テラーノベル
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#シンデレラストーリー
#独占欲
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逃げ出そうとした身体が、背後からの圧倒的な熱に包み込まれる。
「っ……!?」
ぐいっ、と強い力で引き寄せられ、私の背中は陽一さんの胸板に沈んだ。
(……あつい。それに陽一さんってこんなに腕太かったっけ?……)
私を逃がさないように閉じ込めているこの腕は、私が普段知っている「優しいけど、少し頼りない陽一さん」じゃない。私を行かせまいとする、一人の「男」の体温だった。
(……だめ。流されちゃだめ)
頭では分かっている。この人は、もうすぐ元カノと結婚して、お腹の子供のために生きる人なんだと。けれど、背中から伝わる鼓動と、彼のもたらす熱に、決心したはずの心が揺らぎそうになる。
私はその太い腕を剥がそうと抗ったけれど、ビクともしなかった。その事実が、私の惨めさを加速させる。
「……離してっ! 元カノさんが待ってるんでしょ!?」
「……うそっ! だって、私見たんです……!」
溢れ出る涙もそのままに、悲鳴のような声を絞り出した。
「銀座のジュエリーショップ……! 金髪の、マタニティマークをつけた女の人と一緒にいたじゃない……!」
思い出すだけで、呼吸が詰まる。あの時の陽一さんの、彼女を気遣い、慈しむような視線。
「あの人と結婚するんでしょ!? もうすぐパパになるんでしょ!? なのに、どうしてこんなに優しくするのよぉ……ッ! 私のことはもう、放っておいて!」