒に 進んでいく。
その一歩一歩が、
なんとも言えない心地よさを感じさせる。
いつもは気付かないような細かい動き、
照明の変化、音の波に対して自然に反応し、二人の距離が少しずつ
縮んでいくのを感じる。
リズムを刻む足音、
流れる汗、
静かに交わる目線。
そのすべてが、
今ここでしか感じられない
特別なものに なっていく。
この瞬間、
ふみくんと俺はまるでひとつの体のように
動いている気がして、
心臓が少し早く打つ。
踊っているときのその感覚、
ひとつひとつの振り付けに対して、
自然と反応している自分に驚く。
そして、その動きが終わった後に
気づくのは、
ふみくんの存在がどれほど
俺を支えているかということだ。
そんな中で、
ふいにふみくんがアドリブで
俺の肩を引き寄せる振りを加えてきた。
その瞬間、あまりにも突然で、
俺は驚きのあまり、少し反応が遅れた。
普段は計算された
振り付けの中で動いているはずなのに 、
今、この瞬間だけは
彼の意図を読み取れなかった。
でも、その驚きはすぐに
柔らかな感情に変わった。
ふみくんの手が肩に触れた感触が、
少しの間、俺の体に響く。
すぐにその力を調整して、
俺の体に無理なく引き寄せる。
驚いた気持ちがすぐに
嬉しさに変わるのが分かった。
何より、その動きが自然すぎて、
意識すらしなかったことに気づく。
その時、ただ感じたのは、
「俺たちはやっぱり、
こうして一緒にいるんだ」
という確信だった。
(あれ、今の…やっぱり、
俺たちはもっと近い存在なのかも)
心の中で、そんな言葉が浮かんできて 、
それを実感する度に、胸が温かくなる。
ふみくんが今、俺にしたことは、
決して予測できなかった。
でも、あの手のひらが引き寄せた
その瞬間には、俺たちの心がちゃんと
一緒になっていることを感じた。
ステージの上で、お互いに動きを合わせ、
目を合わせ、呼吸を合わせることで、
今までよりももっと強く絆が
深まった気がした。
その後のダンスでも、
俺は不安定な部分もあったけれど、
隣にいるふみくんが支えてくれるという
確かな実感があった。
彼の目線が何度も俺を見て、
無言で「大丈夫」と
伝えてくれている気がした。
その安心感が、
どんなに大きな音や照明に負けないくらい、
俺の中で強くなっていく。
振り付けが進むごとに、
二人の体が同じペースで動いて、 心の距離が
どんどん縮まっていくのを感じる。
いつもは近くにいるけれど、
今日のステージでは何だか、もっと近い。
身体的にも、心の距離的にも、
ふみくんがまるで「一緒にいて当たり前だ」
と言っているように感じて、
それがすごく嬉しかった。
パフォーマンスが終わり、
ステージの幕が下りた瞬間。
少し息が乱れているが、
どこか達成感に包まれている。
そして、思わずふみくんの方を見ると、
彼の顔にかすかな笑みが浮かんでいて、
それがまた心に染みた。
その笑顔には、
ただの“仲間”という関係ではない、
もっと深い何かが感じられた。
「お疲れ様」
無言で交わすその言葉だけでも、
十分に伝わるものがあった。
あんなに大きなステージの上でも、
俺はふみくんの存在を一番強く感じていて、
それが自然と自分の力に
なっていくことを実感する。
今、俺たちはただのチームメイトではない、
もっと近い、もっと大切な関係にいる。
その事実を、俺は深く感じた。
FUMINORIの視線が
少しだけこちらを向いた瞬間、
思わず笑顔がこぼれた。
その顔を見た瞬間、
今までの不安や遠さは一気に消え去り、
もっと近くて、
もっと深い絆があるんだと確信できた。
コメント
2件
最高です!!!!続き楽しみに待ってます!、、!