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#独占欲
区役所を後にし、式場である郊外のゲストハウスへと向かう電車の中。
朝日に照らされ、生命エネルギーに満ち溢れた白石さんが、僕の肩に頭を預けてきた。
「やっぱり、郊外のゲストハウスにして正解でした♡ あそこなら、誰にも邪魔されず、式が終わった後も二人っきりで過ごせるし」
「……そ、そうだね。君がここを選んだ理由が、今、痛いほどよくわかるよ」
僕は震える膝を押さえながら、肌ツヤを輝かせている最愛の妻を横目で見た。
(11月22日の『いい夫婦』になんて、なれるわけがなかったんだ。僕(草食動物)を捕獲した彼女(肉食動物)は、最初から『異夫婦(い・ふうふ)』を望んでいたんだから……!)
「陽一さん、しっかりしてください。まだ、婚姻届を出しただけですよ? ……披露宴も、二次会も、その後の『本番』も、これからなんですから♡」
(……僕のHPもMPも、もうマイナスなんだぞ……!)
今日という日は、僕ら『異夫婦』の始まりの日。 そして、僕が彼女という名の肉食獣に生涯捕食され続ける『絶滅危惧夫』として、正式に登録された記念日になったというわけだ。
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