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伊藤ぺいん妄想短編集

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伊藤ぺいん妄想短編集

10 - 眠れぬ夜も、三人いれば

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2024年07月07日

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どうも一般人参です。少し時間ができたので久々の投稿です。

チルりて達(=ぺいん、さぶ郎、オルカ)の話です。

最近の配信何も見れてないのでキャラ崩壊とか、内容のズレとか結構ひどいかもしれません。ご了承ください。

他に捏造要素としてぺいんとさぶ郎それぞれに家があることになってたり、時間がなんかおかしいです。

基本的に時間は明記せず皆様のご想像にお任せしていますがどこか違和感を感じるかもしれません。

それでもいいよという心優しい方は読んでくれると嬉しいです。

<注意>

この作品は9割が捏造でできています。

ご本人様とは一切の関係がありません

キャラ崩壊あり

では本編へ


ふと、目が覚めた。

時計を見るとまだ深夜で、恐らく誰一人として起きていないであろう時間帯だった。

変な時間に起きちゃったな、と思いつつ再び眠りにつこうと目を閉じる———がどうやら完全に目覚めてしまったようで一向に眠くならない。

どうしたもんかと悩みながらもひとまずはベッドから体を起こしてみる。

こういう時は一度何か別のことをして気分転換してからもう一度眠りにつくのがいいとどこかで聞いたことがあるような気がするが、何か別のことといっても何をすればいいんだろうか。

俺の家はほとんど物がなく、あるものは寝るためのベッドとそれからちょっとだけ食べ物を保管している冷蔵庫ぐらいのものだ。

さて、どうしようかな?

家では何もすることがない……なら外で暇を潰せばいい。うん、天才だな。

といっても開いている店など無いだろうし、人がいるとも思えない。軽く数分散歩をして帰ってくることにしよう。

時間にして一分足らずでそこまで考えた俺は念の為に服を警察服に着替えて家を出た。


深夜の街は昼の街とは全く異なった景色を見せてくれる。

街灯こそついているものの周囲を見渡しても心なきの一人もおらず、車でさえ一つも通らない。

普段の喧騒からは全く想像できないこの静けさは、不気味な雰囲気を醸し出している。

いつもは警察業務をしているせいであまりよく見れていない街並みを見ていると、どこか不思議な気持ちになる。

本来なら数分で帰るはずだったのだが、この不思議で不気味な、それでいてとても惹かれるこの街の夜の雰囲気に誘われて気づけば三十分が経過しようとしていた。

もうこのまま夜が明けるまでずっと歩いていようかとマップを見ながら考えていたその時だった。

明かりがついている建物があるのが目に入った。

この時間帯に明かりがついている場所というのはかなり限られている。例えばリサイクルセンターとか、病院も一応明かりはついている。

しかしそれ以外には基本的に明かりがついていない。そりゃみんな寝ているんだし、つけっぱなしだって電気の無駄だしでよほどのことがない限りは電気なんてついていないだろう。

しかし現に目の前の建物は電気がついている。一体何の建物なんだろう、と少しのワクワクとそれ以上の恐怖感が襲いかかってくるのを感じながら建物の外観をよく見ると、かなり見覚えがあることに気づく。

今までなんの建物なのか考えてたせいで気づかなかったが、そこはスドーバックスコーヒーだった。

明かりがついているということは恐らく人がいるはずであり、そしてそのことに驚く。

その次に考えたのは店は開いているのか、ということだった。そして開けているのならばどういう目的で開けているのだろうか?

そう考えながらマップを見ると店のマークは点灯しておらず、開店しているわけでは無いことを示していた。

じゃあ一体こんな場所で何をしているんだ?と考え、その好奇心に従うように扉を開けようと———

……鍵に阻まれた。

しょうがないので軽く二回ノックをして、反応が帰ってくるのを待つ。

……三十秒ぐらいの間が空いて、ガチャっと鍵が開く音がして、扉がゆっくりと開く。

少しだけ開いた扉の隙間からは青色の髪と、こちらを窺う瞳が見えて、そして目と目が合う

俺の姿を見とめたその目の色は驚きで満ちていた。

「……ぺいん?」

「……オルカ?」

どちらも予想外だったのだろう。お互いの名前を呟いてしばし固まる。

最初に再起動したのはオルカの方だった。

「……まぁとりあえず入るか?」

「お願いします」

中に入ると目に映る暖色系の光で満ちた穏やかな空間、耳に入ってくるチルいミュージック、鼻に入ってくるコーヒーのいい香り……

「めっっっちゃチルいな」

「だろ?……で、 お前こんな時間に何してるんだ?」

「いやそれはこっちのセリフですけど?そっちこそ何してんの?」

「オルカは眠れなくてな、とりあえずなんか飲もうかと思ったんだけど、飲み物が何にもなかったから仕方なくここで飲み物作ってたんだ。ぺいんは?」

「俺も眠れなくてさ、とりあえず街を散歩してたらなんか明るい建物があって何なんだろうって思いながら入ったらオルカがいた」

「そうなのか……珍しいこともあるもんだな」

「マジでそう」

言いながらカウンター席に座る。

「俺も喉乾いたからなんかちょうだい」

「わかったぞ……ちなみに何で警察服なんだ?」

「いや、ワンチャン事件とか起きてるかなーって思ってさ」

「この時間は誰も起きてないのにか?」

「でも俺とオルカは起きてたじゃん」

「まぁ……それは確かにな」

そう言いながらエプロン姿のオルカは飲み物を作って俺に出してくれる。

「はい、お待たせ」

「ありがとー……請求書は?」

「今営業時間外だし別にいいだろ」

「……ま、オルカがいいならいいけどさ」

そう言って、ドリンクを飲むために仮面を完全に外す。そのまま飲み始めるとオルカが目を丸くしているのが目に入った。

「……?どうした?」

「いや、お前普段飲食する時仮面ちょっとだけずらして飲食してるから完全に仮面外すの珍しいなぁ、と」

「あー、ね?まぁオルカの前なら別にいいかなと」

「信頼してくれてるんだな」

「当たり前だろ」

そうやって他愛もない話をして時間を潰していると、オルカが携帯で写真を撮ってるのが見えた。

「……何してんの?」

「ちょっとな」

そうやってオルカは携帯を少しいじくったかと思うとすぐにこちらに向き直る。

「何やったの?」

「Twix見ればわかるぞ」

そう言われるがままにTwixを開くとタイムラインに『開いてるぞ』という簡易的な文と共にさっき撮ったのであろう、飲み物を飲んでいる俺と笑顔のオルカが映った写真が貼られていた。

「……俺の顔写ってるんだけど」

「Twixのアカウントの写真と電話帳のプロフィール写真素顔にしてる奴がなんか言ってる」

「……こんな時間だし誰も来ないと思うけど?」

「逃げたな……まぁオルカも誰か来たらいいなぁぐらいの気持ちだから気にする必要はないぞ」

「いやいや、さすがに誰も起きてませんて」

「でもオルカとぺいんは起きてるじゃん」

「………」

さっき俺が使った言葉を使われてしまえばぐうの音も出ない。

「さーて、誰か来るかなぁ」

「俺は来ないと思うけどね」

「オルカは来る方に賭ける」

「いーや来ないね」

「いや来る。百万賭けてもいい」

「何でそんな頑ななの?」

「ぺいん賭博罪切っといてくれ」

「マジで賭ける気じゃん、やば」

「いいから早く切ってくれ」

「なんかキャラ違くね?深夜テンション?」

「ぺいん」

「俺今別に出勤してないから切れないし切らないよ」

「ならしゃーないか」

諦めてくれてよかったとホッとする。

それからまた他愛もない話をし始めて……およそ三十分ぐらい経った頃だろうか。

「……来ないな」

「だから言ったじゃん。誰も来ないよって」

「いや、まだオルカは諦めないぞ」

「まぁ、頑張ってください」

何を頑張ればいいんだろうな?

そこからさらに時間が経過しまして、現在は俺が起きてから二時間ほど。

そろそろ帰ってもいいかなぁと思い始めた頃、オルカがあっと声をあげて俺の後ろの扉を指差した。

「あ、誰か来たぞ!」

「え?」

まさかと思いながら振り返ってみると、窓の向こう側に確かに人影が見えた。

「マ?こんな時間に?」

「誰が来たのかな?」

オルカはめちゃくちゃワクワクしてるが、俺はちょっと恐怖を感じている……ワクワクしてないと言ったら嘘にはなるけど。

二人して扉が開くのを待ち続ける。

ちなみに鍵は俺が来た時から開けっぱなしだ

そして、扉が開く。

「……ぺいんさん?オルカちゃん?」

「「さぶ郎?!」」

扉から入ってきたのは意外な人物。長いピンク色の髪にあの緑色の警察服を着たさぶ郎だった。

「え、何してる?」

「なんかね、変な時間に起きちゃってね、しかも全然寝れなくてとりあえずTwix開いたら二人の写真があったからここに来たの」

「さぶ郎も寝れなかったのか?」

「も、ってことはオルカちゃんも?」

「俺もそうだよ」

「え?本当?」

「何で疑われてるの俺?」

俺の言葉にちょっと焦ったさぶ郎が疑ってないよ〜と弁解をしてくるのを許して、とりあえず座れば?と声をかける。

さぶ郎が俺の右隣に座ってきたのを見て、話を切り出す。

「しっかし何というかまぁ、こんな偶然あるもんなんだな」

「この三人が全く同じ理由で……いや全く同じ理由か?」

「九割ぐらいは一致してると思う」

「まぁそれぐらいか」

「で、しかもおんなじ時間に起きてるなんてな」

「オルカが言いたかったこと取られた……」

「本当にすごい偶然だねぇ」

「さぶ郎にスルーされた?!」

冗談ですよぉー、なんていつもよりもほんわかしてるというか、ゆるいというかそんな感じにさぶ郎は弁明した。

「……なんかさぶ郎いつもよりホワホワしてないか?」

「あー、それだわ」

「何が?」

「いや、今日のさぶ郎に当てはまる雰囲気」

「逆に何だと思ってたんですかぁ?」

「ほんわかとか、ゆるいとか」

「あー、なるほどな?」

そう言いながらオルカはさぶ郎にも飲み物を一つ出す。

「……え?いいの?」

「いいに決まってるだろ。お金は全部ぺいんが払ってくれるらしいからな」

「さっき払わなくていいみたいなこと言ってなかった?!」

「冗談だ」

そうですか……

「あ、ちょっと待っててなー」

そう言ってオルカがこちらに背を向ける。

「?いいけどどした?」

「いや、オルカもお前らと飲み物飲みたい」

「さっきまで飲んでなかったっけ?」

「飲み干した」

「あっはい」

なんか色々とやってるオルカを見ながら待ち続ける。

少しして飲み物が完成したらしいオルカが俺の左隣に座る。

「さて、じゃあ何話す?」

「俺とオルカはさっき結構話し尽くしたからな……さぶ郎なんか頼む」

「うーんとね、それじゃあね———」

そして、幸せな時間が始まった。

いつもみたいに馬鹿騒ぎするわけでもなく、テーザーも使わずに三人で静かに会話するだけだったけど、すごく幸せで楽しい時間を過ごせた。

……こんな時間が永遠に続けばいいのにな

…………

……俺が少し将来失ってしまうだろうこの時間に悲しさを感じていると、何の脈絡もなくさぶ郎が話し始めた。

「……ぺいんさんとオルカちゃんと一緒にチルするの久しぶりだなぁ……」

「……言われてみればそうかもしれないな。最近警察の仕事忙しかったし……」

「後はそもそもぺいんが最近すぐ寝るようになっちゃったからな」

「そうだよぉー。最近ぺいんさんとチルできなくて寂しいんだよ?」

「それはごめん……でもそれ以外にもオルカだってチル時間中どっか行ってるじゃん」

「……まぁ色々あるんだ」

「ふぅーん?」

「その目は何だよ……?」

「別に何でもないよ?」

「絶対何でもなくないだろ……」

まぁ多分ハンさんとなんかやってるんだろう多分。根拠はない。

「喧嘩しないのぉー」

「喧嘩してないよー」

「せっかく久しぶりに三人で集まれたんだから、悪いことはダメだよぉー」

そう言い終わると同時にさぶ郎が一つ、大きなあくびをした。

その光景を見てふとスマホで時間を確認してみれば既に一時間が経過している。夏の今ならもう少しで夜も明けるという時間だ。

「さぶ郎も眠そうだし、そろそろお開きにするか。オルカ色々やってくる」

「おっけーぃ。さぶ郎は一人で帰れる?」

「んー……ダメかも……」

「じゃあ俺たちで送ってくか……オルカー!色々終わったら四人乗りの車出してくれー!」

「わかったー!」

少し待って、色々終わらせてきたオルカの出してくれた四人乗りの車に乗ってさぶ郎を家まで送り届ける。

道中、さぶ郎が九割ぐらい寝かけていたが俺とオルカで喋りかけ続けることでどうにか車の中で寝ることを阻止した。

「……んじゃまた明日な、さぶ郎」

「ちゃんと睡眠取れよー」

「わかったぁ……二人ともおやすみなさい」

「はい、おやすみなさい」

おやすみの挨拶を交わしてさぶ郎が家に戻ったのを確認すると、気が緩んだのか大きいあくびが一つ出た。さすがにこんな時間まで起きてると眠いな……

「じゃ、ぺいんのことも送ってくか」

「え、いいよ別に。自分で帰るからオルカも早く帰って寝な?」

「さっきのあくび見せられた後だとあんまり説得力ないから、大人しく送られてくれ」

「いやでもオルカに迷惑かけちゃうし……」

「いいからいいから」

そう言って腕を引っ張られて車に乗せられる……仕方ない、今日はお世話になりますか。

「ぺいんの家ってどこだ?」

「〇〇〇〇番……」

「おっけ、眠そうだしすぐに送るな」

「ありがとね……」

そこからしばらく静寂が続く。

窓から過ぎていく街並みを見ていると段々と眠くなってくるが、ここで寝るとオルカに迷惑がかかってしまうので自分のほっぺをつねったりして眠気を抑える。

早くつかないかなぁと思っていると、唐突にオルカが話し始めた。

「ぺいん?起きてるか?」

「ギリギリ起きてる」

「そっか、あとちょっとだから持ち堪えてくれよ?」

「がんばる」

「頑張ってくれ」

少し間が空いて、またオルカが喋る。

「……ありがとな」

「……?どしたの急に?」

「いや、久しぶりに三人で話せてオルカすっごい嬉しかったんだよ。そのきっかけになってくれたからありがとうって」

「別に俺何もしてないけどね」

「オルカのところに来てくれたじゃん」

「たまたま歩いてたら見つけただけだよ」

「……お前はそういうたまたまで色んなことに巻き込まれるよな」

「……?どういうこと?何が言いたいの?」

「まぁつまりだな、お前はそういう運命的なものに愛されてるのかなぁーって、ふと思いついたんだ」

「…………別にそんなことないと思うけどな」

「あるよ。じゃなきゃ今日のできごとはきっと起こらなかった」

……運命、か。

もしも俺がそういう運命的なものに愛されていて、何か生きる意味を背負って生きてきたのならば

……俺はきっとこの街のみんなを守るために、見守るために生まれてきたのだろう。

「ぺいん?着いたぞ?」

きっとそうだ。そうであって欲しい。

「おーい?」

そうだとすれば、あの場所での事全てが、みんなのためだと思えて、嬉しく思えるから。

「ぺいん?起きてるか?」

「……ん、ごめん。ちょっと考え事してた。で、何?」

「いやだからもう着いたぞーって」

「え?……マジじゃん。ごめん」

「別に大丈夫だけど、お前大丈夫か?」

「……大丈夫だよ。おやすみオルカ。また明日」

「……おう、おやすみ。悩み事あったらちゃんと言えよ」

「当たり前だろ、深夜テンションで少し気持ちが落ち込んでただけだよ」

「普通深夜テンションは落ち込まなくないか?」

「……とりあえず眠いから今日はもう終わりな。おやすみ」

「なんか腑に落ちないけど、まぁ、おやすみ」

扉を開けて、家の中に入る。

……ぶっちゃけさっき考えてたことなんて無駄だな。運命なんてあるかどうかわからないものに生きる意味を求めるなんて違う。

そんなことより眠いな……

ベッドにさっさとベッドに飛び込もう……

またいつか、こんな時間を過ごしたいな。


六千字超えの本作をここまで読んでいただきありがとうございます。

次回は完全にいつ投稿するかとか何書こうかとか全部未定です。気長に待ってくれると嬉しいです。

ではまた次回で

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