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~薔薇~
「3・2・1!!あけおめことよろ~!!」
「あけおめ~!」「今年もよろしくね~」「ん~!」「あけおめ!!」「あけおめことよろ!」
年が明けたその瞬間。大好きな仲間たちといれるのはとてもうれしかった。
「らん、お年玉頂戴♪」「ええっ~いいよ!はい!」「こさめも!」「どうぞ~」「Lanの太っ腹!あざます!」
「すちはって寝てる!?」「もう限界、、スゥー、スゥー」「すっちー!?起きてよ~!」
「まあ、すちにしてはだいぶ夜更かししてたもんね。」「すっちーの寝顔かわいい~!」
「あっ!みことにもあげるね。」「ありがとう!俺、年越しそば用意してくるね!」「ありがと~!」
「今年は何する?」「花見だろ~、進学祝いに~、プール、あっ!」
みんながいっせいにこちらを向いた。気まずそうに、悲しそうに。
こさめは慌てて笑顔を作る。
「大丈夫だよ!こさめ、死ぬこと後悔してないし!」
胸がチクリと痛む。
「ごめん、、」「気にしないで!」「はい!おしまい!花見、いいよね」「な!団子持ってってさ~」
「というかその前にお正月満喫しなきゃでしょ」「おわっ!?すち!?」「いつの間に起きたの?」
「いまぁ~、ふわぁ」「羽子板とか?」「たこ!」「袴きて写真でも撮る?」「Lanたち今年卒業だもんな」
「ちょうどいいんじゃね!」「用意しよ~っと!」「袴きたい~!あとたこあげたい!」
「こさめ、ガキの頃みたいにコケるなよ~?(笑)」「もうコケないし!」「どうだか~(笑)」
「公園行く?」「そだな!」「初詣いこ!」「初詣の帰りに寄るか!」「そうしよ!」
みんなとの予定が増えていくごとに胸が暖かくなって、同時に胸が締め付けられた。
~~~
「ねむい~、、」「もうちょっとで太陽見えそうだね」「寒い~!」「神社もうすぐだよ」
「ついた!」「みんなはやく!日、登っちゃう!!ここすわろ!」「こさめ待って!」
「いいじゃん!」「すち~!立って寝るな~(笑)」「あっ!日、上りだした!」
「綺麗だね~」「今年初めての太陽だ!」「いや、それが初日の出だから!(笑)」
みんなで初日の出を見た後は初詣をした。神社は混んでいて参拝の列ができていた。
これは時間かかるな~と思っていたけどみんなと話してたらあっというまだった。
「何お願いしよう?」「俺はお金ほしいな~」「Lanは毎年それだろ(笑)」
「みこちゃんは?」「俺はこれからもみんなが元気で過ごせますようにって!」「俺もだよ」
「俺はバイク買えますように!」「俺はラップで全国一位になれますように!」
とうとうこさめたちの番になった。みんな、2礼2拍手1礼してお願いし始めた。
こさめは何を願おう。並んでる時からずっと考えていた。でも、こさめはもうあと数か月しか生きれない。
でも、なにか願うべきものが心の奥底にある感じがする。なんだろう。
ふと、昔の記憶を思い出した。
「はやくお参りしようぜ!」「行こう行こう!」
そのころはまだ小さくて地元の小さな、人があまりいない神社にお参りに行った。
「なにねがう?」「どうしよーね!」「あっ!みんな耳かして!ごにょごにょごにょ」
「いいね!」「みんなでせーので言おーね!」「わかってるよ!」
みんなで手をつないで、笑顔でお願いした。心の底から。
「せーの!」「来年もみんなでこの景色を見れますように!」
「てか、お参りって声出していいのか?」「確かに!?、、」「バチあたんないよね、、?」「大丈夫だよ!」
寒さ寒い1月のあくる日、みんなでつないだぬくもりを閉じ込めるようにしっかりと、離さないという思いを胸に
小さな手をつないでいた。だからか、寒くなかった。ただただ暖かくて楽しかった。
そんなことを思い出した。すると自然に願い事が浮かび上がってきた。急いで手を合わせる。こさめの願い事は__
みんな願い事をし終わって神社を後にした。心がすっきりして、ぽかぽかした。するとLan君が手を伸ばしてくる。
横を見るとみんな手をつないでいた。
「こさめもやろ?昔みたいにさ!」
ニコッと笑ったみんなの顔はあの時と何ら変わってなかった。こさめも勢いよく、手をつなぐ。
離れたくない。みんなともっといたい。この時間が、終わらなきゃいけないのに。
しに____。今、こさめ、、何考えて、、呆然としていると手を強く引っ張られる。
「公園行こうぜ!」なつくんの明るい声にこさめはいったん考えることをやめた。
「公園だ~!」「ちょっと寒いね!」「たこやんぞ~!」「やったぁぁぁ!」「こさめ、俺こっち持ってるから思いっきり走れ!」「了解!!」ダダダダダダっ「すげー!こさめ足速くなったな!」「そんなことないよ!」
「そろそろ平気じゃね?」「だね!」「めっちゃ高いね!」「俺のも見て~!」「らんらんたかっ!?」
「俺も~!」「すちやばすぎ(笑)糸切れそう」「む~!こさめが一番だと思ったのに!」
「あ~、こさめがすねた!」「もう!バカにしないでよ!じゃあいるまくんもやってみれば?」
「俺は、、遠慮しとく」「いるまのビビり~!」「お前、、まじで殺す、、羽子板で勝負だぁ!」
「こさめちゃん!」「はい!」「おっしゃ!俺の勝ち~!」「もう一回!」「みこと下手~!(笑)」
「だってぇぇ!ああ~!」「ww」
本当に本当に幸せだった。ああ、今こさめ、幸せなんだ。心の底からそう思えた。
後日
こさめの痣は顔にまで広がった。薔薇の痣が増えていた。