わたしたちを乗せた小船が、真っ暗でとろりとした水の上をチャプチャプと進んでいく。
船頭さんが櫓を押しだすギ、ギ、という規則正しい音を聞きながら、沖に停泊しているセバーグさん所有の巨船に近づくと、その甲板を駆けまわる水夫さんたちからわたしたちに向かってロープが投げられた。
それを小船の船頭さんが受け取ると、水夫さんたちによってロープがたぐり寄せられて、わたしたちは母船から降ろされたなわばしごにつかまって、ひとりずつ船の上に引っ張りあげられる。
そうして甲板にあがると、ひどく見知った顏の船長がわたしたちを出迎えてくれた。
「よお、お嬢ちゃんたち。無事にグリーアを脱出できたようでなによりだ」
「ヘクター船長さん……!」
びっくりするわたしたちに、すらりとした体つきに船乗り風の袴に似た胴着を素肌にはおって、青のサッシュを腰に巻き、ひざの下がきゅっとしまった水夫のズボンを履いた精悍なおじ**********
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