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ビジョ………なんか背中が濡れてる気がするなぁ………なんや?体が熱い…。汗が……やばっ!着替えないと…って、服がびしょびしょや!どなしたんや?俺……今は真冬で寒い季節なんに…。まさか、サムの熱が移ったんちゃうか!?
一昨日…のこと…
「なぁ、ツム……」
「なんや?顔真っ赤にしとって」
「…なんか今日だるいねん………」
「え……お前そんなに甘えるタイプやったか?」
「……」
熱か?こいつ……たしか、小さい頃もそんなことあったなぁ…
『なぁ、ツム…俺なんか熱いねん。看病しとくれへんか?(泣)』
『え…?』
あいつはたしか…熱が出ると性格が変わって…甘えん坊さんになるんやったな……てことは、
「お前熱があるんやろ?学校休みぃや」
「……うん。」
「んで、朝ごはんは食べれるんか?」
「……いや、わからん…」
「…俺、学校にいくからお母さんにサムが風邪ひいたっちゅうて…いっとくわ。風邪治すんやよ?」
「……いっちゃうん?」
「……行くわ!」
「…もう少しいてくれへんの?」
「…」
このパターン…小さい頃にもあったな。
『……俺は学校にいくからお前はお母さんに看病してもらい。看病は俺できへんから。』
『……ホンマに?…グスッ……泣』
『いや、泣くなよ…足にくっつくんな!』
『うぅ………』
『………じゃあ、遅刻したらお前のせいやって先生に言うからな!?』
『うん………』
………あん時みたいにならへんとエエけど………まぁ、もう体も大きくなったし、態度もでかくなったし…そんなことはないと思うけど……嫌な予感がするのはなぜや。
「なぁ……10分だけでエエから………。」
あぁ………。その顔は弱いんよ!…居たいけど……看病してやりたいけど…バレーもまけとらへんのや………。ん、でも少しなら…エエんとちゃう?かな…
「わかった。10分だけやからな。リンゴむいてはるからここで待っとけ。」
「………うん。」
「ほら。リンゴや…小さめにきったから……食べれるやろ?」
「うん………」
「んじゃ、俺行くわ。」
「………うん。」
「帰りにおやつ買って変えるけど……サムは何がエエの?」
「……なんでもエエよ。」
「おけ」
そしてあの後……なんか一緒に寝たいって言われたから一緒に寝て……次の日サムは高熱出して…しゃべれるって感じやなかったんやよな………。んで、俺はたぶんそのときから熱があったんやけど、自分も気づかずに部活で熱を溜め込んだ…からか?でも、熱があるとは限らんし…一応体温測ってみるか…。
37.8………ん…?微熱?てか、部活とかで暑い日に出る体温やし…大丈夫ちゃうか?行けるやろ。辛くなったら北さんを頼ればエエし………でも、熱は移したくはないなぁ…。我慢しとくか、いま…朝の4時…こっそり病院に行くか……。
歩いて行けるやろ。あ、トレーニングで走ってこ……!
フゥーフゥーフゥー…ヤバい走りすぎたかも…熱あがったんちゃう?ヤバいヤバい…これ以上悪化したら行けなくなるわ………
「うわっ!!」
「いてっ………って…ツム?」
「…あっアラン君!?どうしてここに?」
「俺はトレーニングや。お前は?」
「俺…は、いや、俺もトレーニングで………」
「でも、お前の家からしてその信号わたると○○病院方向やで?エエの?遠回りやよ?」
「……う、うん。ええねん!ええねん!それもトレーニングやもん!」
「…そ。んじゃまたな。」
「ばいばーい」
…はぁ………。ヤバいたぶん熱上がってる……。
まぁ、目の前やし行くか。病院………
「宮さん……では、こちらに!」
「はい!」
この病院はなれてる。小さい頃から俺は風邪をものすごく引くタイプやったし、人の熱が移りやすいんや。最近はなくなってきたからサムと寝るのも平気かと思ったから………移ったんやろな………サムも足の怪我とか常連やもんな。担当の先生まで決まっとるし……笑…ってところじゃないけど……。
「侑君……久しぶりだね。今度は君かね?この間は治君がきとったよ……。熱があるのと、足が負傷している。とのことでな……」
「え?足を負傷?」
「おやま、聞いとらんかったね?」
「……はい………」
「バレーの時に足を痛めたらしくてな………。かなり我慢してしたのか、とても危険な状態だった。だから、あまりバレーをやらないように進めたのだが………、午後のバレーだけはやらせてくれって言うからそれだけは承知した。まぁ、熱で朝練いってないことはわからんけどな。」
「………そやったんですか……」
「…うん。んで、君は……うん、熱が移ったね。
いい加減……疲れをとってくれ………。君の体は今はボロボロだ。ストレスを出せていない……バレーに入ってから、熱か起こらなかったのは小学生の時になおったストレズがまた現れたことで体がついていけなくなって、ならなかっただけで、治君が熱になったことで、移ったんやな」
「………俺…また疲れがたまっとるんですか?」
「………うん。最近睡眠がとれとらないか?まともな睡眠じゃないから…。か、体の動きすぎ。体をたまには休ませんと、いつかは精神が鈍くなって…自殺までも起こしてしまいそうになる。もう少し休んだらどうかね?私は君がとても心配だ。小学生の時は治君が解決してくれた。それまでは、何回も高熱が続いたろ?」
「……はい……」
「あのときよりも体が成長して、熱が強くなって苦しくなる。」
「………」
「また解決しなきゃな。今回は部活かいな?」
「……は、はい。きっと………」
「…見るからに辛そうな顔をしとる。なるべく熱を出さない薬を渡しとくから、友達…または治君
家族と相談しなさい。わかったかね?」
「………はい。」
「ん。じゃあ、また一週間後」
「はい。ありがとうな。先生」
「ええよ。」
「……では」
思い出す……俺が小学生の時の……辛い思い出
『よっ!かたツムり!』
『お、俺はカタツムリの「ツム」じゃあらへん!』
『嘘つけ~カタツムリ!』
『や、やめろ!』
『口答えすんじゃねぇよ!』ドサッ
『うっ……!』
『わぁ……楽しいな…。その苦しい顔もっと見せろや……。』
『え……どなしたんや?……うっ!やめっ!』
そのとき俺はボゴボゴにされて傷だらけやった。体は内出血やら打撲やら。その俺を殴った奴は退学となり…もう顔も忘れた。………そのとき、怪我のことは家族に黙ってて…いたくてもいたくても耐えたんだ。そして、熱が出た。その時にその傷に気づいたおばあちゃんが病院につれてってくれて……それからの記憶はないんや。でも、その後…家に帰って俺のためにお粥を作ってくれるって楽しみにしてたんや。その日はひどい猛暑で…乾燥していた。俺は熱がでてるのに公園にいって…ボールをもって一人で遊んでた。
そして、家に帰ったら消防車がたくさんいた。
俺はそのとき『すげー!』とか言いながら帰ったら、消防車の行き先は俺のいえやった。火事だ。しかもおばあちゃんがなかにいるってことを知った。でも、助けることはできなかった。
後から聞いたところ……俺がいなくなって慌てたおばあちゃんが火を消し忘れたみたいで……服に着火し、生きたまま………燃えて…。俺のせいで死んだんだ………俺があのとき、遊びにいかないで大好きなおばあちゃんの笑顔を見ながら美味しいお粥をたべて元気になれば………。全部嫌になった。
それから、引っ越しをして前の家と同じで木材の家。おばあちゃんの家だ。自分の家は燃えたから。俺のせいで。
『さぁ、治、侑、お入り。今日からここにすむのよ。学校は変わらないから。』
おばあちゃんと俺の家は近かったから、引っ越すといよりかは……移動してきたって感じや。
でも、俺はおばあちゃんの懐かしい臭いからどんどん自分を追い込めて…熱で倒れた。それから何回も繰り返して……高熱が出た。やがて、原因がわかって…サムが、
『なぁ、ツム……なんで隠しとったんや?俺たちは双子やよ?お前の兄弟だ。抱え込むことは悪いんよ?』
『……うん。』
『……見るからに辛いって顔に書いてある。目だって…とっても悲しそうな瞳しとるしなぁ……』
『ほんまか?』
『あぁ……まるでネズミが出てきて怖がるおばあちゃんの目や。』
『……アハハ!そんなわけないやろ!』
『……フフッ』
『な、なんや…その気持ち悪い笑顔は』
『はぁ!?なんやその態度は!?』
『いや、その顔気持ち悪いなぁって笑』
『……だって、久々にツムが笑ってくれたから嬉しくて……。』
『あ………』
俺は、熱が出ていつも苦しいかとしかしてなかったからやろうか……笑顔が出てなかったみたいや。
『……おばあちゃん………グスッ…』
『泣くなや。』
『お前にはわからんやろ!!俺が……おばあちゃんを殺したみたいなもんなんやで!?』
『ええ加減にしろや!』
『ピクッ』
『お前…なんで忘れとるんの……おばあちゃは
……「元気で泣かなくて…明るい侑が好き」って覚えとらんのか!?毎日のように言い張って…お前のことが大好きやったんやぞ!?なのにお前がお婆ちゃんを悲しませてどうんのや!!!!いつになっても、弱虫の癖に!強がるから…そんなことになるんやろ!?いい加減別れや…こっちは……心配で…くるしんでるツムを見てもなにもできなくて…ええ加減おばあちやんのきもちと俺らの気持ちをかんがえろや!!!抱え込むんじゃねぇよ!!!!』
『サム………』
サムが大声で怒鳴って…お父さんもお母さんもドアから覗きながら、俺とサムを見ていた。サムは泣きじゃくって顔が鼻水と涙でぐしゃぐしゃだった。俺は…ただひたすらサムと泣くことしかできなかった………
「ふっ………そんなこともあったな…。でも今回はサムが抱え込んどんのか。だったら、俺よりもサムの方が先やな。」
小さい頃のお返し……したるで!サム!
……まだ誰も起きてないか。手洗ったら学校の準備しないと……。
…?俺の部屋のドアがあいとる?誰や?誰が入ったんや?
「………サム?」
「………つ、ツム…。」
「どなしたんや?俺の部屋に勝手にはいって」「わ、わるい………」
「………お前…足怪我しとるやろ?」
「え?」
「痛そうにしとるし…」
「………実はな。」
「……抱え込んどらんか?」
「……お前にだけはいってもエエんだよな?」
「うん。兄弟やもん。」
「俺…バレーでもっと強くなりたいって思いすぎて実は……夜もこっそり起きてやりつづけてたらお前と同じで熱が少し出て…まぁ、その日は雨が降ってたからやと思うけど……。んで、その時に転んで…足を痛めたんや。もうバレーはできないかもしれないって言われて焦って…でも、午後だけはやらせてくれるっていから…やろうと思ってんねん。今日は熱があるからいけへんけど……」
「それだけ?泣かないんか?」
「……うぅ…グスッ俺…バレーやりたい……!でも、無理はしない…グスッ……」
「あぁ……そう…しときや。ハァハァ………」
「…?お前息が上がっとるで?」
ヤバい。サムの熱が移った……ごまかさないと…
「…走って帰ってきたから。」
「……そういえば…どこにいってたん?」
「……トレーニングをしに行ってたんや」
「…そうか。ほなええけど……」
「いや…なんやと思ってたん!?」
「また抱え込んどるんやないかって………」
「なんで……そうなるんや……自分のことを優先しときぃや」
「うん。」
「じゃあ俺いってくるわ。」
「うん……」
フゥーフゥーフゥーフゥーフゥーフゥー
ヤバい……息が…はぁーーーー……よし!なおった!行こう!
「おはようございまーす!」
「おはようさん。ツム…」
「おぉ!トレーニング仲間のツム!」
「おぉ!アラン君!」
「~!~ーーーーーーー」
あれ…なんかくらくらする?……アラン君かなにかいっとるけど…頭に入らんわ。
「ん?ツム?おーい?」
「どなしたんや?」
「ツムが………」
「?」
ヤバい……北さんも来た…目眩なんか…かすり傷とおなじや!
「ツム?」
「あっ……北さん!どうかしましたか?」
「……アランお前バールの準備しといてくれるか?」
「あ、うん。」
「少し着いてこい。」
「……はい……」
え?ベンチ?ここで何するんや?
「あの、北さん?」
「………サム‥足いたそうやな。」
「あ、はいそうですね?」
「……お前は?具合悪いんとちゃうの?」
「…俺は具合なんか悪くありません。サムは元気です。足を痛めた理由は‥、夜中とかにこっそりハードな練習をやったからで……」
「そうか。」
「……。」
「……んで?体調の悪いお前は?どなした?」
「え……?俺ですか?」
「……うん」
「おれは……だから、なにもありませんよ。」
「なにもなかったら、聞かない」
「……っ……俺…は………」
「……無理に言わなくてもエエよ。」
「いえ……俺…実は……人の風邪が移りやすい体質で…サムの熱が移ったんとちゃうかな?って…」「そんなこと隠してたのか?」
「そんなことって…俺だって…ストレスとか疲れが多ければ多いほど移りやすくなるし、高熱にだってなるんですよ!?」
「………すまん。」
「あ…あ、ご、こめんなさい………。」
「……。ストレス…か。抱え込んどらんの?」
「………あ、それは……」
「ストレスがあるから、移ったんやろ?」
「……は、はい」
「そのストレスはなんや?」
「………いや、その……」
「楽にはなしや。」
「……でも、バレーが……「仲間の方が大事や。仲間がおるからバレーができるんやし…。」
「……北さん…じわっ……。」
「ん。泣くなや。んで?なんのストレスがあるねん」
「あ……いや……それは…俺にもわからなくて…」
「……そか。」
「……あの…ずっと皆さんに内緒にしてたことがあって…」
「……?なんや?」
「……俺…小さい頃にいじめにあってて…」
「……」
「んで、怪我を隠しながら毎日を過ごしてたんです。でも、ストレスがたまって高熱が出て…おばあちゃんに看病してもらったんです。」
「……」
「……でも、ある日不登校だった俺が外に出たくなって…熱があるのに公園にボールもって遊びにいったら…家に帰ろうって思って……、帰ったら……家が燃えていて、なかにはおばあちゃんがおるらしくて…。原因は服の着火…俺がいなくなったことで慌てたおばあちゃんが…火を消すことを忘れて服に着火したんです。それで…俺のせいでおばあちゃんは死んだって考えたんです。」
「……そか。」
「おれはその事件があってから高熱がで続けて
病院にも何回も通って…そしたら、医者にストレスと疲れで熱が出ているって言われたんです。
だから…解決するまでは熱が続くって言われて…どうやって解決しようかって考えてたら……サムが助けてくれたんです。」
「どんな風にや?」
「………おばあちゃんはお前の泣いてる顔を見たいんやなくて、明るい笑顔が見たいんや。ってお空から…ずっとそれを願っとんのや。みたいなことをいってて………」
「なんで肝心なことろを忘れるねん。」
「……なんか、嬉しくて……」
「……そうか。お前は疲れがたまると…熱が出やすいんやな。でも、いまそのストレスはわからんってことか。」
「……はい。」
「…俺はその悩みごとを解決しようと思っとるで。」
「……でも、迷惑じゃ……」
「何が迷惑や。一回は迷惑かけろや。」
「……でも…」
「……俺はサムみたいにお前の心に刺さるようなことはできへんけど…全力でお前を助けるで。」「……あ、ありがとうございます………泣」
「んじゃ、少し落ち着いたらバレーしよや。」
「……はい。」
そうか。迷惑じゃないんや。って、そんなことはないけど……。でも、俺………北さんに
「じゃあ、今日は解散ホームルームが始まる前に教室に入れや!」
「「「はい!」」」
……はぁ……少し熱が上がってきたな……。やっぱり……あれか………。
「なぁ、侑大丈夫?体調悪そうやけど……」
「うん……大丈夫や。」
「……無理すんなよ………!少額の時みたいになったら……俺……泣」
「いや、泣くなや。んじゃあ、少し保健室行ってくるわ。」
「ん。(やっぱり体調悪いんやないか。)」
……誠(さっきの友達)結構心配しとったなぁ……。はぁ……またみんなに心配かけてもうたわ。バレーでも……最近うまくやれとらんからなぁ……。
「ん。ツム………」
「おぉ……角名…なんで保健室におるん?」
「…部活の時手首捻ったから……」
「大丈夫なん?」
「今…保健室の先生に手当てしてもらっとる。」
「ん。そか…あ……先生」
「あら。どうしたの?」
「体調悪いんでやすんでもええですか?」
「まぁ、珍しいわね…いいわよ。」
「ありがとうございます!」
(…ツム……体調悪いんや。)
うぅ……全然寝れへん………
「侑君?私少し職員室から呼ばれたから空くけど大丈夫?誰か来たら…できたらでいいけど手当てしてくれるかな?」
「あ、はい。」
「ん。ありがとぉな。」
「いえ。」
………手当てできるかな…。患者がくるまでねことぉかな…ガラッ………いや、もう来たんか!?
「すいません……絆創膏ください」
「あ……はい。」
「あれ?侑?」友達A
「あぁ……今俺が代わりやねん。」
「そか。んじゃ、あんがとなぁ。」
「うい………ケホケホケホ……」
はぁ……
保健室にため息が響くなぁ……ヤバい熱があがっとるきがする……。寝よう……
「………ん……いま何時や………」
いつのまにかねとったな……患者さん来なかったんかな?
「あら、起きた?侑君…もう4時過ぎよ。体調のほうは大丈夫なの?」
「あ……まぁ………」
「……今誠くんが来るからな。」
「、え?」
「侑!大丈夫なの?これ鞄と…「ちょっ……ちょいまちや!」
「ん?」
「いや、俺部活あるんで?」
「いや、行ける顔色しとらんから。」
「……いくよ。いくから大丈夫や。」
「余計心配されるよ?」
「いや……それは……」
「お前はバレーのやり過ぎ…寝るときとか…金縛りとかにあったって聞いたし…きっと…疲れすぎてそれが続いて…熱が出たんやろ?おかげに心配されることをいやがって…心配されたらされたでそれがまたストレスで…。心配されるってことはそのくらい侑のことがすきやねん。そこだけは覚えとけ。サムは足が痛むってことを。だろ?」
「いや、よくわかるな…」
「なにいっとるねん。幼なじみやろ!?」
「おう。ありがとな。」
「ええよ……。笑顔はでないか……やっぱりお前は治君か?解決できるのは……」
「わからない……」
「……いまから部活の人に休むっていってくるから……寝とけ。」
「……うん……」
なんだろう……いきたいのに頭が言うこときがへん!おい!無理矢理でもいけや!
「どなしたんやろ俺……」
「……ねぇ侑君…」
「……はい?」
「…侑君は、部活の人に解決してもらいたいの?」
「……わからないんです。」
「そう……」
「ツム…来ないな………」
「さっきまで、保健室にいましたよ?もう帰ってると思いますけど………たしか体調が悪いっめいっとりました。」
「そか。」
「あ、あの!」
「……だれや?」
「宮侑の…友達なんですけど!」
「……あ、ツムの。」
「はい!えっと、今日ツムは…体調不良なんで、部活を休むのことです。あと、俺はあいつを連れて帰られないので、誰か連れて帰ってくれますか?」
「……親は?」
「親はいないそうなので。治君の病院とやらで、最近は迎えに来ないそうなのでいつもは歩きで帰ってると思うんですけど…」
「そか。」
「では、迷惑だと思いますがすみません!」
「ええよ。んじゃ、気ぃつけて帰り。」
「ありがとうございます!」
「ツムが休むなんてめずらしぃなぁ」
「………まぁ、バレーやるで。ツムのことはまた終わってからや。」
「「「ういっす」」」
………休んでもうた。誠は家がラーメン屋で手伝いが大変だから帰ったけど…部活のみんなに連れて帰らされるんやな…言い方悪いけど…まぁ、もう少し部活が終わるまで休めるんやし…ええか。にしては…サム……大丈夫かな……今日病院やったよな。なんもないとエエけど…お母さん…迎えに来てくれへんかな……。みんなに心配されてまうよ…でも、いまはサムの方が大事やな。心配されるのが嫌なら…心配されんようにすりゃええんちゃうかな?『心配されるってことはそのくらい侑のことがすきやねん。そこだけは覚えとけ』…誠……カッコつけたな…。そうか。心配されるってことはそのくらい俺のことが好きなんや。友達だからやと思うけど…『たまには心配させろや。仲間だから心配すんねん。』……北さんも言ってたな。そんなこと。俺って恵まれとるなぁ
「んじゃ、バレー終わりぃ!」
「「ういっす!」」
「誰か俺と一緒にツムのところいくやつおるか?」
(何人か手をあげた)
「んじゃ、じゃんけんしぃや。」
いーんじゃんけん!(関西のじゃんけんの方言)
「俺だ……」
「じゃあ、角名と俺な。その他は帰っとけ。」
「「はい」」
「ツム…寝とるんですかね?」
「そうやろ。でも、どうやってかえろぉかな」
「……あ、俺今日おばあちゃんの病院にいくんですけど…その時にツムの家まで送れますかね?」「おぉ……ええんちゃう?」
「でも、途中で病院かようかもしれないですけど……」
「……そこはツムに聞こう。」
「そうですね。」
ガラッ
「「失礼します」」
「……あら、北くん、角名君…侑君かな?」
「はい…寝とりますか?」
「えぇ。きっとね。奥野ベッドよ。」
「おーきに。」
(カーテンかかっとるな…)
ガラッ
「……おっ、北さん…と、角名………」
「ん、迎えに来たで。」
「あ……はい。」
「俺の車に乗って帰る?って話になったんやけど……途中で病院によるんや、エエか?」
「…おう。ええよ。悪いな」
「謝らんくてエエよ。」
「んじゃ、かえるか……」
「北さんも車に乗りますか?」
「……エエんか?」
「ツムのこと一番心配してましたし……」
「……あんがと……」
「じゃあ、ツム…鞄もったら、歩ける?」
「……んん……わからんな…」
「そか。無理すんなや。」
「ありがとうございます………」
「……立てるか?」
「あ……はい」
あ……ヤバい目眩が………フラッ
「お、おい………」
やべっ……角名に支えられれてもうた………
「大丈夫か?」
「あ……うん……すまん。」
「……肩貸すか?」
「ううん……平気」
「そうか。」
「北さん…なんやと俺少し車のところ見てきます!」
「ん。わかった。ツムは、任せとき」
「ありがとうございます!」
……フラフラする…歩くスピード遅いのに北さんついてきてくれる。歩くスピード合わせんくてエエのに……。
「……(目眩があるんやろか?)」
「なんか…すみません……歩くスピード遅いですよね。あ、無理に遅く歩かなくてもいいですよ!」
「……謝るな…。こんなスピード別にエエよ。」
「……北さんは優しいですね。」
「当たり前やろ。後輩の前でだらしないところは見せたくないからな。」
「……俺…悩み事がわかりました。」
「……そうなんや。」
「…北さんでよければ聞いてくれませんか?」
「……俺でエエのか?サムじゃなくても……?」
「フフン。北さんに俺が言いたかったんです」
「…そうか。」
「……俺…少し…バレーを休みたいです。」
「…!?」
「……医者にも動きすぎって言われたんです。少し休んでからまた始めようかなって春高も近いし…焦りすぎて……。俺…頑張りすぎてたんです。」
「まぁ、たしかに…最近結構激しい運動ばかりしていたからな。」
「……だから、少し休んでからまた始めようかなって思っていて……ダメですかね?」
「……ええよ。でも、休み終わったら、すぐに練習やからな。」
「はい!」
「んで、そんだけか?」
「……あっ、車ありますよ!」
「…………うん。(話をそらしたな…ツム…)」
「乗れる?ツム?」
「うん……」
「病院、20分ぐらいかかるらしいんだけどいいかな?」
「……うん」
「ん。じゃあ……。」
「じゃあ、行ってくるね。すぐに戻るから。」
「うん……ケホケホッ…はぁ……はぁ……うっ……」「…大丈夫か?熱……あがっとるよな?」
「は、はい……はぁはぁ……」
「……ストレスか?」
「……一ついってないことがあります。」
「……なんや?」
「昨日、実はおばあちゃんの亡くなった日で…おばあちゃんの遺品整理をしていなくて…。整理したんです。そしたら…これが……ケホケホッ……」
「?」
『侑の日記』
『侑の笑顔はいつも明るくてかわいい。元気でお年寄りの私にも優しくしてくれる。学校でいじめにあわされたらしい。心配でしかたがない。体には内出血や、切り傷など、もうなおらなそうな怪我ばかりで…それでも、大好きなバレーをやりつづけて……無理をしている。病院によると、侑はストレフが多ければ多いほど、熱が出る。だから、もし私が死んだら、侑はどうなるんだろうか。以外と抱え込みやすくて…、誰にも頼りたくないって思ってしまう子だから治が助けてくれるとエエけど、友達って言うのにちゃんと信頼感を持って…頼れるようになったら私は嬉しいな。侑は笑顔が少ないときは…熱が出やすいときは助けてあげてほしい。あの子はきっと…それを求めてる。でも、表には出さずに一人で抱え込む。お願い、それだけは避けてください。今、この手紙を読んでいるあなたは侑を助けることができる人。侑が先に読んでたら、残念ですけど……。どうか、あのこを笑わせてあげてださい。』
《侑の祖母より》
「お前のことをよくみてるおばあちゃんやな。」
「……はい……はぁ、はぁ、」
「あ、ごめん。大丈夫か?」
「……横になってもエエですか?」
「うん。」
あ……北さんの膝借りちゃった……。
「……この手紙読んだら思い出したん?」
「はい……やっぱり俺のせいやなって」
「……そんなこと、思うためにお前のおばあさんは書いたんとちゃうよ?」
「……はぁ、はぁ、でも……」
「…この手紙よく読んだか?……お前の笑顔を見たいって書いてあるんだぞ?」
「……はぁ、はぁ、」
「お前がまた病むようなことを望んでかいてるんじゃない。笑ってほしいことを望んでる。」
「でも、俺…」
「……ハハハ…。」
「え?」
「お前も笑えや」
「……え?あの、北さん?」
「フフフフ……アハハ」
「……ハハハ……北さんの笑うところ初めてみましたわ。フフ」
「いや、そんなことはないやろフフフフ」
「こんなことでも笑えるんですね。フフ」
「今はそのくらいお前が俺の存在を許してるんだろ?」
「信頼感が強いですからね。」
「フフッそれはよかったわ。」
「熱が下がりましたね。」
「ホンマか?」
「はい…!」
「そか。ほな、よかったわぁ……」
「そんなにしんぱいしてたんですか?」
「いや、当たり前やろ…誰やと思っとんねん。」
「?北さんですけど?」
「…うん。まぁ、そうやな。」
「戻りましたぁ!って、ツム!元気になったの?」
「うん!北さんのおかげで。」
「いや、笑っただけやで?」
「いや、違いますよ……フフ」
「いや、そうやってフフフフ」
「……(付き合えるんじゃね?まぁ、男と男はないか。女と男だったらなぁ……)じゃあ、ツムの家まで行くで?」
「あ、いや大丈夫。」
「え?」
「ここ、サムの病院だし、」
「え?そうなの?」
「うん。」
「そっか、いるの?サム?」
「さっき、灰色の男の子なら見たけど……」
「え?ほんとお母さん?」
「えぇ。」
「ほな、また。」
「俺もいってもエエか?」
「いいですよ。」
「ありがとう。」
「じゃあ、ごめんな。乗るだけ乗って帰るのって……」
「ううん。ええよ。気ぃつけてな。」
「うん。またな。」
「あの事言わんくていいのか?」
「え?」
「休むってこと」
「…休みません!俺いきます!」
「そうなの?」
「はい」
「ん。そっか。」
「じゃ、またね。」
「うん。」
「あれ?ツム?と、北さん?」
「よっ!」
「なんでここにいるの?」
「いや、それは……」
「ツム難い超悪くなって角名の車に送ってもらったら、ちょうど…この病院だったから。」
「……おい、ツム…」
「な、なん、なんや?」
「隠し事があるならはなせちゅうたよな?」
「……え、えっとぉ……そ、それはぁ……」
「……怒らんときや。」
「え?」
「……こいつは家族やなくて友達に解決してもらいたかっただけや。」
「……友達って……。そうか。おばあちゃんの遺品整理の時の手紙か。」
「え?なんで知っとんの?」
「……あれ、俺におばあちゃんが渡したんよ。でも、奥場所がなくて……おばあちゃんの棚のはじっこにいれたん」
「……つまりはお前が最初にあれよんだん?」
「……まぁ、うん。」
「……そうか。」
「でも、これは俺がやるべきことじゃないってでも、何かあったら、俺が解決したいなって思ったから。」
「……そっか。」
「んで、北さんに解決してもらってどうやった?」
「……ふふ。お前とは違う解決のしかたやった」「いや、俺は解決をしたんじゃない。笑っただけだ。」
「いや、ちゃいますって!」
「いや、そうやって!」
「あ……ツム笑った……。北さんも……」
「「あ……」」
「二人とも…笑えるようになったな。」
「……サム…敬語使え。」
「あ!すみません!」
「……ふふ。まぁ、たまにはエエか。」
「治!順番来たわよ!」
「あっ、はい!じゃあ、また。ツム、先に帰ってくれない?遅くなるから。」
「え?あ……わかった」
「北さんも」
「ん。」
「じゃあ!」
「じゃあ、結局…帰るか……」
「は、はい」
「……なんか、今日北さんと一緒にいるのが多いですね。」
「ハハッたしかにな。」
「……」
「俺…お前のことすきや。」
「え?」
「大好きや」
「……俺も北さんが大好きです。」
「フッほな、両想いやな。」
「いや、それは恋愛ですよ。俺と北さんは友達です。」
「……ムッ……そ、そうやな……」
『どうか、北さん…ツムの恋人になってくれるかな?』
(俺の名前なんで知ってたんや?……恋人になれっちゅうても…男と男やぞ?……まぁ、すきやならええわ。ツムが敏感じゃなかったらなぁ……)
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色々と間違えてます!すみません!