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カウンセリングの必要性 徐々に薬を減らしてティアの様子を見ました。ティアには自分の思考が少しずつ聞こえるようになりました。「お話したいことがあるのですが、よろしいでしょうか?先生」ティアは薬が切れて再び幻聴の恐怖にさらされるのが恐くてミリアに静かに話しかけました。「はい、どうぞ」ティアがそんなふうに自分から話すのは珍しいことでした。「わたしが幼い頃幻聴はわたしに読めない文字があると出てきて責めるようになった声から始まったのです、だからわたしに思考が戻れば再び聞こえるかも知れない、でもカウンセリングでお話をしていると幻聴が和らげられるんです、ずっと音声言語なんて精神力の弱さだとしか思っていなかったけど、わたしは両親のように知性が強くないんです、だからこれからもわたしの話を聞いてくださいますか?」ティアの幻聴が再び聞こえるのを防ぐにも、行動による心の力の発動を防ぐにも、もうそうするしかないのだろうとティアは思っていました。「わかりました、いつでもわたしがあなたの話を聞きます」ミリアがそう答えてくれました。
ティアが好きなようにいくらでもミリアにお話を聞いてもらえることで、幻聴は消え去ったかのようでした。再発を防ぐためにも精神的に弱いティアは普通の場所ではやっていけませんが、今は施設でお話をすることで穏やかに暮らしています。外出許可も出て、昔のように家族旅行に行ったり、職員が付き添って買い物に行ったり、楽しいこともある生活を送れるようになりました。