大事な人達と過ごす残りの時間をどう過ごそう
#和平if
京夜と四季視点だけになってます。
続きはないです。誤字、脱字があるかも
桃と和平を結ぶことができ昔から続いた鬼と桃の戦争は幕を閉じようとしていた。争いは無くなったものの、まだ和平反対派閥の処理が終わらずに次から次へと仕事が舞い込んでいく。幕が閉じてもその裏ではまだ動いているのである。
そして一ノ瀬四季の人生もまた幕が閉じようとしている。
これは一ノ瀬四季が炎鬼の役目を終え、残りをどう生きるのかの物語である。
四季sid
ある日俺達はいつものようにムダ先の授業を受けていた。いつものようにと言っても授業をまともに行ったのはだいぶ前である。桃との戦線が悪化し俺達は学生であるにも関わらず毎日のように戦場に駆り出されていたからだ。そんなことはさておき、俺は現在進行形で睡魔と戦っている。
「桃と和平した今、戦闘部隊は和平反対派閥の桃や鬼を片付けるだけではなく、被害を受けた鬼の保護をしている。お前たちが卒業後…おい四季寝るな」
なんかムダ先が言ってるけど眠すぎて何言ってるかわかんねぇ
「おい四季起きろ!」
隣の矢颪も何か言ってるけど正直最近眠くて眠くて仕方がない。
ガン
「いっった!!!え、なに!?酷い!」
だがムダ先に殴られたことにより睡魔は飛んでった。
「お前が寝るから悪い。」
「確かに寝てる俺も悪いけどもうちょい優しく起こしてくれても良くない?!」
「矢颪に声を掛けてもらったのに起きないお前にか?」
「いえ、俺が起きないのが悪いです。すみません!」
ムダ先の鋭い目線が俺に刺さって痛い。
「お前最近ずっと寝てるだろ」
少し席の離れている皇后崎が口を挟む
「なんか最近ずっと寝みぃんだよなぁ。寝ても疲れがとれない感じだし…」
「…おい四季それはいつからだ」
「え、ん〜と確か…桃と和平結べた後…ぐらいだったかなぁ」
ムダ先からのいきなりの質問に戸惑いつつも答える。
「…四季今すぐ京夜のとこに行け」
「え〜なにムダ先!心配してくれんの!?でも俺ほんと眠いだけだから別にチャラ先とこ行かなくても「いいから行け」はい!行ってきます!」
今絶対圧かけられた!何も話してる途中じゃなくてもいいじゃん!!と心の中でボヤきながら俺はチャラ先のいる保健室に向かった。
「チャラ先いるー?」
「あれ珍しいね四季くん。滅多に保健室来ることないのに」
「いや〜なんかムダ先に行けって言われて…」
「ダノッチが?なんかあったの?あ、そこ座っていいよ」
「じゃあ遠慮なく!んーとね授業中寝てたらゲンコツ喰らってさ〜」
「あらら〜でもそれだけじゃダノッチは保健室に行けって言わないと思うんだけど…」
「いやなんか最近寝ても寝ても疲れが取れない〜しかも桃と和平後からって言ったら言われた」
「…四季くんちょっと血液検査してもいい?」
「え?ちょ!チャラ先、俺ほんとに元気だぜ?ただほんとに眠いだけで…」
「それならそれでいいんだ。何も無かったら良かったねで終われるから。」
「そこまで言うなら…」
「うん!じゃあちょっと待っててね。今準備するから」
「りょーかい!」
俺が返事をするとチャラ先は立ち上がって奥の方へ機器を取りに行った。そしてまた睡魔が襲いかかってきた…少し…だけ…寝てもいいか…
「…ん!」
誰かの声が聞こえる
「四季くん!」
「ん〜チャラ…先?」
「そうそうみんな大好き京夜センセーだよ。」
「…あ!ごめん!俺寝てた?!」
「めっちゃ寝てたねwもう血取り終わちゃった!来週に結果出るから、その時保健室に来てね」
「なんかごめん…」
「全然大丈夫ー!どう?疲れはとれた?」
「いや…全然…」
「じゃあ俺が今から質問することに答えてくれる?」
「ん〜なんの質問?」
「そんな難しい質問じゃないから正直に答えてね」
「ふーん…わかった」
「よしじゃあ早速1問目!体調は?」
「ん〜なんか身体が重いっていう感じ…?」
「なるほどなるほど。じゃあ頭が痛いとかはある?」
「たまにあるけどほんとに少しだけだし声に出して痛い!って言うほどではねーぜ」
「おっけー。じゃあ次。身体が重く感じるようになってから食生活が変わったりした?」
「あ〜なんか前より食べる量減ったかも?それと油っこいもん食べたら胃もたれする…ってなんかじじいみてぇだな」
「確かにね笑でも意外と若いうちから油っこいもの食べれなかったりするよ」
「へーそうなんだ」
「じゃあ次…」
こうして幾つかの質問に俺は答えていった
「じゃあこれで最後!四季くん。今炎鬼の状態になれるかい?」
「フツーになれると思うけど…」
「やってみてくれる?」
「わかった」
そして俺はチャラ先に言われた通り炎鬼の状態に入る
「これでいい?」
「…うん。もう戻っていいよ」
「ほーい」
炎鬼状態を辞めるとチャラ先は俺をしばらく見つめ…
「…よしおっけー!もう今日は部屋に戻って休んでて!」
「え?授業戻らなくていいの?」
「いいのいいの〜ダノッチには俺から言っとくから!」
「まじ?!サンキューチャラ先!ありがとな!」
「全然大丈夫よー。じゃ、ゆっくり休んでね!」
「おう!」
こうして俺は保健室をあとにした。
花魁坂sid
四季くんが保健室を去ったあと、俺は急いで血液検査に取り掛かり始めた。
「…そうだ。ダノッチに言ってこないと」
こうして俺も保健室をあとにし、ダノッチのいる教室へ向かう
「ダノッチ〜」
「なんだ?」
「四季くん念の為もう部屋に戻ってもらったから〜それだけ!…あと終わったら保健室きて。少し四季くんについて話したいことがある」
「…そうか」
「じゃあ俺戻るから〜」
こりゃダノッチもうすうす気づいてるのかもしれない。
和平後にいきなり身体が重くなり始め、睡眠をいくらとっても疲れがとれず、果てには食生活も急に変わり始めた。最悪な可能性が頭に浮かぶ。
「…いや、こんなことばっか考えちゃダメだな。もっと気楽にいかないとね。それに四季くんだだてほんとに疲れてるだけかもしれないから」
誰かに言うのではなく俺自身に説得するような言い方をする。そうだ。これは嫌な可能性を打ち消す自己防衛なのであった。
四季sid
部屋に着いて俺はノートを開く。
今日の出来事をまとめておこう。なんとなくそうした方がいい気がした。ほんとにそれは気まぐれだったから明日からはもう書かないと思う。
「えっと…ムダ先にチャラ先とこ行けって言われたから行ったら血液検査された。その間も俺は寝てたから知らねぇけど…あとなんか質問された。…これでいいか」
書き終えると同時にまた睡魔が襲ってくる
「少しだけ…寝るか…」
ベットに上がり俺はすぐ眠りについた。
「……!」「…k!」
誰かの声が聞こえる。馴染みのある声
「おいごら四季!!!!! 」
ゴン
「いっで!!」
なんだかデジャブ
「なんだよ…皇后崎かよ…」
「てめぇいつまで寝てんだ」
「は?そんなに寝て…まって今何時?」
「もう食堂閉まるぞ」
「うっっそん!!なんで起こしてくれねぇんだよ!」
「起こしても起きねぇおめぇが悪いだろ。ほら風呂行くぞ」
「はいはい…」
正直言ってそんなに食欲はないから気にせずに風呂に行った。
1week later
四季sid
あれから少しの変化が見に起きた。あれだけの睡魔があったにも関わらず、俺は寝付くことが中々できなくなった。
「あ〜今日チャラ先とこ行かなきゃじゃん」
「おまえ、先週も行ってなかったか?」
「いや、なんか血液検査するから1週間後また来いって言われててさ」
「血液検査?なんでまた…」
「しらね、まっ、オレ行ってくるわ」
「おいまて。おまえまた隈……人の話はちゃんと聞け!!!!」
怒鳴ってる皇后崎を置いて部屋を出た
保健室
「チャラ先〜来たぜ〜」
「おっ四季くん…」
「あれ?ムダ先もいんじゃん。授業いいの?」
「これが終わったら戻る。」
「へー」
「はいはい。とりあえず血液検査の結果なんだけど…その前に四季くん。最近寝れてる?」
「あーいや…先週の検査から2日後ぐれぇから眠れなくなっちまって…」
「そっか……四季くん。今から話すことは君にとって重要なことだ。心して聞いてくれ。」
「えっ。あっうん。」
急に真面目なトーンで話し出すからびっくりしてしまった。そして俺の鼓動は無意識に早くなっていく。
「四季くん…君は…」
緊張してしまい唾を飲み込む。
「あと1年も持たずに死ぬだろう」
「…」
3人の空間の保健室には静寂が響き渡る。
上手く声が出ない。出しても震えるだろう。
「死ぬ…って俺が…?」
言葉に出した途端一気に不安が押し寄せてくる。
なんで?死ぬ?俺が?死ぬ。1年。持たない。睡魔。食欲不全。不眠症。寝ても疲れがとれない身体。今も。重たい。身体。死。やだ。和平。結んだばっか。まだ。なんで?誰が?俺が。死。なんで。なんで、なんで?やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ。せっかく和平を結べたのに。普通に暮らせるのに。なんで俺が…やだ。生きたい。生きたい。
「なんで…俺…え?」
「四季くん!落ち着いて!大丈夫!」
「四季落ち着け。まだ話は終わってない」
「…ごめん…話続けて」
「…うん。まず理由なんだけど前々から言った通り君は短命なんだ。だけどいくら短命にしたって早すぎる。でも君の場合使いすぎたんだ。制約と誓約の関係だよ。血液検査の結果。君の細胞は迅速に衰えている。先週、炎鬼状態になってもらった時、君は気づいてなかったようだけど息切れを起こしてたよ。今までの食欲不全や睡魔。まぁ不眠も十中八九これだろうね。今普通に君がここに入れることも凄いことなんだ。普通にならとっくに倒れててもおかしくはないんだ。」
「…ムダ先は知ってたの?」
「いや、俺も先程聞いたばかりだ。まぁうすうす気づいてはいたが……」
身体が痛い。
「でも今延命する方法を鬼機関が探して…四季くん!!!」
「四季!!」
「な、に…」
血。血が垂れてくる。
どこから?誰から?
俺からだ。俺の口から。
「 」
俺は吐血し始めた
自覚し始めたら止まらない
「 」
どうしても口内から、赤い液体が込み上げてくるのを止められない。
「 」
喉が焼けるようにあつい。こきゅうできない。
「四季くん大丈夫だからちゃんと呼吸して!」
「気をしっかり保て!」
ムダ先とチャラ先の焦る声が聞こえる。
「ちょっと身体倒すからね!」
チャラ先が言うとムダ先に抱えられベットに寝かされる。少し落ち着いてきた。
「大丈夫?落ち着いた?」
「ご めん。 」
「謝らなくたっていい。お前はなにも悪くない」
「でもおれ、」
「とりあえずお口ゆすごっか、はいお水。この桶に吐き出しちゃってね」
「…うん」
口の中が血だらけだったので正直助かる。そしてまた睡魔が襲ってくる。
「ごめん…俺、」
「さっきダノッチも言ったけど四季くんはなんにも悪くないんだ。今回のことにおいて悪い人なんていやしないんだ。」
「うん…」
「四季、眠いんだろう?今ので余計に疲れただろうから寝とけ。」
「ごめん…うん。寝る…」
結局睡魔に負け、俺は眠りについた。
花魁坂sid
「寝た…ね」
「寝たな。」
「…これからのことについてはまた後で話そう。今は片付けなきゃ」
「俺は生徒達に自習ってことを伝えにいく。」
「あ、自習にするのね…うんわかった…」
「……まだ生徒には言わない。四季の意思によるからな」
「ありゃバレてた?…そうだね…四季くんが起きたらまた話そう。」
ダノッチが保健室をあとにし場は寝ている四季くんと俺だけ。…嫌な可能性が当たってしまった。
…まだ早すぎる。この子が死ぬには。このまま死んでしまってはこの子は…ただ戦車として桃と和平を結ぶだけに産まれてしまった子になってしまって気が気でならない。もっと生きて。他の子達も同じだ。これからは普通に生きて欲しい。学び、動き、仲間と。仲間と分かち合う。喜び合う。これからがスタートなのだ。それなのに。
「なんで…四季くんなのかなぁ…」
床に水が零れ落ちる。
「まだ…まだこんなに幼いのに…」
ほんとに泣きたいのは四季くんなのに。俺は涙が止まらない。もっともっと…俺が優秀だったら…
「救えるのかなぁ…」
「いいんだよ…チャラ先」
「え、…四季くん?!」
「なぁに」
「なにって…もう起きたの?!」
「うん…さいきん、寝てもすぐ起きちゃって…」
「…そっか」
「あのね、チャラ先。俺、幸せだよ。今も。昔も。…これからもきっと」
「…でも君は!…」
言葉の続きが出てこない。これからがないことを口にできない。
「あのね、なんとなくわかってたのかもしれない。ほんとになんとなくで。」
「でも今日改めて、人から聞くとさ…やっぱ動揺するもんだわ。」
「そりゃあね…誰だってそうだよ」
「ムダ先も?」
「ダノッチは…まぁ…するんじゃない?」
「ムダ先が動揺するとこ想像つかねー笑」
「俺もだよ。」
「チャラ先は…想像つくかも」
「まぁね…まっすーは…」
「真澄たいちょーはほんとに想像できないなぁ」
「そうだね…」
他愛のない会話。これしかできない。
でも。それでも
「…四季くん。俺さ、頑張るよ。君を長生きさせる方法探す。だから四季くんも…長生きするよう頑張って!」
「…ありがとうチャラ先。おれ、がんばるから」
四季くんの目から涙が零れ落ちる。
「戻った…四季?…京夜」
「違う!断じて違う!俺は泣かせて…いや結果的にそうかもだけど違う!」
ダノッチが疑いの目をかけてくる
「そんなことは置いといて」
「え、まって誤解は解けたよね?!」
「うるさい黙ってろ。」
「辛辣!!」
「…」
「ごめんって黙るから」
「…四季。」
「ん〜?」
「お前は。お前はこれからどうしたい?」
「どう…って」
「そのままだ。お前は羅刹を出て好きに生きてもいい。ここに居てもいい。お前に選択権はある」
「医者としてはここに居て欲しいけどね」
「…ムダ先は?…ムダ先はどうしたらいいと思う?」
「…正直言うと俺もわからない。何が正解なのか。だが、これだけは言える。四季。
これはお前の人生だ。」
「…俺は…普通に今まで通り過ごしたい。みんなと授業して、訓練したい。でもその中で真澄隊長とか馨さん。神門にだって会いたい。前髪パイセンとかもだけど…色んな人にいっぱいお礼言いたい…わがままかな…?」
…何とも四季くんらしい答えなのだろうか
「いいんだよ。多少わがままでも。俺らは君がやりたいことを全力でサポートするからさ」
「お前がその道を選ぶなら俺らはそれを支えるだけだ。」
「…ありがとう。2人とも。」
四季sid
それから俺はクラスのみんなに伝えた。反応は三者三葉。俯くものもいれば泣くものもいる。なんならキレてるやつだっている。でも。
「なら思い出を作りましょう」
遊摺部の発言がその場を明るくし始める
「そ、そうですね!」
「四季!なんかやりてぇことあるか!」
屏風ヶ浦に続き矢颪も話に乗っかる。
大丈夫。こいつらなら俺を受け入れてくれる。多少関わり方が変わってしまったとしても。今までの友情は変わらない。センセーも各地域の隊長達も同じだろう。
俺は
残りの時間を大切な人達と過ごしていくのだ
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
end
ここから先は後書きです。ここで読むのを辞めて頂いても大丈夫です。
皆様ここまでご覧いただきありがとうございます。地味に長いような長くないような小説ですが読者にとっては続きが気になることでしょう。
しかし私は続きを書くことはないと思います。
四季くんの生死はあなた方がお決め下さい。
誰かが延命法を見つけてくるかもしれないし、四季くんは幸せに逝くかもしれません。なんなら和平反対派閥に捕まって拷問されるのもありですね。まぁ…キリが無いので私の癖はここまでにして…久しぶりに小説を書いた気がします。元々ブルーロックの二次創作を書いていたのですが年齢と共に書く気力が無くなってきてました。こうして桃源暗鬼に沼って書いた訳ですが…ま、お喋りはここまでにしましょう。ここまで読んでくださりほんとにありがとうございました。また書くネタが思いつけば書くかもしれません。その日までさよなら。
not sid
どうか鬼にも桃にも幸せが。今までで多くの人を失いました。数え切れないぐらいの鬼が、桃太郎が犠牲に。だけど今。現代に和平が築かれた。誰か1人でも欠けてたらできなかった。みんなよく戦ってくれました。最後まで。だから安心して眠りについてくれ。愛しい子よ。そんなに泣かないでくれ仲間たちよ。どうかどうか、生まれ変わることが、鬼も桃も居ない世界に生まれ変われたら、出来れば仲間になりたいけど、ライバルになるのもいいでしょう。
だから。あなた達に幸せが訪れますように。
コメント
2件
マジ泣きました😭